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最終更新日:2026年8月17日

まず結論

TCP/IP階層モデルは、ネットワーク通信の役割を4つの層に分けて考えるモデルです。

基本情報技術者試験では、まず次の対応を覚えると選択肢を切りやすくなります。

アプリケーション層
→ HTTP、HTTPS、DNS、SMTP など

トランスポート層
→ TCP、UDP

インターネット層
→ IP、ICMP など

ネットワークインタフェース層
→ Ethernet など

特に重要なのは、TCPはトランスポート層、IPはインターネット層という違いです。

TCPは通信の届け方を管理し、IPは宛先まで運ぶためのアドレスと経路を扱う。

直感的な説明

インターネット通信を、荷物の配送にたとえてみます。

アプリケーション層
→ 何を送りたいか決める

トランスポート層
→ 荷物を確実に届ける方法を決める

インターネット層
→ 宛先を見て届ける経路を決める

ネットワークインタフェース層
→ 実際の回線を使って隣の機器へ送る

Webページを見るときは、アプリケーション層のHTTPが使われます。

そのデータを確実に届けるためにTCPが働き、さらにIPが宛先IPアドレスを使ってネットワーク上を運びます。

つまり、同じ通信でも、層ごとに担当している仕事が違います。

定義・仕組み

TCP/IPの4階層

TCP/IP階層モデルは、一般に次の4層で整理します。

TCP/IPの層 主な役割 代表例
アプリケーション層 利用者に近い通信サービスを提供する HTTP、HTTPS、DNS、SMTP
トランスポート層 端末間のデータ転送を管理する TCP、UDP
インターネット層 IPアドレスを使って宛先まで届ける IP、ICMP
ネットワークインタフェース層 実際のネットワークでデータを送受信する Ethernet、無線LANなど

アプリケーション層

アプリケーション層は、利用者が使うネットワークサービスに近い層です。

代表例は次のとおりです。

  • HTTP / HTTPS:Web通信
  • DNS:ドメイン名とIPアドレスの対応を調べる
  • SMTP:電子メールを送信する

試験では、Web・メール・名前解決などの具体的なサービスが出てきたら、まずアプリケーション層を疑います。

トランスポート層

トランスポート層は、通信する端末同士でデータをどのように届けるかを管理する層です。

代表的なプロトコルは、TCPとUDPです。

TCP

TCP(Transmission Control Protocol)は、信頼性を重視した通信を行います。

主な特徴は次のとおりです。

  • コネクションを確立する
  • データの順序を管理する
  • 届かなかったデータを再送する
  • 受信確認を行う

代表的なキーワードは、3ウェイハンドシェイク、再送制御、順序制御です。

UDP

UDP(User Datagram Protocol)は、TCPよりも簡単な仕組みでデータを送ります。

TCP
→ 信頼性を重視

UDP
→ 軽さ・速さを重視

TCPとUDPはどちらもトランスポート層です。

インターネット層

インターネット層では、IPアドレスを使ってデータを宛先まで届けます。

代表的なのがIP(Internet Protocol)です。

TCP
→ 端末間でどう届けるかを管理

IP
→ どこへ届けるかを扱う

ICMPもこの層に関係し、通信エラーの通知や到達確認などに使われます。

ネットワークインタフェース層

ネットワークインタフェース層は、実際の通信媒体やLAN上でのデータ送受信に関係する層です。

Ethernetなどが代表例です。

MACアドレスを使った同一ネットワーク内での通信も、この下位側の処理と関係します。

OSI参照モデルとの対応

TCP/IPモデルは4層、OSI参照モデルは7層です。

完全な1対1対応ではありませんが、試験対策では次のように整理すると理解しやすいです。

TCP/IP OSI参照モデル
アプリケーション層 アプリケーション層・プレゼンテーション層・セッション層
トランスポート層 トランスポート層
インターネット層 ネットワーク層
ネットワークインタフェース層 データリンク層・物理層

TCPは、TCP/IPでもOSI参照モデルでもトランスポート層に相当する位置にあるため、ここは覚えやすい部分です。

公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、プロトコル名と階層の組合せを問う形が基本です。

次の対応を素早く判断できるようにします。

プロトコル・技術 TCP/IP階層
HTTP / HTTPS アプリケーション層
DNS アプリケーション層
SMTP アプリケーション層
TCP トランスポート層
UDP トランスポート層
IP インターネット層
ICMP インターネット層
Ethernet ネットワークインタフェース層

TCPとIPを名前だけで混同しない

「TCP/IP」という名前から、TCPとIPが同じ層にあると考えないようにします。

TCP
→ トランスポート層

IP
→ インターネット層

TCP/IPは、複数の通信プロトコルをまとめたプロトコル群の呼び名です。

役割から切る

プロトコル名を忘れても、役割から判断できる場合があります。

Web・メール・名前解決
→ アプリケーション層

再送・順序・ポート番号
→ トランスポート層

IPアドレス・ルーティング
→ インターネット層

MACアドレス・LAN・Ethernet
→ ネットワークインタフェース層

試験中は、まず何を担当しているプロトコルかを見るのがコツです。

どんな場面で使う?

TCP/IPの階層モデルは、ネットワークの問題を役割ごとに切り分けるときに役立ちます。

例えば、Webサイトへ接続できないとします。

原因候補を層ごとに考えると、次のように整理できます。

HTTPの設定
→ アプリケーション層

TCP接続の問題
→ トランスポート層

IPアドレスや経路の問題
→ インターネット層

LANケーブルやEthernetの問題
→ ネットワークインタフェース層

このように、階層化すると「どの役割に問題があるのか」を整理しやすくなります。

FE試験でも、単に層の名前を暗記するより、各層が何を担当しているかまで理解しておくと関連問題に対応しやすくなります。

よくある誤解・混同

TCP/IPはTCPとIPだけを指す?

違います。

TCP/IPは、TCPやIPを中心とする通信プロトコル群全体を指します。

HTTP、UDP、ICMPなどもTCP/IPを使ったネットワークで利用されます。

TCPとIPは同じ層?

違います。

TCP
→ トランスポート層

IP
→ インターネット層

名前が並んでいるため混同しやすいですが、担当する役割が異なります。

TCPは経路を決める?

TCPの主な役割ではありません。

TCPは再送や順序管理などを行い、通信相手とのデータ転送を管理します。

宛先IPアドレスや経路に関係するのは、主にインターネット層です。

HTTPはトランスポート層?

違います。

HTTPはWeb通信のためのアプリケーション層のプロトコルです。

HTTPのデータを運ぶときに、その下でTCPが使われることがあります。

HTTP
↓
TCP
↓
IP

同じ通信で一緒に使われても、所属する層は異なります。

TCP/IPモデルとOSI参照モデルは同じ?

同じではありません。

TCP/IP
→ 4層

OSI参照モデル
→ 7層

特にTCP/IPのアプリケーション層は、OSI参照モデルでは複数の上位層にまたがると考える点に注意します。

確認問題(基本情報技術者試験対策)

Webブラウザからサーバへデータを送る通信について、次の説明のうち最も適切なものはどれか。

  • ア. HTTPはインターネット層で、IPアドレスを使って経路を選択する。
  • イ. TCPはアプリケーション層で、Webページの内容を表現する。
  • ウ. TCPはトランスポート層で、順序管理や再送制御などを行う。
  • エ. IPはネットワークインタフェース層で、Ethernetのフレームだけを扱う。
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正解:ウ

TCPはトランスポート層に属し、データの順序管理や再送制御などを行います。

  • ア:HTTPはアプリケーション層です。
  • イ:TCPはトランスポート層です。
  • ウ:正解です。
  • エ:IPはインターネット層です。

判断するときは、次の対応を確認します。

HTTP → アプリケーション層
TCP → トランスポート層
IP → インターネット層
Ethernet → ネットワークインタフェース層

まとめ(試験直前用)

  • TCP/IPモデルは4階層
  • HTTP・DNS・SMTP → アプリケーション層
  • TCP・UDP → トランスポート層
  • IP・ICMP → インターネット層
  • Ethernet → ネットワークインタフェース層
  • TCPは再送・順序管理、IPはIPアドレスと経路の役割で切り分ける

TCPは「どう届けるか」、IPは「どこへ届けるか」。

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