最終更新日:2026年8月2日
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まず結論
発注方式を見分けるときは、何が一定なのかを確認します。
発注する時期が一定
→ 定期発注方式
発注する数量が一定
→ 定量発注方式
在庫を二つに分けて簡単に補充
→ 二棚法
定量発注方式の発注点は、次の式で求めます。
発注点
=
1日の平均消費量 × 調達期間
+
安全在庫
基本情報技術者試験では、名前を丸暗記するよりも、発注時期・発注量・向いている品目の3点で切り分けるのが効果的です。
直感的な説明
在庫が減ったとき、企業は商品を補充します。
ただし、商品によって管理のしかたは異なります。
高価で重要な商品なら、在庫を細かく確認して発注量を調整したいでしょう。
一方、安価でよく使う消耗品なら、管理に手間をかけすぎない方が効率的です。
そこで、代表的な発注方式を次のように使い分けます。
決まった日に在庫を確認し、不足分を発注
→ 定期発注方式
在庫が発注点まで減ったら、決まった量を発注
→ 定量発注方式
一方の棚が空になったら、もう一方を使いながら補充
→ 二棚法
定義・仕組み
定期発注方式
定期発注方式は、一定の間隔で在庫を確認し、その時点の在庫量や予想需要に応じて発注量を決める方式です。
毎週月曜日に在庫を確認
↓
次回確認日までに必要な量を計算
↓
不足分を発注
発注する日は決まっていますが、発注量は毎回変わります。
高価な商品、重要な商品、需要変動が大きい商品など、きめ細かな管理が必要な品目に向いています。
定量発注方式
定量発注方式は、在庫があらかじめ決めた発注点まで減ったとき、毎回同じ量を発注する方式です。
在庫が100個まで減る
↓
500個を発注
発注時期は一定ではありませんが、発注量は一定です。
需要が比較的安定し、継続的に消費される品目に向いています。
発注点の計算
発注点とは、在庫が何個まで減ったら発注するかを決める基準です。
発注しても商品がすぐに届くとは限りません。納品までの期間も在庫を消費するため、その期間に必要な数量と安全在庫を確保した時点で発注します。
発注点
=
1日の平均消費量 × 調達期間
+
安全在庫
例えば、次の条件を考えます。
1日の平均消費量:40個
調達期間:3日
安全在庫:20個
納品までに消費する数量は、
40 × 3
= 120個
です。ここに安全在庫を加えます。
120 + 20
= 140個
したがって、在庫が140個まで減った時点で発注します。
発注点と経済的発注量の違い
発注点と経済的発注量は、答える問いが違います。
発注点
→ いつ発注するか
経済的発注量
→ 何個発注するか
例えば、発注点が140個、経済的発注量が500個なら、
在庫が140個まで減る
↓
500個を発注する
という運用になります。
経済的発注量は、発注費用と在庫保管費用の合計を小さくする発注量です。発注点の計算には使いません。
調達期間と安全在庫
調達期間は、発注してから納品されるまでの期間です。リードタイムとも呼ばれます。
調達期間が長い
→ 納品までの消費量が増える
→ 発注点が高くなる
安全在庫は、需要の増加や納品の遅れに備えて余分に持つ在庫です。
通常の消費
→ 調達期間中の予想消費量で対応
想定外の消費や納品遅れ
→ 安全在庫で対応
二棚法
二棚法は、在庫を二つのまとまりに分け、一方を使い切ったら、もう一方を使っている間に補充する方式です。
棚Aを使う
↓
棚Aが空になる
↓
棚Bを使い始める
↓
棚Bを使っている間に棚Aを補充
管理が簡単で、発注事務の負担を減らせます。
一方で、急な需要変化には対応しにくいため、安価で管理を簡略化したい品目に向いています。
3方式の比較
| 発注方式 | 発注時期 | 発注量 | 向いている品目 |
|---|---|---|---|
| 定期発注方式 | 一定 | 毎回計算 | 高価・重要・需要変動が大きい |
| 定量発注方式 | 在庫が発注点に達したとき | 一定 | 需要が比較的安定 |
| 二棚法 | 一方の棚が空になったとき | 一棚分 | 安価・管理を簡単にしたい |
このテーマは、基本情報技術者試験の「オペレーションズリサーチ」や「経営工学」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、発注方式の説明から正しい名称や特徴を選ぶ問題として出題されます。
まず、名称の漢字をそのまま使って判断します。
定期
→ 発注する期日が一定
定量
→ 発注する数量が一定
次のような表現があれば、定期発注方式を疑います。
- 一定間隔で発注する
- 発注のたびに在庫量を確認する
- 予想需要や安全在庫から発注量を計算する
- 複数の商品を同じ時期にまとめて発注する
次のような表現があれば、定量発注方式です。
- 在庫が発注点を下回ったら発注する
- 毎回同じ量を発注する
- 需要が比較的安定している
発注点を求める問題では、次の順番で計算します。
1. 1日の平均消費量を確認する
2. 調達期間を確認する
3. 平均消費量 × 調達期間を計算する
4. 安全在庫を足す
5. 経済的発注量は使わない
二棚法では、次の語が手掛かりになります。
- 在庫を二つに分ける
- 一方を使い切ったら補充する
- 管理が簡単
- 発注事務の負担が小さい
どんな場面で使う?
発注方式は、在庫切れと過剰在庫の両方を避けるために使います。
商品ごとに、次のような条件を確認します。
単価は高いか
需要は安定しているか
調達に時間がかかるか
管理にどれだけ手間をかけられるか
例えば、高価で重要な部品は、余分に持つと在庫金額が大きくなります。
そのため、定期的に需要予測を見直し、発注量を調整する定期発注方式が使いやすくなります。
一方、安価なボルトや事務用品などは、細かく計算するよりも二棚法で簡単に管理した方が効率的な場合があります。
ABC分析との関係
試験では、ABC分析と発注方式を組み合わせて整理することがあります。
| ABCランク | 一般的な特徴 | 発注方式の目安 |
|---|---|---|
| A | 高価・重要・重点管理 | 定期発注方式 |
| B | 中程度・需要が比較的安定 | 定量発注方式 |
| C | 安価・品目数が多い | 二棚法 |
これは絶対的な決まりではありません。
ただし、FE試験で選択肢を切るときの目安として役立ちます。
よくある誤解・混同
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 定期発注方式は発注量も毎回同じ | 一定なのは発注時期で、発注量は毎回計算する |
| 定量発注方式は毎回需要予測から発注量を決める | 一定なのは発注量で、発注時期は在庫量によって変わる |
| 発注点と経済的発注量は同じ | 発注点は「いつ発注するか」、経済的発注量は「何個発注するか」 |
| 発注点は平均消費量と調達期間だけで求める | 問題文に安全在庫があれば最後に加える |
| 経済的発注量を発注点の式に入れる | 経済的発注量は発注量であり、発注点計算には使わない |
| 二棚法は需要変動に細かく対応できる | 管理は簡単だが、急な需要変化には弱い |
| 高価な商品は定量発注方式が適する | 高価・重要な商品は、きめ細かく管理できる定期発注方式が基本 |
| 定期発注方式なら必ず在庫量が減る | 発注量を調整しやすい方式であり、必ず減るとは限らない |
最も重要な切り分けは次のとおりです。
いつ発注するかが一定
→ 定期
何個発注するかが一定
→ 定量
在庫が何個になったら発注するか
→ 発注点
1回に何個発注するか
→ 経済的発注量
管理を簡単にする
→ 二棚法
まとめ(試験直前用)
- 定期発注方式は、一定間隔で発注し、発注量は毎回計算する
- 定量発注方式は、発注点で発注し、毎回同じ量を発注する
- 発注点は
1日の平均消費量 × 調達期間 + 安全在庫 - 発注点は「いつ発注するか」、経済的発注量は「何個発注するか」
- 二棚法は、在庫を二つに分けて簡単に補充する
- 高価・重要・需要変動が大きい品目は定期発注方式
- 需要が比較的安定している品目は定量発注方式
- 安価で管理を簡略化したい品目は二棚法
- 「定期=時期」「定量=数量」で切り分ける