最終更新日:2026年7月20日
fe fe-technology network
まず結論
OSI基本参照モデルは、ネットワーク通信の機能を7つの層に分けて整理したモデルです。
FE試験では、各層をすべて暗記するよりも、説明文に含まれる判断ワードから切り分けることが重要です。
ルーティングはネットワーク層、隣接機器間はデータリンク層、信頼性やポート番号はトランスポート層。
直感的な説明
ネットワーク通信は、一つの仕組みだけで実現しているわけではありません。
たとえば、Webページを見るときには、次のような役割が連携しています。
Webサービスを利用する
↓
通信相手のアプリを識別する
↓
宛先までの経路を選ぶ
↓
隣の機器へデータを渡す
↓
電気信号や電波として送る
OSI基本参照モデルは、この複雑な通信を役割ごとに7段階へ分けたものです。
定義・仕組み
OSI基本参照モデルの7層は、次のように整理できます。
| 層 | 名称 | 主な役割 | 判断ワード |
|---|---|---|---|
| 第7層 | アプリケーション層 | 利用者向けの通信サービス | Web、メール、ファイル転送 |
| 第6層 | プレゼンテーション層 | データ形式の変換 | 文字コード、暗号化、圧縮 |
| 第5層 | セッション層 | 通信の開始・維持・終了 | セッション管理 |
| 第4層 | トランスポート層 | エンドツーエンドの通信制御 | TCP、UDP、ポート番号、再送 |
| 第3層 | ネットワーク層 | 経路選択と中継 | IP、ルータ、ルーティング |
| 第2層 | データリンク層 | 隣接ノード間の転送 | MAC、フレーム、誤り検出 |
| 第1層 | 物理層 | 信号としてビットを伝送 | ケーブル、電圧、光、電波 |
ネットワーク層
ネットワーク層は、異なるネットワークをまたいでデータを宛先まで届けるために、経路選択や中継を行います。
送信元PC
↓
ルータ
↓
別のルータ
↓
宛先PC
代表的なプロトコルはIP、代表的な機器はルータです。
データリンク層
データリンク層は、直接つながった隣接機器間でデータを転送します。
主な役割は次のとおりです。
- フレーム単位の転送
- MACアドレスによる識別
- 誤り検出
- 再送制御
- 媒体アクセス制御
トランスポート層
トランスポート層は、送信元と宛先のアプリケーション間で通信を制御します。
代表的な判断ワードは次のとおりです。
- TCP、UDP
- ポート番号
- 順序制御
- 再送制御
- エンドツーエンドの信頼性
物理層
物理層は、0と1のビット列を電気信号・光・電波などへ変換して伝送します。
ビット列
↓
電気信号・光・電波
↓
通信媒体で送る
科目Aでどう出る?
FE試験では、各層の説明文から該当する層を選ぶ問題がよく出ます。
ネットワーク層を選ぶ表現
- ルーティングを行う
- パケットを中継する
- 異なるネットワーク間を接続する
- IPアドレスを使う
- ルータが動作する
データリンク層を選ぶ表現
- 隣接ノード間で通信する
- MACアドレスを使う
- フレームを扱う
- 誤り検出や再送制御を行う
- スイッチやブリッジが動作する
トランスポート層を選ぶ表現
- TCPやUDPを使う
- ポート番号でアプリケーションを識別する
- 順序制御や再送制御を行う
- エンドツーエンドの信頼性を確保する
アプリケーション層を選ぶ表現
- 電子メール
- Web閲覧
- ファイル転送
- 名前解決
物理層を選ぶ表現
- ケーブル
- コネクタ
- 電圧
- 周波数
- ビット伝送
どんな場面で使う?
OSI基本参照モデルは、通信障害の切り分けにも役立ちます。
たとえば、ネットワークにつながらない場合です。
ケーブルや無線は正常か
→ 物理層
同じLAN内で通信できるか
→ データリンク層
宛先まで経路があるか
→ ネットワーク層
TCP接続やポートは正常か
→ トランスポート層
Webやメールの機能は正常か
→ アプリケーション層
下の層から順番に確認すると、原因を切り分けやすくなります。
よくある誤解・混同
ネットワーク層とデータリンク層
両方ともデータを転送しますが、範囲が違います。
| 比較 | ネットワーク層 | データリンク層 |
|---|---|---|
| 通信範囲 | 異なるネットワークを越える | 隣接機器間 |
| 主なアドレス | IPアドレス | MACアドレス |
| 主な機器 | ルータ | スイッチ、ブリッジ |
| データ単位 | パケット | フレーム |
IPで遠くまで運ぶのがネットワーク層、MACで隣まで運ぶのがデータリンク層。
ネットワーク層とトランスポート層
ネットワーク層は経路を選び、トランスポート層は通信の信頼性やアプリケーションの識別を担当します。
どの道を通るか
→ ネットワーク層
正しく届いたか、どのアプリへ渡すか
→ トランスポート層
物理層とデータリンク層
物理層は信号を運びます。
データリンク層は、その信号上でフレームを正しく隣接機器へ届けます。
電子メールはトランスポート層
誤りです。
電子メールのサービス自体はアプリケーション層です。その下でTCPなどが通信を支えています。
まとめ(試験直前用)
- OSI基本参照モデルは通信機能を7層に分けたもの
- ルーティング・IP・ルータはネットワーク層
- MAC・フレーム・隣接ノードはデータリンク層
- TCP・UDP・ポート番号はトランスポート層
- ケーブル・電圧・信号は物理層
- Web・メール・ファイル転送はアプリケーション層
- 「経路・隣接・信頼性・信号・利用者」の順で切り分ける
ルートを決めてネットワークを越えるのがネットワーク層。