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最終更新日:2026年9月19日

まず結論

経済的発注量(EOQ:Economic Order Quantity)とは、年間発注費用と年間保管費用の合計が最小になる1回当たりの発注量です。

基本情報技術者試験では、次の関係を押さえるのが最重要です。

発注量が増える
→ 発注回数が減る
→ 年間発注費用は減る

発注量が増える
→ 平均在庫量が増える
→ 年間保管費用は増える

この2つの費用が一致する点が、経済的発注量です。

覚える一文はこれです。

発注費は下がる、保管費は上がる。そのバランス点がEOQ

直感的な説明

例えば、年間に同じ部品を何度も発注するとします。

1回に少しずつ発注すると、

1回の発注量は少ない
↓
発注回数は多い
↓
発注手続の費用が増える

一方、1回に大量に発注すると、

1回の発注量は多い
↓
発注回数は少ない
↓
在庫を長く保管する量が増える
↓
保管費用が増える

つまり、

少なすぎる発注量
→ 発注費が高い

多すぎる発注量
→ 保管費が高い

という関係になります。

その中間で、合計費用が最も小さくなる発注量がEOQです。

定義・仕組み

次の記号を使います。

記号 意味
Q 1回当たりの発注量
R 年間需要量
C 1回当たりの発注費用
H 1単位当たりの年間保管費用

年間発注費用

年間発注回数は、

年間需要量 ÷ 1回当たりの発注量
= R / Q

です。

したがって、年間発注費用は、

年間発注費用
= R / Q × C

となります。

Qが大きくなると、発注回数が減るため、この費用は下がります。

年間保管費用

在庫がQ個から0個まで一定の割合で減るとすると、平均在庫量は、

Q / 2

です。

したがって、年間保管費用は、

年間保管費用
= Q / 2 × H

となります。

Qが大きくなると、平均在庫量が増えるため、この費用は上がります。

総費用

発注費用と保管費用を合計すると、

総費用
= R / Q × C
+ Q / 2 × H

です。

この総費用が最小になるQが経済的発注量です。

EOQの公式

EOQでは、年間発注費用と年間保管費用が一致します。

R / Q × C
=
Q / 2 × H

式を整理すると、

2RC
=
Q²H
Q²
=
2RC / H

したがって、

Q
=
√(2RC / H)

となります。

これが経済的発注量の公式です。

グラフで考える

EOQはグラフで理解すると覚えやすいです。

費用
↑
│\              総費用
│ \            /
│  \          /
│   \        /
│    \      /
│     \    /
│      \  /
│       ×
│      /\
│     /  \
│    /    \
└────────────────→ 発注量
         EOQ

グラフでは、

右下がり
→ 年間発注費用

右上がり
→ 年間保管費用

U字型
→ 総費用

交点の発注量
→ 経済的発注量

と読みます。

試験では、式を見なくてもグラフの形から判断できるようにしておくと強いです。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、主に次の3パターンがあります。

1. グラフの線を判別する

発注量が増えるほど減る線
→ 年間発注費用

発注量が増えるほど増える線
→ 年間保管費用

合計してU字になる線
→ 総費用

2. EOQの公式を選ぶ

Q
=
√(2RC / H)

です。

ただし、丸暗記だけではなく、

年間発注費用
=
年間保管費用

から導けるようにしておくと、忘れにくくなります。

3. 発注点と混同させる

発注点とEOQは役割が違います。

発注点
→ いつ発注するか

EOQ
→ 何個発注するか

この違いは、定期発注方式と定量発注方式の違いでも整理しています。

どんな場面で使う?

EOQは、需要がある程度安定していて、在庫を繰り返し補充する場面で使われます。

例えば、

  • 工場で使う部品
  • 店舗の商品
  • 倉庫の資材
  • 消耗品
  • 定期的に仕入れる材料

などです。

発注量を小さくしすぎると発注回数が増え、大きくしすぎると在庫保管費用が増えるため、そのバランスを取る目的で使います。

よくある誤解・混同

誤解1:発注量を増やせば総費用は必ず下がる

違います。

発注量を増やすと発注費用は下がりますが、保管費用は上がります。

発注量↑
→ 発注費↓
→ 保管費↑

総費用は、その2つの合計です。

誤解2:EOQは発注点

違います。

発注点
→ 在庫が何個になったら発注するか

EOQ
→ 1回に何個発注するか

発注点とEOQは別の値です。

誤解3:総費用は発注費用だけ

違います。

EOQで考える総費用は、

年間発注費用
+
年間保管費用

です。

数量割引や仕入価格まで含める問題では、別途その条件も考慮します。

発注量と年間総費用の計算は、発注量と在庫費用で整理しています。

誤解4:平均在庫量はQ

在庫がQから0まで一定の割合で減る前提なら、平均在庫量はQ/2です。

最大在庫量:Q
最小在庫量:0

平均在庫量
= (Q + 0) / 2
= Q / 2

まとめ(試験直前用)

  • EOQは、年間発注費用と年間保管費用の合計が最小になる発注量
  • 発注量が増えると、年間発注費用は減る
  • 発注量が増えると、年間保管費用は増える
  • EOQでは、年間発注費用と年間保管費用が一致する
  • 公式は Q = √(2RC / H)
  • グラフでは、右下がりが発注費用、右上がりが保管費用、U字型が総費用
  • 発注点は「いつ発注するか」、EOQは「何個発注するか」

覚える一文はこれです。

発注費↓と保管費↑のバランス点 → EOQ

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