最終更新日:2026年7月28日
fe fe-technology network ip mac arp routing
まず結論
IPアドレスとMACアドレスは、どちらも通信相手を示しますが、役割が違います。
基本情報技術者試験では、次の一文で切り分けると判断しやすくなります。
IPアドレス
→ 最終目的地
MACアドレス
→ 今いるLANで次に渡す相手
異なるLANにある端末へ送る場合、宛先IPアドレスは最終端末のままですが、宛先MACアドレスはまずルータになります。
直感的な説明
IPアドレスは、荷物に書く最終的な住所のようなものです。
一方、MACアドレスは、今いる区間で次に荷物を渡す相手を示すイメージです。
ホストA
↓ LAN1
ルータ
↓ LAN2
ホストB
ホストAからホストBへ送る場合、最終目的地は最初から最後までホストBです。
そのため、宛先IPアドレスはホストBのままです。
しかし、LAN1でホストAが直接フレームを渡す相手はルータです。
そのため、LAN1では宛先MACアドレスにルータのMACアドレスを指定します。
定義・仕組み
IPアドレス
IPアドレスは、ネットワーク上の通信相手を識別するためのアドレスです。
ルータを越えて通信するときも、通常は送信元IPアドレスと宛先IPアドレスを保ったまま転送されます。
送信元IP:ホストA
宛先IP:ホストB
IPアドレスは、通信の始点と終点を示すため、エンドツーエンドの情報と考えます。
MACアドレス
MACアドレスは、同一LAN内でイーサネットフレームを届ける相手を識別するためのアドレスです。
ルータを越えると、イーサネットフレームは区間ごとに作り直されます。
そのため、MACアドレスはLANごとに変わります。
LAN1
送信元MAC:ホストA
宛先MAC:ルータのLAN1側
LAN2
送信元MAC:ルータのLAN2側
宛先MAC:ホストB
イーサネットフレームとIPデータグラム
IPデータグラムは、IPアドレスを使って最終目的地まで運ばれます。
イーサネットフレームは、そのIPデータグラムを同一LAN内で次の相手へ渡すための入れ物です。
イーサネットフレーム
└ IPデータグラム
| 見る情報 | 主な役割 |
|---|---|
| 宛先IPアドレス | 最終的に届ける端末 |
| 宛先MACアドレス | 現在のLANで次に渡す相手 |
ARP
ARPは、同一LAN内で使うIPアドレスに対応するMACアドレスを調べる仕組みです。
異なるLANへ送る場合、送信元ホストは最終端末のMACアドレスを直接調べるのではありません。
代わりに、デフォルトゲートウェイとなるルータのIPアドレスから、ルータのMACアドレスを調べます。
デフォルトゲートウェイのIPアドレス
↓ ARP
デフォルトゲートウェイのMACアドレス
このテーマは、基本情報技術者試験の「ネットワーク」や「通信プロトコル」と関係が深い内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、図を見て次の組合せを選ぶ問題として出題されます。
宛先IPアドレスは誰か
宛先MACアドレスは誰か
異なるLANにあるホストBへ送る場合は、次の順で判断します。
1. 最終目的地を確認
→ 宛先IPはホストB
2. 今いるLANで次に渡す相手を確認
→ 宛先MACはルータ
判断表
| 状況 | 宛先IPアドレス | 宛先MACアドレス |
|---|---|---|
| 同じLAN内の端末へ送る | 相手端末 | 相手端末 |
| 別LANの端末へ送る | 最終端末 | デフォルトゲートウェイ |
| ルータ通過後 | 最終端末のまま | 次の区間に合わせて変更 |
試験中は、次のように覚えると安全です。
IPは最後まで誰に届けるか
MACは今この区間で誰に渡すか
科目Bでどう使う?
科目Bのセキュリティやネットワーク構成を読む問題では、どの機器が同一LANにあり、どの通信がルータを経由するかを判断する場面があります。
次の順で確認します。
- 送信元と宛先が同じネットワークか確認する
- 別ネットワークならデフォルトゲートウェイへ送る
- 宛先IPは最終端末のままにする
- 宛先MACは次に渡す相手へ付け替える
特に、ルータを越えるたびにMACアドレスが変わることを押さえると、パケットの流れを追いやすくなります。
よくある誤解・混同
誤解1:宛先MACアドレスには最終端末を指定する
最終端末が同じLANにいる場合は正しいですが、別LANにいる場合は誤りです。
別LANへ送るときは、まずルータへ渡します。
別LANへ送る
→ 宛先MACはルータ
誤解2:宛先IPアドレスにはルータを指定する
ルータは途中の中継先であり、最終目的地ではありません。
宛先IP
→ 最終端末
宛先MAC
→ 次の中継先
誤解3:IPアドレスもMACアドレスも最後まで変わらない
通常、宛先IPアドレスは最終端末のままです。
一方、MACアドレスはルータを越えるたびに付け替えられます。
誤解4:ARPは別LANにある端末のMACアドレスも直接調べる
ARPで直接調べられるのは、基本的に同一LAN内の相手です。
別LANへ送る場合、送信元ホストが調べるのはデフォルトゲートウェイのMACアドレスです。
誤解5:ルータの両側で同じMACアドレスを使う
ルータはインターフェースごとにMACアドレスを持ちます。
そのため、LAN1側とLAN2側では異なるMACアドレスになる点に注意します。
まとめ(試験直前用)
- IPアドレスは最終目的地を示す
- MACアドレスは現在のLANで次に渡す相手を示す
- 同じLANなら相手端末のMACアドレスを使う
- 別LANならデフォルトゲートウェイのMACアドレスを使う
- ルータを越えるとMACアドレスは変わる
- 宛先IPアドレスは通常、最終端末のまま変わらない
- ARPは同一LAN内でIPアドレスからMACアドレスを調べる