最終更新日:2026年8月10日
fe fe-management project-management
まず結論
クリティカルチェーン法とは、作業の前後関係だけでなく、人員や設備などの資源制約も考慮してスケジュールを組み、バッファで遅れを管理する方法です。
基本情報技術者試験では、まず次の違いで切り分けます。
作業の前後関係・最長経路を見る
→ クリティカルパス
資源制約も考え、バッファで遅れを管理する
→ クリティカルチェーン
特に、問題文に 「資源制約」「同じ人員・設備を同時に使えない」「バッファ」 といった表現があれば、クリティカルチェーン法を疑います。
直感的な説明
例えば、次の2つの作業があるとします。
作業A:設計
作業B:テスト準備
作業の前後関係だけを見ると、同時に進められそうに見えるかもしれません。
しかし、AとBの両方を担当できる人が1人しかいなければ、実際には同時に進められません。
作業上は並行できる
↓
同じ担当者が必要
↓
同時にはできない
このような資源の制約まで含めて現実的なスケジュールを考えるのが、クリティカルチェーン法のポイントです。
さらに、各作業に余裕をばらばらに持たせるのではなく、遅れに備える時間をバッファとしてまとめて管理します。
定義・仕組み
クリティカルチェーン法では、主に次の3点を考えます。
- 作業の前後関係
- 人員・設備などの資源制約
- 遅れに備えるバッファ
資源制約を考える
クリティカルパス法では、開始から終了までの経路と所要時間を中心に考えます。
一方、現実のプロジェクトでは、同じ担当者や同じ設備を複数の作業で使うことがあります。
作業A ── 担当者Xが必要
作業B ── 担当者Xが必要
AとBに前後関係がなくても、担当者Xが1人しかいなければ同時には進められません。
クリティカルチェーン法では、このような資源の競合も考慮します。
バッファで遅れを管理する
作業には予定より時間がかかることがあります。
そこで、遅れを吸収するための余裕をバッファとして管理します。
作業 → 作業 → 作業 → [バッファ] → 完了
FE試験では、細かなバッファの種類を暗記するより、まずは次を押さえると十分です。
遅れに備える余裕時間
→ バッファ
クリティカルパスとの違い
| 見るポイント | クリティカルパス | クリティカルチェーン |
|---|---|---|
| 作業の前後関係 | 見る | 見る |
| 所要時間 | 見る | 見る |
| 人員・設備の制約 | 中心ではない | 考慮する |
| バッファ | 中心ではない | 使って遅れを管理する |
| 判断のキーワード | 最長経路、余裕時間 | 資源制約、バッファ |
クリティカルパスの基本は、クリティカルパスの記事で確認できます。
このテーマは、基本情報技術者試験の「プロジェクトマネジメント」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、複数のプロジェクト管理手法の説明から該当するものを選ぶ問題として出題されます。
判断するときは、「資源をどう扱っているか」を見ると切り分けやすくなります。
資源を増やして期間を短縮
→ クラッシング
限られた資源を考慮してスケジュールを組む
→ クリティカルチェーン
同じ「資源」という言葉が出ても、意味は違います。
クラッシング・ファストトラッキングとの違い
| 手法 | 何をする? | 判断の手掛かり |
|---|---|---|
| クリティカルチェーン法 | 資源制約とバッファを考える | 資源制約、バッファ |
| クラッシング | 資源を追加して期間短縮 | 増員、設備追加、追加コスト |
| ファストトラッキング | 作業を並行して期間短縮 | 並行、前倒し、作業を重ねる |
クラッシングとファストトラッキングの切り分けは、クラッシングとファストトラッキングの違いで確認できます。
モンテカルロ法との違い
モンテカルロ法は、乱数を使った反復シミュレーションによって、所要期間やコストなどの不確実性を分析する考え方です。
資源制約とバッファ
→ クリティカルチェーン
確率・乱数・シミュレーション
→ モンテカルロ法
どんな場面で使う?
クリティカルチェーン法は、作業の前後関係だけでなく、実際に使える人員や設備が限られているプロジェクトで役立ちます。
例えば、複数の作業が同時に進められるように見えても、同じ専門技術者や設備を共有している場合があります。
作業A ─┐
├→ 同じ専門技術者が必要
作業B ─┘
この場合、単純に並行作業として計画すると、現実には実行できないスケジュールになる可能性があります。
クリティカルチェーン法では、こうした制約を含めて計画し、さらにバッファの消費状況から遅れを管理します。
よくある誤解・混同
クリティカルチェーンは、クリティカルパスと同じ?
同じではありません。
作業の依存関係・最長経路が中心
→ クリティカルパス
資源制約とバッファも考える
→ クリティカルチェーン
クリティカルパスの考え方を土台にしつつ、より現実の資源制約を考えるのがポイントです。
「資源」が出たらクラッシング?
違います。
資源を増やす
→ クラッシング
限られた資源を考慮する
→ クリティカルチェーン
増やすのか、制約として考えるのかまで読みます。
バッファは、各作業を長めに見積もること?
クリティカルチェーン法では、遅れに備える余裕をバッファとしてまとめて管理する考え方が重要です。
「各作業をなんとなく長めにする」とだけ覚えないようにします。
ファストトラッキングと同じ?
違います。
ファストトラッキングは、本来は順番に行う作業を重ねて並行化し、期間を短縮する方法です。
作業を重ねる
→ ファストトラッキング
資源制約+バッファ
→ クリティカルチェーン
まとめ(試験直前用)
- クリティカルチェーン法は、資源制約も考慮してスケジュールを組む
- 遅れに備える余裕は、バッファとして管理する
- 最長経路が中心ならクリティカルパス、資源制約まで見るならクリティカルチェーン
- 資源を追加するのはクラッシング、資源を制約として考えるのはクリティカルチェーン
- 「資源制約」「バッファ」が出たらクリティカルチェーン法を疑う