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最終更新日:2026年9月20日

まず結論

ゲーム理論とは、自分だけで結果が決まらず、相手の行動によって結果も変わる状況で、互いの戦略を考えて意思決定する考え方です。

基本情報技術者試験では、次の切り分けが重要です。

競争相手の戦略を考えて自社の戦略を決める
→ ゲーム理論

待ち時間や混雑を考える
→ 待ち行列理論

将来の売上や需要を予想する
→ 需要予測

売上に影響する要因を調べる
→ 統計・データ分析

試験中は、「相手も意思決定するか?」を最初に確認すると見分けやすくなります。

直感的な説明

競合する2社が、商品の価格を下げるかどうか考えているとします。

自社だけで考えるなら、値下げすると販売数が増えるかもしれません。

しかし、競合も同時に値下げする可能性があります。

自社だけ値下げ
→ 自社が有利になるかもしれない

競合も値下げ
→ 価格競争になり、両社の利益が減るかもしれない

このように、自分の選択の結果が、相手の選択によって変わる状況を考えるのがゲーム理論です。

単に将来の売上を予測するのではなく、相手も自分と同じように戦略を考える点がポイントです。

定義・仕組み

ゲーム理論では、意思決定を行う主体と、それぞれが選べる戦略、その組合せによって得られる結果を考えます。

要素 意味
プレイヤー 意思決定を行う主体
戦略 プレイヤーが選べる行動
利得 戦略の組合せによって得られる結果

例えば、自社と競合会社がそれぞれ「値下げする」「値下げしない」を選べる場合を考えます。

            競合
        値下げ  維持
自社 値下げ   結果A   結果B
     維持     結果C   結果D

自社にとって最適な選択は、競合がどの戦略を選ぶかによって変わる可能性があります。

ゲーム理論では、このような相互依存する意思決定を整理します。

ナッシュ均衡

ゲーム理論で代表的な考え方に、ナッシュ均衡があります。

ナッシュ均衡とは、他のプレイヤーの戦略が変わらないとしたとき、自分だけ戦略を変えても得にならない状態です。

MIT OpenCourseWareでも、ナッシュ均衡を、各プレイヤーが他のプレイヤーの選択に対する最適反応を選んでおり、単独で戦略を変更しても得をしない状態として説明しています。

FE試験では、まず複雑な計算よりも、ゲーム理論がどのような場面に向くのかを見分けられることが重要です。

1次情報・大学講義資料

ゲーム理論は特定企業の製品や制度ではないため、法律や公式仕様のような「唯一の一次情報」はありません。

そのため、この記事では大学の公式講義資料を一次資料に近い信頼性の高い情報源として参照します。

MITの講義では、戦略形ゲーム、合理化可能性、ナッシュ均衡などがゲーム理論の基本概念として扱われています。

FE対策では、これらの理論を深く証明する必要はありません。まずは、複数の主体が互いの行動を考慮して意思決定するという中心的な考え方を押さえます。

経営戦略との関係では、ブルーオーシャン戦略とは?差別化戦略との違いもあわせて確認すると、競争を前提に考える場合と、競争そのものを避ける戦略の違いを整理できます。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、「この業務に適した分析手法はどれか」という形で出題されることがあります。

選択肢を切る判断表

問題文の表現 疑う手法
競争相手の行動を考えて戦略を決める ゲーム理論
待ち時間・窓口数・混雑を考える 待ち行列理論
重要度の高い商品・品目を重点管理する ABC分析
将来の販売量や需要を予測する 需要予測
売上に影響する要因を調べる 統計分析・データ分析
強み・弱み・機会・脅威を整理する SWOT分析

特に、次の表現はゲーム理論の強いヒントです。

競争相手
相手の戦略
価格競争
交渉
市場参入

試験中の判断手順

相手も意思決定するか?
↓ Yes
相手の選択によって自分の結果が変わるか?
↓ Yes
ゲーム理論を疑う

単に「競争市場」という言葉が出ただけで決めるのではなく、相手の戦略との相互作用があるかを見るのがポイントです。

似た分析手法を一気に切る

今回のように複数の業務例から適切な手法を選ぶ問題では、次のように見ると速いです。

入場ゲート数・待ち時間
→ 待ち行列理論

売れ筋・重要品目を重点管理
→ ABC分析

競争相手を見ながら販売戦略
→ ゲーム理論

新商品の需要を予測
→ 需要予測

強み・弱み・機会・脅威
→ SWOT分析

誰かと戦略を読み合うか、それともデータを分析・予測しているだけかが大きな分かれ目です。

どんな場面で使う?

ゲーム理論は、複数の企業や人が互いの行動を考えながら意思決定する場面で使われます。

例えば、次のような場面です。

  • 競合企業がいる市場での価格戦略
  • 新しい地域への出店判断
  • 競合企業の市場参入を考慮した販売戦略
  • 企業間の交渉
  • 入札やオークション

共通しているのは、相手の行動を無視して自分だけでは最適な判断を決められないことです。

自分の判断だけで結果がほぼ決まる
→ ゲーム理論でなくてもよい

相手の判断で自分の結果も変わる
→ ゲーム理論が適する

よくある誤解・混同

競争がある業務なら何でもゲーム理論

そうとは限りません。

重要なのは、競争相手がどの戦略を選ぶかによって、自分の結果が変わることです。

単に売上データを分析するだけなら、統計分析やデータマイニングの方が適していることがあります。

将来の需要を考えるので需要予測と同じ

異なります。

需要予測
→ 将来どれくらい売れるかを予測する

ゲーム理論
→ 相手が何をするかを考え、自分の戦略を決める

ゲーム理論の中心は、未来そのものではなく他者との相互作用です。

売れ筋商品の分析ならゲーム理論?

違います。

売れ筋商品の分析では、商品ごとの売上や重要度を整理するABC分析や、売上要因を調べる統計分析などを使います。

重要商品を分類・重点管理
→ ABC分析

売上に影響する要因を調べる
→ 統計分析

競争相手の戦略を読んで自社戦略を決める
→ ゲーム理論

待ち行列理論と同じ

異なります。

待ち行列理論
→ 待ち時間・窓口数・混雑

ゲーム理論
→ 相手の戦略・自分の戦略

入場ゲート数や受付窓口数のような問題では、競争相手の戦略ではなく待ち時間を扱うので、待ち行列理論を考えます。

一番利益が大きい戦略を単独で選べばよい

ゲーム理論では、相手の選択によって利益が変わります。

そのため、単純に一つの戦略だけを見て最大利益を選ぶのではなく、相手がどう行動するかを含めて判断する必要があります。

まとめ(試験直前用)

  • ゲーム理論は、相手の戦略によって自分の結果も変わる状況を扱う
  • 「競争相手」「価格競争」「交渉」「市場参入」はゲーム理論のヒント
  • 待ち時間や混雑は待ち行列理論、重要品目の重点管理はABC分析、将来の売上は需要予測と切り分ける
  • 試験では「相手も意思決定するか?」を最初に確認する
  • ゲーム理論の中心は、他者との相互作用を考えた意思決定

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