最終更新日:2026年8月10日
fe fe-management project-management
まず結論
クリティカルパスとは、プロジェクトの開始から終了までの経路のうち、所要日数の合計が最も長い経路です。
基本情報技術者試験では、次の対応を押さえます。
開始から終了までの経路をすべて確認する
↓
経路ごとに作業日数を足す
↓
最も長い経路を選ぶ
↓
その日数がプロジェクトの最短所要日数
ここでの最大のひっかけは、最短所要日数を求めるのに、最長の経路を見ることです。
直感的な説明
複数の作業を並行して進めるプロジェクトを考えます。
経路A:20日
経路B:25日
経路C:31日
経路Aと経路Bが先に終わっても、経路Cが終わらなければプロジェクト全体は完了しません。
最後まで時間がかかる経路
→ 全体の完了日を決める
したがって、この場合のクリティカルパスは経路C、プロジェクトの最短所要日数は31日です。
定義・仕組み
クリティカルパスは、PERT図やアローダイアグラムを使って求めます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 作業 | プロジェクトで実行する活動 |
| 所要日数 | その作業に必要な日数 |
| 経路 | 開始から終了までの作業のつながり |
| クリティカルパス | 所要日数の合計が最も長い経路 |
| 最短所要日数 | クリティカルパスの所要日数 |
| 余裕時間 | 遅れても全体日程へ影響しない範囲 |
| ダミー作業 | 前後関係だけを示す、所要日数0の作業 |
アローダイアグラムでは、一般に矢印が作業、丸が作業の開始・終了を表す結合点です。
○ --A(3日)--> ○ --B(6日)--> ○
この経路の日数は、次のように足します。
3 + 6 = 9日
詳しい図の読み方は、アローダイアグラムの記事でも確認できます。
また、作業の前後関係だけでなく、人員や設備などの資源制約まで考える方法との違いを整理したい場合は、クリティカルパスとクリティカルチェーンの違いを確認するとつながりやすくなります。
公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、アローダイアグラムからクリティカルパスやプロジェクトの最短所要日数を求める問題が出ます。
解く手順
1. 開始点と終了点を確認する
2. 開始から終了までの経路を漏れなく書き出す
3. ダミー作業は0日として扱う
4. 経路ごとに作業日数を合計する
5. 合計が最も長い経路を選ぶ
計算例
次の経路があるとします。
経路1:A → F → D → I
経路2:A → B → G → ダミー → D → I
経路3:A → B → C → D → I
経路4:A → B → H → I
各作業の日数が次のとおりだとします。
| 作業 | 日数 |
|---|---|
| A | 3日 |
| B | 6日 |
| C | 8日 |
| D | 6日 |
| F | 14日 |
| G | 11日 |
| H | 15日 |
| I | 5日 |
| ダミー | 0日 |
各経路の日数は次のようになります。
経路1:3 + 14 + 6 + 5 = 28日
経路2:3 + 6 + 11 + 0 + 6 + 5 = 31日
経路3:3 + 6 + 8 + 6 + 5 = 28日
経路4:3 + 6 + 15 + 5 = 29日
最も長いのは経路2です。
A → B → G → ダミー → D → I
= 31日
したがって、このプロジェクトの最短所要日数は31日です。
なぜ最長経路を見るのか
「最短所要日数」という言葉だけを見ると、最も短い経路を選びたくなります。
しかし、プロジェクト全体は、すべての必要な作業が完了するまで終わりません。
最短経路
→ 一部の作業が早く終わる日
最長経路
→ プロジェクト全体が終わる日
そのため、最長経路が全体の最短完了日数を決めます。
どんな場面で使う?
クリティカルパスは、次のような場面で使います。
- プロジェクト全体の完了予定日を求める
- 遅延すると全体へ影響する作業を見つける
- どの作業を短縮すれば全体日程が短くなるか判断する
- 作業の余裕時間を確認する
- 複数の作業経路を比較する
クリティカルパス上の作業は、一般に余裕時間が0です。
クリティカルパス上の作業が1日遅れる
→ プロジェクト全体も1日遅れやすい
ただし、作業を短縮した後は、別の経路が新しいクリティカルパスになることがあります。
そのため、短縮後はもう一度すべての経路を比較します。
よくある誤解・混同
最も短い経路がクリティカルパス
誤りです。
クリティカルパス
= 所要日数の合計が最も長い経路
すべての作業日数を合計する
並行して進む作業があるため、全作業を単純に足してはいけません。
全作業を足す
→ 誤り
開始から終了までの経路ごとに足す
→ 正しい
作業数が一番多い経路を選ぶ
作業数ではなく、所要日数の合計で判断します。
矢印が多い
≠ 日数が長い
図で長く見える経路を選ぶ
矢印の見た目の長さには意味がありません。
矢印の近くに書かれた作業日数を合計します。
ダミー作業を1日として数える
ダミー作業は、作業順序や依存関係だけを表します。
ダミー作業
→ 所要日数0日
ダミー作業を無視して経路をつなぐ
日数は0ですが、前後関係を表すため、経路を確認するときには必要です。
日数計算では0
依存関係の確認では重要
1作業を短縮すれば全体も同じだけ短縮される
短縮した結果、別の経路が最長になる場合があります。
そのため、短縮後の全経路を再計算します。
まとめ(試験直前用)
- クリティカルパスは、開始から終了までの最長経路
- クリティカルパスの長さが、プロジェクトの最短所要日数になる
- 経路をすべて書き出し、経路ごとに日数を足す
- ダミー作業は日数0だが、依存関係を表す
- 作業数や図の見た目ではなく、所要日数の合計で判断する
- 短縮後は別の経路がクリティカルパスにならないか再確認する