最終更新日:2026年7月27日
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まず結論
ステークホルダ分析とは、プロジェクトや企業活動に関係する人・組織を洗い出し、それぞれの関心、要求、影響力などを整理する手法です。
基本情報技術者試験では、次の表現があればステークホルダ分析を疑います。
利害関係者を洗い出す
要求や期待を整理する
影響力や関心の高さを確認する
誰を優先して対応するか決める
判断の中心は、経営そのものを監督するのではなく、関係者を分析して対応方針を考えているかです。
直感的な説明
新しいシステムを導入するとき、利用者だけを見て進めると失敗しやすくなります。
例えば、関係者には次のような人や組織がいます。
システムを使う利用者
費用を承認する経営者
開発を担当する技術者
運用を担当する部門
取引先
行政機関
同じプロジェクトでも、関係者ごとに期待することは違います。
利用者
→ 使いやすくしてほしい
経営者
→ 費用対効果を高めたい
運用部門
→ 保守しやすくしてほしい
開発者
→ 実現可能な仕様にしたい
そこで、誰が関係し、何を求め、どの程度の影響力を持つかを整理します。これがステークホルダ分析です。
定義・仕組み
ステークホルダ(stakeholder)は、日本語では「利害関係者」と呼ばれます。
プロジェクトや企業活動から影響を受ける人だけでなく、その活動に影響を与える人や組織も含みます。
代表例は次のとおりです。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 社内 | 経営者、利用部門、開発部門、運用部門、従業員 |
| 社外 | 顧客、取引先、株主、行政、地域社会 |
| プロジェクト | プロジェクトマネージャ、メンバー、スポンサー、委託先 |
分析では、主に次の項目を整理します。
| 観点 | 確認する内容 |
|---|---|
| 関心 | プロジェクトへの関心が高いか |
| 影響力 | 意思決定や進行にどれだけ影響できるか |
| 要求 | 何を実現してほしいと考えているか |
| 態度 | 賛成・中立・反対のどれに近いか |
| 対応方針 | 誰に、どの程度、どのように情報提供するか |
よく使われる整理方法の一つが、影響力と関心の2軸です。
| 影響力 | 関心 | 対応の考え方 |
|---|---|---|
| 高い | 高い | 密接に連携する |
| 高い | 低い | 満足を保つ |
| 低い | 高い | 十分に情報を提供する |
| 低い | 低い | 状況を確認する |
このテーマは、基本情報技術者試験の「プロジェクトマネジメント」や「システム企画」と関係します。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、ステークホルダ分析の目的や、似た用語との違いが問われます。
次のように切り分けると選択肢を判断しやすくなります。
| 問題文の中心 | 用語 |
|---|---|
| 関係者の要求・影響力・関心を整理 | ステークホルダ分析 |
| 企業経営を監督し透明性を確保 | コーポレートガバナンス |
| システムに必要な機能や条件を整理 | 要求分析 |
| 関係者への情報伝達方法を計画 | コミュニケーション管理 |
| 他社がまねしにくい企業独自の強み | コアコンピタンス |
特に、次の違いを押さえます。
利害関係者を分析する
→ ステークホルダ分析
利害関係者などが経営を監督する
→ コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンスについては、コーポレートガバナンスとは?企業統治と経営監督の仕組みで整理しています。
また、企業独自の強みとの違いは、コアコンピタンスとは?競争優位の源泉となる企業独自の強みを確認してください。
どんな場面で使う?
ステークホルダ分析は、プロジェクトの開始時や計画時に、関係者への対応方針を考える場面で使います。
代表的な場面は次のとおりです。
- 新しい情報システムを導入する
- 業務プロセスを変更する
- 新製品や新サービスを企画する
- 社外の委託先と共同で開発する
- 多くの部門が関係するプロジェクトを進める
例えば、影響力が高く、導入に反対している部門を放置すると、プロジェクトが途中で止まる可能性があります。
関係者を早めに把握する
↓
要求や懸念を確認する
↓
説明・合意形成・情報共有の方法を決める
↓
対立や手戻りを減らす
ステークホルダ分析は、関係者を一覧にすることが目的ではありません。分析結果を、合意形成やコミュニケーションに生かすことが重要です。
よくある誤解・混同
ステークホルダは顧客だけを指す
違います。
顧客だけでなく、従業員、株主、取引先、行政、開発者、利用者なども含まれます。
顧客だけ
→ 狭すぎる
活動に影響する・影響を受ける関係者
→ ステークホルダ
ステークホルダ分析と要求分析は同じ
違います。
誰が関係し、どの程度の影響力があるか
→ ステークホルダ分析
システムに何が必要か
→ 要求分析
ステークホルダ分析で重要な関係者を把握し、その人たちから要求を確認するという順序になることがあります。
ステークホルダ分析とコーポレートガバナンスは同じ
違います。
関係者を洗い出して分析する
→ ステークホルダ分析
経営を監督・統制する
→ コーポレートガバナンス
どちらにも「利害関係者」が出てきますが、目的が異なります。
影響力が高い人だけを管理すればよい
影響力が低くても、関心が高い利用者から重要な要求や問題点が見つかることがあります。
影響力だけでなく、関心、要求、態度なども合わせて確認します。
まとめ(試験直前用)
- ステークホルダ分析は、利害関係者を洗い出し、要求・関心・影響力を整理する手法
- 顧客だけでなく、経営者、利用者、開発者、株主、取引先なども対象
- 関係者を分析するならステークホルダ分析、経営を監督するならコーポレートガバナンス
- システムに必要な機能・条件を整理するのは要求分析
- 判断の決め手は、誰が関係し、何を求め、どれだけ影響するかを見ているか