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最終更新日:2026年9月1日

まず結論

バランススコアカード(Balanced Scorecard / BSC)とは、企業の戦略目標を、財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長の4つの視点で整理し、業績評価指標に落とし込む手法です。

基本情報技術者試験では、次のように切り分けると選択肢を選びやすくなります。

お金・利益・売上を見る
→ 財務の視点

顧客満足・クレーム・継続率を見る
→ 顧客の視点

業務効率・品質・生産性を見る
→ 内部ビジネスプロセスの視点

研修・スキル・人材育成を見る
→ 学習と成長の視点

さらに、4つの視点にある戦略目標を因果関係でつないで表すものが戦略マップです。

4つの視点で戦略や指標を整理する
→ バランススコアカード

4つの視点の目標を矢印でつなぐ
→ 戦略マップ

直感的な説明

会社の業績を見るとき、売上や利益だけを見れば十分、というわけではありません。

例えば、今は利益が出ていても、

顧客満足が下がっている
製造プロセスにムダが多い
社員のスキルが伸びていない

という状態なら、将来の成長が危なくなります。

バランススコアカード(BSC)は、財務だけに偏らず、複数の視点から戦略を評価するための考え方です。

英語で見ると、

Balanced = バランスの取れた
Scorecard = 成績表・評価表

なので、Balanced Scorecard は 会社の戦略をバランスよく見る評価表 と考えると分かりやすいです。

戦略マップは、その4つの視点を「なぜ最終的に財務成果につながるのか」という流れでつないだ図です。

社員の能力が高まる
↓
業務プロセスが改善する
↓
顧客満足が高まる
↓
売上・利益につながる

定義・仕組み

バランススコアカードでは、企業のビジョンや戦略を、4つの視点に分けて評価します。

視点 見るもの 指標の例
財務の視点 売上、利益、成長、コスト 売上高、利益率、受注残、投資利益率
顧客の視点 顧客満足、顧客維持、クレーム 顧客満足度、クレーム件数、継続率
内部ビジネスプロセスの視点 業務効率、品質、生産性 製造期間短縮日数、不良率、リードタイム
学習と成長の視点 人材育成、スキル、組織能力 研修受講時間、資格取得数、改善提案件数

ポイントは、戦略目標と評価指標が対応しているか です。

例えば、

製造の生産性向上が目標
→ 製造期間短縮日数を指標にする

なら、社内の業務プロセスを改善する話なので、内部ビジネスプロセスの視点です。

一方、

主要顧客との関係構築が目標
→ クレーム件数を指標にする

なら、顧客の視点になります。

戦略マップとは?

戦略マップは、バランススコアカードの4つの視点にある戦略目標を、因果関係でつないで可視化したものです。

典型的には、次のような流れで考えます。

学習と成長
↓
内部ビジネスプロセス
↓
顧客
↓
財務

例えば、

社員教育を強化する
↓
業務品質が上がる
↓
顧客満足度が上がる
↓
売上や利益が伸びる

というように、ある目標が次の目標にどうつながるかを矢印で示します。

試験では、次の表現が出たら戦略マップを疑います。

財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長
+
目標や施策の因果関係を表す

つまり、覚え方は 「BSCの4視点を矢印でつないだら戦略マップ」 です。

公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。バランススコアカードは、経営戦略や業績評価の考え方として出題されることがあります。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、バランススコアカードの4つの視点と、戦略目標・評価指標の組合せを選ぶ問題が出やすいです。

選択肢を切るときは、次のキーワードを見ます。

キーワード 判断
売上、利益、成長、受注残、コスト 財務の視点
顧客、満足度、クレーム、継続率、関係構築 顧客の視点
業務プロセス、製造、生産性、品質、不良率、リードタイム 内部ビジネスプロセスの視点
研修、スキル、人材育成、能力向上、組織力 学習と成長の視点
4つの視点+目標・施策の因果関係 戦略マップ

例えば、次のように、

内部ビジネスプロセスの視点における戦略目標と業績評価指標

を問われたら、社内業務の改善に関する選択肢を探します。

製品の製造の生産性向上
製造期間短縮日数

は、製造プロセスを改善する話なので、内部ビジネスプロセスの視点です。

一方、

財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の4つの視点
目標や施策の因果関係を表す

という説明なら、戦略マップです。

どんな場面で使う?

業務改善や戦略評価の文章を読むときに、評価指標の意味を読み取る力が役立ちます。

例えば、問題文に次のような目標が出たとします。

  • 顧客満足度を上げる
  • 不良率を下げる
  • 研修時間を増やす
  • 売上を伸ばす

このときは、どの視点の指標かを考えます。

顧客満足度 → 顧客の視点
不良率 → 内部ビジネスプロセスの視点
研修時間 → 学習と成長の視点
売上 → 財務の視点

さらに、これらを

研修
↓
業務改善
↓
顧客満足
↓
売上

のようにつないで、戦略全体の因果関係を整理するのが戦略マップです。

FE試験では、用語を暗記するだけでなく、何を分類しているのか、何をつないでいるのかを見ることが大切です。

よくある誤解・混同

一番混同しやすいのは、内部ビジネスプロセスの視点と学習と成長の視点です。

混同しやすい点 正しい理解
製品開発力は内部プロセスだと思う 研修受講時間が指標なら学習と成長の視点
製造期間短縮は財務の視点だと思う 製造プロセス改善なので内部ビジネスプロセスの視点
クレーム件数は内部の品質問題だけを見る 顧客との関係や満足に関係するので顧客の視点
受注残は業務プロセスの指標だと思う 事業成長や売上につながるので財務の視点として扱われやすい
4つの視点が出たら必ず戦略マップ 4つの視点で整理・評価するのがBSC、因果関係でつなぐのが戦略マップ

判断に迷ったら、次のように切り分けます。

お金を測る → 財務
顧客の反応を測る → 顧客
社内の業務効率を測る → 内部ビジネスプロセス
人や組織の成長を測る → 学習と成長

4つの視点で戦略を整理する → BSC
4つの視点の目標を矢印でつなぐ → 戦略マップ

また、戦略マップと似た図にも注意します。

2軸で市場上の位置を表す
→ ポジショニングマップ

市場の魅力度と自社の強さで事業を分類する
→ ビジネススクリーン

顧客・価値提案・経営資源などから事業モデルを整理する
→ ビジネスモデルキャンバス

まとめ(試験直前用)

  • バランススコアカード(BSC)は、戦略を4つの視点で評価する手法
  • 財務の視点は、売上・利益・成長・コストを見る
  • 顧客の視点は、顧客満足・クレーム・継続率を見る
  • 内部ビジネスプロセスの視点は、業務効率・品質・生産性を見る
  • 学習と成長の視点は、研修・スキル・人材育成を見る
  • 4つの視点+目標の因果関係なら戦略マップ
  • 覚え方は 「BSCの4視点を矢印でつないだら戦略マップ」

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