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最終更新日:2026年9月8日

まず結論

監査証拠とは、システム監査人が監査意見や結論を裏付けるために入手する資料・記録・データです。

基本情報技術者試験では、次のように切り分けると判断しやすくなります。

監査対象の事実を裏付ける
→ 監査証拠

監査の進め方を決める
→ 監査計画書

監査手続や判断過程を整理する
→ 監査調書

監査結果を伝える
→ 監査報告書

特に重要なのは、

監査対象の実態を裏付ける資料か?

という視点です。


直感的な説明

例えば、システムのバックアップ運用を監査するとします。

担当者が、

「毎日バックアップしています」

と説明しただけでは、監査人は十分に確認できません。

そこで、

  • バックアップ実行ログ
  • 運用記録
  • エラー記録
  • 作業チェックリスト

などを確認します。

これらが、監査人の判断を支える監査証拠です。

イメージとしては、

監査人の判断
↑
監査証拠
↑
ログ・記録・帳票・承認履歴など

となります。


定義・仕組み

システム監査では、情報システムの管理や運用が適切に行われているかを確認します。

その判断を感覚だけで行うのではなく、監査人は監査手続を実施して、判断の根拠となる資料を集めます。

その根拠が監査証拠です。

経済産業省のシステム監査基準でも、システム監査人が監査手続を実施し、監査証拠を入手して、監査調書を作成・保管する考え方が示されています。

監査証拠になり得るものには、例えば次があります。

監査証拠の例 確認できること
システム運用記録 実際に運用作業が行われたか
操作ログ・アクセスログ 誰がいつ何を操作したか
トランザクションデータ 業務処理の流れや結果
出力帳票 システムの処理結果
承認記録 正式な承認を経ているか
障害記録 障害対応が適切に行われたか

ポイントは、監査対象の事実を確認できる材料であることです。

監査証拠と監査調書の関係

監査証拠と監査調書は似ていますが、役割が違います。

監査証拠
→ 判断の材料

監査調書
→ どんな監査手続を行い、
   何を確認し、
   どう判断したかを整理した記録

監査証拠を使って監査人が判断し、その過程を監査調書にまとめる、と考えると分かりやすいです。


科目Aでどう出る?

科目Aでは、複数の監査関連文書から監査証拠に該当するものを選ばせる問題に注意します。

「何のための文書か」で判断する

文書・資料 役割
監査証拠 監査判断の根拠になる材料
監査計画書 監査の目的・範囲・手順などを決める
監査調書 実施した手続・証拠・分析・判断を整理する
監査報告書 監査結果や意見を報告する

試験では、次のように考えます。

実際の運用記録やログ?
→ 監査証拠の候補

監査をどう進めるか?
→ 監査計画書

監査人が調査内容を整理したもの?
→ 監査調書

最終的な結果や指摘?
→ 監査報告書

「監査人が作った文書だから証拠」とは限らない

監査チームが作成した文書でも、すべてが監査証拠になるわけではありません。

例えば、

監査チームの会議議事録
監査計画書
監査報告書の指摘事項

は、監査活動に関係する文書ではありますが、通常は監査対象の処理内容そのものを裏付ける証拠ではありません。

一方、

被監査部門のシステム運用記録
アクセスログ
承認記録

などは、監査対象の実態を示すため、監査証拠になり得ます。


どんな場面で使う?

監査証拠は、システム監査人が監査結果を裏付ける場面で使います。

例えば、次のような確認です。

アクセス権限管理

権限付与申請
承認記録
アクセス権一覧
操作ログ

これらを確認して、適切な権限管理が行われているか判断します。

バックアップ運用

バックアップ実行ログ
作業記録
エラー記録
復旧テスト結果

これらから、バックアップが計画どおり実施されているかを確認します。

システム変更

変更申請
承認記録
テスト結果
本番反映記録

これらを確認して、変更管理が適切かを判断します。

つまり、監査証拠は、

「本当にそのとおり運用されているか?」を確認する材料

です。


よくある誤解・混同

監査報告書の指摘事項は監査証拠?

違います。

監査報告書の指摘事項は、監査証拠をもとに監査人が出した結果です。

ログ・記録など
→ 監査証拠
↓
監査人が評価
↓
指摘事項・監査意見

証拠と結果を逆にしないようにします。

監査計画書は監査証拠?

違います。

監査計画書は、監査をどのように進めるかを決める文書です。

これからどう監査する?
→ 監査計画書

実際の状態を何で確認する?
→ 監査証拠

監査調書と監査証拠は同じ?

違います。

監査調書は、監査人が実施した監査手続や入手した証拠、分析、判断などを整理した記録です。

判断の材料
→ 監査証拠

判断までの過程を整理
→ 監査調書

被監査部門から入手した資料は証拠にならない?

そのようなことはありません。

被監査部門から入手した資料でも、システム運用記録やログ、承認記録など、監査対象の実態を確認できるものであれば監査証拠になり得ます。

ただし、監査人は必要に応じて、資料の信頼性や完全性も確認します。


まとめ(試験直前用)

  • 監査証拠は、監査意見や結論を裏付ける資料・記録
  • 運用記録、ログ、トランザクションデータ、帳票などは監査証拠になり得る
  • 監査計画書は「どう監査するか」を決める文書
  • 監査調書は「何を確認してどう判断したか」を整理する記録
  • 監査報告書は監査結果や意見を伝える文書
判断の根拠
→ 監査証拠

判断過程の記録
→ 監査調書

進め方
→ 監査計画書

結果
→ 監査報告書

迷ったら「監査対象の実態を裏付ける資料か?」で判断する。

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