最終更新日:2026年8月6日
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まず結論
アンゾフの成長マトリクスとは、企業の成長戦略を、次の2軸で4つに分類するフレームワークです。
製品
→ 既存 / 新規
市場
→ 既存 / 新規
4つの戦略は、次のように対応します。
| 戦略 | 製品 | 市場 |
|---|---|---|
| 市場浸透 | 既存 | 既存 |
| 製品開発 | 新規 | 既存 |
| 市場開拓 | 既存 | 新規 |
| 多角化 | 新規 | 新規 |
基本情報技術者試験では、選択肢にある施策を見て、
製品は既存か新規か、市場は既存か新規か
の順で判断すると切り分けやすくなります。
直感的な説明
今ある商品を、今のお客様へもっと売る場面を考えます。
既存製品
+
既存市場
→ 市場浸透
次に、今のお客様へ新しい商品を提案するなら、
新規製品
+
既存市場
→ 製品開発
今ある商品を、新しい地域や顧客層へ売るなら、
既存製品
+
新規市場
→ 市場開拓
そして、新しい商品を新しい市場へ投入するなら、
新規製品
+
新規市場
→ 多角化
つまり、アンゾフの成長マトリクスは、
何を売るか
×
誰に売るか
で成長戦略を整理する考え方です。
定義・仕組み
アンゾフの成長マトリクスは、製品と市場をそれぞれ「既存」と「新規」に分け、4象限で戦略を整理します。
| 既存市場 | 新規市場 | |
|---|---|---|
| 既存製品 | 市場浸透 | 市場開拓 |
| 新規製品 | 製品開発 | 多角化 |
市場浸透
市場浸透は、既存製品を既存市場でもっと売る戦略です。
広告を強化する
販売促進を行う
購入頻度を増やす
競合から顧客を奪う
製品も市場も変えないため、4つの中では比較的リスクが低い戦略です。
製品開発
製品開発は、既存市場へ新しい製品を投入する戦略です。
新機能を追加する
上位モデルを開発する
新しいサービスを提供する
顧客層は現在と同じですが、提供する製品やサービスを新しくします。
市場開拓
市場開拓は、既存製品を新しい市場へ展開する戦略です。
海外市場へ進出する
若年層向けに販売する
法人向け市場へ展開する
製品はそのままで、地域や顧客層を変えます。
多角化
多角化は、新規製品を新規市場へ投入する戦略です。
異業種へ参入する
新技術で新事業を始める
別分野の企業を買収する
製品と市場の両方が新しいため、一般に4つの中で最もリスクが高い戦略です。
このテーマは、基本情報技術者試験のストラテジ系に含まれます。公式の出題範囲は、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、施策の説明を読んで、4つの戦略のどれに当たるかを選ぶ問題が出ます。
選択肢を2軸へ分ける
まず、選択肢を次の2点に分けます。
1. 製品は既存か新規か
2. 市場は既存か新規か
例えば、
新機能を追加した製品を現在の顧客へ販売
→ 新規製品・既存市場
→ 製品開発
となります。
代表的な表現
| 選択肢の表現 | 戦略 |
|---|---|
| 現在の市場で広告や販売促進を強化する | 市場浸透 |
| 現在の顧客へ新製品を提案する | 製品開発 |
| 既存製品で海外へ進出する | 市場開拓 |
| 新製品で新市場へ進出する | 多角化 |
「新しい」が一つだけなら多角化ではない
多角化は、製品と市場の両方が新しい場合です。
新しい製品だけ
→ 製品開発
新しい市場だけ
→ 市場開拓
製品も市場も新しい
→ 多角化
試験では、「海外」「新機能」「M&A」などの目立つ言葉だけで判断せず、2軸へ分解します。
海外進出の切り分け
海外進出は、新しい市場へ進むため、市場開拓になりやすい表現です。
既存製品を海外で販売
→ 既存製品・新規市場
→ 市場開拓
ただし、海外向けに全く新しい製品を開発して投入するなら、多角化に当たる可能性があります。
M&Aの切り分け
M&Aは戦略の名称ではなく、成長を実現する手段です。
同じ市場の競合を買収してシェアを拡大
→ 市場浸透に近い
異業種企業を買収して新市場へ参入
→ 多角化に近い
M&Aという単語ではなく、買収後の製品と市場が既存か新規かを確認します。
どんな場面で使う?
既存事業を伸ばしたいとき
今の製品を今の市場でもっと売るのか、新製品を投入するのかを整理できます。
新しい顧客層を開拓したいとき
地域、年齢層、法人・個人など、市場を変える戦略を検討できます。
新規事業の方向性を考えるとき
新製品と新市場の組合せを確認し、必要な投資やリスクを考える材料になります。
成長戦略のリスクを比較するとき
一般に、既存の製品・市場から離れるほど不確実性が高くなります。
市場浸透
→ 比較的低リスク
製品開発・市場開拓
→ 中程度
多角化
→ 比較的高リスク
よくある誤解・混同
海外進出は必ず多角化
海外進出で市場は新しくなりますが、製品が既存なら市場開拓です。
既存製品
+
海外という新市場
→ 市場開拓
新機能を追加した製品は市場浸透
市場が同じでも、製品を新しくしているなら製品開発です。
新機能付き製品
+
既存市場
→ 製品開発
広告を強化すれば市場開拓
現在の市場で広告を強化するだけなら、市場そのものは変わっていません。
既存製品
+
既存市場
→ 市場浸透
M&Aは必ず多角化
M&Aは手段です。買収対象や進出先によって、どの戦略に当たるかは変わります。
多角化は製品か市場のどちらかが新しければよい
多角化では、両方が新規です。
新規製品・既存市場
→ 製品開発
既存製品・新規市場
→ 市場開拓
新規製品・新規市場
→ 多角化
まとめ(試験直前用)
- アンゾフの成長マトリクスは、製品と市場の新旧で成長戦略を4分類する
- 既存製品・既存市場は、市場浸透
- 新規製品・既存市場は、製品開発
- 既存製品・新規市場は、市場開拓
- 新規製品・新規市場は、多角化
- 海外進出は、既存製品なら市場開拓
- M&Aは戦略名ではなく手段なので、製品と市場の新旧で判断する
- 試験では、製品 → 市場の順に2軸へ分ける