最終更新日:2026年7月15日
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まず結論
ROI(Return on Investment:投資利益率)は、投資額に対してどれだけの利益を得られたかを見る指標です。
基本情報技術者試験では、まず問題文で使われているROIの定義を確認し、次の形で計算します。
ROI(%)= 利益 ÷ 投資額 × 100
複数の案件を比較するときは、利益の総額ではなく、投資額1単位あたりの利益を比べるのがポイントです。
また、回収期間が示される問題では、次の式を使います。
回収期間 = 投資額 ÷ 年間利益
年間利益 = 投資額 ÷ 回収期間
直感的な説明
ROIは、「100万円を使って、どれだけ利益を得られたか」を比べるものです。
たとえば、次の2つの案件を考えます。
- 案件A:投資額100万円、利益120万円
- 案件B:投資額200万円、利益200万円
利益の総額だけを見ると、案件Bの方が大きく見えます。
しかし、ROIを計算すると、
案件A:120 ÷ 100 × 100 = 120%
案件B:200 ÷ 200 × 100 = 100%
となり、投資効率は案件Aの方が高いと分かります。
つまり、ROIは、どれだけ儲かったかではなく、投資額に対してどれだけ効率よく利益を得たかを見る指標です。
一方、回収期間は「何年で投資額を取り戻せるか」を見る考え方です。
投資効率を見る
→ ROI
回収までの速さを見る
→ 回収期間
定義・仕組み
ROIは、投資によって得られた利益を投資額で割って求めます。
ROI(%)= 利益 ÷ 投資額 × 100
複数年の利益が示される場合は、各年の利益を合計してから投資額で割ります。
たとえば、3年間の利益がそれぞれ30万円、40万円、50万円で、投資額が100万円の場合、
利益合計=30+40+50=120万円
ROI=120 ÷ 100 × 100=120%
となります。
ROIが高いとはどういうことか
ROIが高いほど、少ない投資額で多くの利益を得ていると判断できます。
| ROI | 意味 |
|---|---|
| 高い | 投資額に対して得られた利益が大きい |
| 低い | 投資額に対して得られた利益が小さい |
ただし、ROIだけでは、回収までにかかる期間や将来のお金の価値までは分かりません。
公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、複数の投資案件についてROIを計算し、最も値が高いものを選ぶ問題が出ます。
解き方は次の3段階です。
1. 各年の利益を合計する
2. 投資額で割る
3. 必要なら100を掛けて百分率にする
小さな例で確認
次の2案件を比較します。
| 案件 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 投資額 |
|---|---|---|---|---|
| A | 20 | 40 | 60 | 100 |
| B | 50 | 50 | 50 | 150 |
案件Aは、
利益合計=20+40+60=120
ROI=120 ÷ 100 × 100=120%
案件Bは、
利益合計=50+50+50=150
ROI=150 ÷ 150 × 100=100%
利益合計は案件Bの方が大きいですが、ROIは案件Aの方が高くなります。
試験では、利益の総額とROIを混同しないことが重要です。
また、すべての案件で同じ式を使う場合は、途中で100を掛けず、
利益合計 ÷ 投資額
だけを比較しても構いません。
問題文の定義を先に確認する
ROIは資料によって、分子に使う「利益」の定義が異なることがあります。
利益 ÷ 投資額
と示される場合もあれば、投資額を差し引いた純利益を使う場合もあります。
科目Aでは、知っている式を先に当てはめるのではなく、問題文に示された利益・投資額・対象期間を確認してから計算することが重要です。
回収期間から年間利益を逆算する
回収期間とは、投資額を何年で取り戻せるかを表す期間です。
毎年の利益が均等で、利率を考えない条件なら、次の式で求めます。
回収期間 = 投資額 ÷ 年間利益
この式を変形すると、年間利益は次のように逆算できます。
年間利益 = 投資額 ÷ 回収期間
例えば、投資額90万円を3年で回収する場合は、
90 ÷ 3 = 30万円/年
投資額300万円を5年で回収する場合は、
300 ÷ 5 = 60万円/年
したがって、後者には前者の2倍の年間利益が必要です。
複数案を比べるときは、投資額や回収期間だけを直接比べず、各案の年間利益をそれぞれ計算してから比率を求めるのがポイントです。
各案の年間利益を求める
↓
同じ単位で比較する
↓
必要なら比率を計算する
どんな場面で使う?
ROIは、複数の投資案件やシステム導入案について、投資効率を比較するときに使います。
例えば、次のような判断です。
- 新しいシステムの導入効果を比較する
- 設備投資の候補を比較する
- 広告や改善施策の費用対効果を確認する
ただし、ROIだけでは回収までの速さや将来価値は分かりません。
投資効率を比べる
→ ROI
回収までの期間を比べる
→ 回収期間
将来の収益を現在価値で比べる
→ NPV
よくある誤解・混同
誤解1:利益の総額が最大ならROIも最大である
これは誤りです。
ROIでは、利益の総額だけでなく投資額も考えます。
利益が大きい
≠
ROIが高い
利益総額が大きくても、投資額がさらに大きければROIは低くなることがあります。
誤解2:ROIの式はいつも一つだけである
ROIは資料や問題によって、利益の扱い方が異なることがあります。
代表的には、次のような表し方があります。
ROI=利益 ÷ 投資額 × 100
または、投資額を差し引いた純利益を使って、
ROI=(回収額-投資額)÷ 投資額 × 100
とする場合もあります。
試験では、問題文で示された定義に従うことが最優先です。
誤解3:ROIと回収期間は同じである
ROIは投資効率を見る指標です。
回収期間は、投資額を何年で回収できるかを見る指標です。
| 指標 | 見るもの | 基本式 |
|---|---|---|
| ROI | 投資額に対する利益の割合 | 利益 ÷ 投資額 × 100 |
| 回収期間 | 投資額を回収するまでの時間 | 投資額 ÷ 年間利益 |
| NPV | 将来の収益を現在価値に直した差額 | 現在価値の合計-投資額 |
| IRR | NPVが0になる割引率 | 割引率を求める |
試験では、割合を比べるのか、回収年数を見るのか、現在価値を見るのかを切り分けます。
誤解4:投資額だけ、または回収期間だけで年間利益を比べる
年間利益を比較するには、投資額と回収期間の両方が必要です。
年間利益 = 投資額 ÷ 回収期間
投資額の比や回収期間の比を、そのまま年間利益の比にしてはいけません。
また、
投資額 × 回収期間
と掛けるのも誤りです。
単位を見ると、
万円 ÷ 年 = 万円/年
となり、年間利益として自然だと確認できます。
まとめ(試験直前用)
- ROIは、投資額に対してどれだけ利益を得たかを見る指標
- 複数年の問題では、各年の利益を合計してから投資額で割る
- 回収期間は
投資額 ÷ 年間利益 - 年間利益は
投資額 ÷ 回収期間で逆算する - 複数案は各案を同じ単位に直してから比較する
- 利益総額が最大でも、ROIが最大とは限らない
- ROIの式は、問題文で示された定義を優先する
- 回収期間やNPVとは、何を比較する指標かが異なる