最終更新日:2026年9月5日
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まず結論
ROEは自己資本に対する利益の割合、ROAは総資産に対する利益の割合を見る指標です。
基本情報技術者試験では、略語を丸暗記するより、分母が何かを見ると切り分けやすくなります。
利益 ÷ 自己資本
→ ROE
利益 ÷ 総資産
→ ROA
自己資本 ÷ 総資本
→ 自己資本比率
売上高 ÷ 総資本
→ 総資本回転率
まずは、
E = Equity
→ 自己資本
A = Assets
→ 総資産
と結び付けておくのがポイントです。
直感的な説明
会社の利益が同じでも、「何を元手としてその利益を生んだのか」によって見る指標が変わります。
例えば、ある会社の当期純利益が100万円だったとします。
株主から預かった自己資本が1,000万円なら、
ROE
= 100 ÷ 1,000 × 100
= 10%
です。
一方、負債も含めた総資産が2,000万円なら、
ROA
= 100 ÷ 2,000 × 100
= 5%
です。
同じ100万円の利益でも、
株主の資本に対して見る
→ ROE
会社全体の資産に対して見る
→ ROA
という違いがあります。
自己資本や総資産がどこに出てくるかを先に確認したい場合は、貸借対照表とは?資産・負債・純資産の見分け方 を確認するとつながりやすいです。
定義・仕組み
ROE
ROE(Return on Equity:自己資本利益率)は、自己資本に対してどれだけ利益を生み出したかを見る指標です。
代表的には次の形で表します。
ROE(%)
= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
FEでは、細かな会計上の調整よりも、
自己資本に対する収益性
→ ROE
と判断できることが重要です。
ROEの分子に出てくる当期純利益の位置づけは、営業利益とは?売上総利益・経常利益・当期純利益の違い で整理しています。
ROA
ROA(Return on Assets:総資産利益率)は、総資産に対してどれだけ利益を生み出したかを見る指標です。
ROA(%)
= 利益 ÷ 総資産 × 100
ROEが株主の資本に注目するのに対し、ROAは負債も含めた会社全体の資産をどれだけ効率よく使ったかを見る点が違います。
自己資本比率
自己資本比率は、総資本のうち自己資本がどれだけあるかを見る指標です。
自己資本比率(%)
= 自己資本 ÷ 総資本 × 100
これは「利益を生む効率」ではなく、資本構成や財務の安定性を見る指標です。
利益が入っている
→ ROE・ROAを疑う
自己資本と総資本だけ
→ 自己資本比率を疑う
総資本回転率
総資本回転率は、総資本を使ってどれだけ売上高を生み出したかを見る指標です。
総資本回転率
= 売上高 ÷ 総資本
利益ではなく売上高を見るのが特徴です。
利益 ÷ 資本
→ 収益性
売上高 ÷ 資本
→ 回転率・効率性
財務諸表そのものの役割をまとめて確認したい場合は、財務諸表の違いとは?貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の見分け方 も確認してください。
また、「投資額に対してどれだけ利益を得たか」を見るROIは、ROEやROAとは分母の意味が異なります。ROIとは?投資利益率の計算と案件比較の考え方 で切り分けを確認できます。
このテーマは、基本情報技術者試験の企業活動・会計・財務に関係します。公式の出題範囲は、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、財務指標の説明として正しいものを選ぶ形が中心です。
次の表で切り分けます。
| 問題文の表現 | 指標 |
|---|---|
| 自己資本に対する収益性 | ROE |
| 総資産に対する収益性 | ROA |
| 自己資本と総資本の比率 | 自己資本比率 |
| 総資本を使ってどれだけ売上を生んだか | 総資本回転率 |
| 投資額に対してどれだけ利益を得たか | ROI |
試験中は分母を見る
似た説明が並んだら、次の順番で読みます。
1. 利益を見る指標か?
2. 分母は自己資本か、総資産か?
3. 利益ではなく売上高なら回転率か?
4. 投資案件の効率ならROIか?
特に、
自己資本
→ ROE
総資産
→ ROA
の対応が最優先です。
どんな場面で使う?
ROEやROAは、会社が保有する資本や資産を使って、どれだけ効率よく利益を生み出しているかを見るときに使います。
例えば、
株主の立場から資本効率を見る
→ ROE
会社全体の資産効率を見る
→ ROA
借入に頼りすぎていないかを見る
→ 自己資本比率
資本を使って売上をどれだけ生んだかを見る
→ 総資本回転率
という使い分けです。
FEでは、企業分析を深く行うというよりも、指標が何を分子・分母にしているかを読み取ることが重要です。
よくある誤解・混同
ROEとROAを逆に覚える
ここが最も典型的な混同です。
ROE
E = Equity
→ 自己資本
ROA
A = Assets
→ 総資産
英単語と結び付けると逆になりにくくなります。
ROEは総資産に対する利益率?
違います。
総資産に対する収益性はROAです。
自己資本 → ROE
総資産 → ROA
自己資本比率も収益性を表す?
違います。
自己資本比率には利益が入っていません。
自己資本比率
= 自己資本 ÷ 総資本
したがって、主に財務の安定性を見る指標です。
総資本回転率は利益率?
違います。
分子は利益ではなく売上高です。
売上高 ÷ 総資本
→ 総資本回転率
「回転率」という言葉が出たら、一定期間に資本が何回売上に結び付いたかという効率性を考えます。
ROIとROEは同じ?
違います。
どちらも「Return」が付くため似ていますが、分母が違います。
ROE
→ 自己資本
ROI
→ 投資額
FEでは、略語よりも「何に対する利益か」で判断すると安定します。
まとめ(試験直前用)
- ROEは
利益 ÷ 自己資本。E = Equity と覚える - ROAは
利益 ÷ 総資産。A = Assets と覚える - 自己資本比率は
自己資本 ÷ 総資本。利益は使わない - 総資本回転率は
売上高 ÷ 総資本。利益率ではない - ROIは投資額に対する利益。ROEとは分母が違う
- 迷ったら、まず分子と分母が何かを確認する