最終更新日:2026年7月28日
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まず結論
工数と要員数から工程期間を求める基本式は、次のとおりです。
工程期間 = 見積工数 ÷ 実質要員数
要員ごとに生産性が違う場合は、人数をそのまま足しません。基準となる要員へ換算してから計算します。
実質要員数 = 基準要員数 + 低生産性要員数 × 生産性比
例えば、初級技術者の生産性が上級技術者の半分なら、初級技術者1人は上級技術者0.5人分です。
能力差を基準要員へ換算してから、工程ごとに「工数 ÷ 実質要員数」を計算する。
直感的な説明
12人月の作業を、同じ生産性の2人で進めるなら、
12人月 ÷ 2人 = 6か月
です。
3人なら、
12人月 ÷ 3人 = 4か月
になります。
ただし、上級技術者2人と、上級技術者の半分の生産性をもつ初級技術者2人がいる場合、4人分としては扱いません。
上級技術者2人 + 初級技術者2人 × 0.5
= 上級技術者3人分
この場合の期間は、
12人月 ÷ 3人分 = 4か月
です。
定義・仕組み
人月とは
人月は、1人が1か月働く作業量を表す単位です。
1人が6か月働く
= 6人月
3人が2か月働く
= 6人月
人月は作業量であり、期間そのものではありません。
生産性比で換算する
基準となる要員の生産性を1とします。
| 要員 | 生産性比 | 基準要員への換算 |
|---|---|---|
| 上級技術者 | 1.0 | 1人分 |
| 初級技術者 | 0.5 | 0.5人分 |
上級技術者2人、初級技術者2人なら、
2 × 1.0 + 2 × 0.5
= 3人分
です。
逆に、ある要員が基準要員の2倍の生産性をもつなら、その要員1人は基準要員2人分として換算します。
工程ごとに計算する
工程ごとに工数や要員配置が異なる場合、合計工数を全要員数で割ってはいけません。
設計
プログラム作成・単体テスト
結合テスト
のように、工程ごとに期間を計算します。
直列工程と並行工程
工程が重ならない場合は、各工程の期間を足します。
全体期間 = 工程A + 工程B + 工程C
工程を並行して進める場合は、単純な合計ではありません。すべての並行工程が終わるまで待つため、基本的には最も長い工程期間が全体を支配します。
並行工程の区間
= 最も長い工程期間
科目Aでどう出る?
主に次の情報が与えられます。
- 工程ごとの見積工数
- 工程ごとの要員配置
- 上級者と初級者の生産性比
- 要員追加前後の人数
- 工程が直列か並行か
解く順番は次のとおりです。
1. 生産性の基準を決める
2. 各工程の実質要員数を求める
3. 工数 ÷ 実質要員数で工程期間を求める
4. 直列なら足し、並行なら最長期間を見る
5. 追加前と追加後の差を求める
例えば、次の条件を考えます。
設計:6人月、上級2人
プログラム作成・単体テスト:12人月、上級2人、初級2人
結合テスト:12人月、上級2人
初級の生産性:上級の0.5倍
工程は重ならない
追加前は、
設計:6 ÷ 2 = 3か月
プログラム作成・単体テスト:12 ÷ (2 + 2×0.5) = 4か月
結合テスト:12 ÷ 2 = 6か月
合計:13か月
各工程へ上級技術者を1人追加すると、
設計:6 ÷ 3 = 2か月
プログラム作成・単体テスト:12 ÷ (3 + 2×0.5) = 3か月
結合テスト:12 ÷ 3 = 4か月
合計:9か月
短縮期間は、
13 - 9 = 4か月
です。
どんな場面で使う?
この考え方は、次のような場面で使います。
- ソフトウェア開発の工程期間の見積り
- 経験差のあるメンバーを含む要員計画
- 人員追加による期間短縮の試算
- 設計・製造・テスト工程の負荷計算
- 外部委託先を含む作業能力の換算
途中までの出来高から最終工数を予測する問題とは、計算の出発点が異なります。
- 本記事:見積工数と要員数から期間を求める
- 出来高と投入工数から超過工数を求める方法:途中実績から総工数を予測する
よくある誤解・混同
人数をそのまま足す
生産性が違う要員を同じ1人として足すのは誤りです。
上級2人 + 初級2人
≠ 4人分
初級者の生産性が半分なら、
2 + 2×0.5 = 3人分
とします。
合計工数を全要員数で割る
工程ごとに要員配置が違う場合は、工程ごとに計算します。
追加後の期間を答える
「何か月短縮できるか」と聞かれたら、追加前と追加後の差を求めます。
短縮期間 = 追加前の期間 - 追加後の期間
直列工程と並行工程を同じように足す
工程が重ならないなら足します。並行なら、並行区間では最長期間を見ます。
人員を2倍にすれば必ず期間が半分になる
試験問題で単純比例の条件が明示されていれば、その前提で計算します。
実務では、教育、調整、分担できない作業、コミュニケーション増加などにより、単純比例しないことがあります。
まとめ(試験直前用)
- 工程期間は「見積工数 ÷ 実質要員数」
- 生産性が違う要員は、基準要員へ換算してから足す
- 工程ごとに工数と要員配置を確認する
- 直列工程は期間を足し、並行工程は最長期間を見る
- 「短縮期間」なら追加前と追加後の差まで求める
- 人月は作業量、月は期間と切り分ける