最終更新日:2026年8月20日
fe fe-management project-management
まず結論
EVMとは、プロジェクトの作業を金額の価値に置き換えて、進捗とコストを定量的に管理する手法です。
基本情報技術者試験では、まず次の対応を押さえると選択肢を切りやすくなります。
EVMが管理する中心対象
→ スケジュール + コスト
品質やリスクもプロジェクトマネジメントでは重要ですが、EVMの中心的な管理対象ではありません。
まずは次の2つを切り分けます。
| 式 | 見るもの | 判断 |
|---|---|---|
| EV − PV | 進捗・スケジュール | 負なら遅れ |
| EV − AC | コスト | 負ならコスト超過 |
直感的な説明
EVMでは、次の3つを比べます。
PV:計画ではどこまで進む予定だったか
EV:実際にどこまで終わったか
AC:実際にいくら使ったか
例えば、計画では100万円分終わる予定だったのに、実際には80万円分しか終わっていなければ、進捗は遅れています。
EV − PV = 80 − 100 = -20
→ 進捗遅れ
一方、80万円分の成果を得るために100万円使っていれば、コスト超過です。
EV − AC = 80 − 100 = -20
→ コスト超過
つまり、EVMは一つの仕組みで、進み具合と使ったお金の両方を確認できるのが特徴です。
定義・仕組み
| 指標 | 意味 | ざっくり |
|---|---|---|
| PV | Planned Value | 予定していた作業価値 |
| EV | Earned Value | 実際に完了した作業価値 |
| AC | Actual Cost | 実際にかかった費用 |
ここから、次の指標を求めます。
| 指標 | 式 | 意味 |
|---|---|---|
| SV | EV − PV | スケジュール差異 |
| CV | EV − AC | コスト差異 |
| SPI | EV ÷ PV | スケジュール効率 |
| CPI | EV ÷ AC | コスト効率 |
差異は0を基準に判断します。
正 → 良い方向
0 → 計画どおり
負 → 悪い方向
効率指数は1を基準に判断します。
1より大きい → 良い
1 → 計画どおり
1より小さい → 悪い
科目Aでどう出る?
まず、何を管理する手法かを見る
用語問題では、EVMの管理対象そのものを問われることがあります。
コスト + スケジュール
→ EVM
反対に、次のような組合せはEVMの中心的な管理対象ではありません。
コスト + リスク
スケジュール + 品質
品質 + リスク
品質やリスクという言葉が入っているだけで、EVMと判断しないことがポイントです。
PV・EV・ACが出たら比較対象を見る
まず、何と何を比較しているかを見ます。
EV と PV を比べる
→ 進捗を見る
EV と AC を比べる
→ コストを見る
判断は次のとおりです。
EV < PV → 予定より成果が少ない → 進捗遅れ
EV > PV → 予定より成果が多い → 進捗前倒し
EV < AC → 成果より費用が多い → コスト超過
EV > AC → 成果より費用が少ない → コスト効率が良い
差と比率を混同しない
SV・CV
→ 差を表す
SPI・CPI
→ 効率を比率で表す
科目Aでは、英字だけで覚えず、日本語へ置き換えると判断しやすくなります。
PV:予定
EV:成果
AC:実費
現時点と完了時点を分ける
EV < PV から分かるのは、現時点で予定より進捗が遅れていることです。
その後に挽回できる可能性もあるため、追加条件なしに「必ず完了日も遅れる」とは断定できません。
どんな場面で使う?
EVMは、プロジェクトの途中で、次の2点を同時に確認するときに使います。
- 計画に対して作業がどこまで進んでいるか
- 得られた成果に対して費用を使い過ぎていないか
PVとEVを比較
→ スケジュール状況を確認
EVとACを比較
→ コスト状況を確認
単に「予定日を過ぎたか」や「予算をいくら使ったか」だけでなく、完了した作業の価値を基準に比較できる点が特徴です。
よくある誤解・混同
EVMはコストだけを管理する
誤りです。
EVMは、コストとスケジュールの両方を管理します。
EV と PV
→ スケジュール
EV と AC
→ コスト
EVMは品質やリスクを直接管理する
誤りです。
品質管理やリスク管理もプロジェクトマネジメントでは重要ですが、EVMで直接比較する中心対象は スケジュールとコスト です。
EV − PVをコストの式だと思う
誤りです。EV − PVは進捗を見る式です。
EV − ACを進捗の式だと思う
誤りです。EV − ACはコストを見る式です。
SPIやCPIは0を基準に判断する
誤りです。比率なので1を基準に判断します。
差異(SV・CV)
→ 0が基準
効率(SPI・CPI)
→ 1が基準
EV − PVが負なら、必ず完了も遅れる
分かるのは、その時点で進捗が遅れていることです。将来の完了時点までは、追加条件なしに断定できません。
確認問題(基本情報技術者試験対策)
プロジェクトの進捗をEVMで測定するとき、EVMが主に管理する二つの対象として適切な組合せはどれか。
- ア. コストとスケジュール
- イ. コストとリスク
- ウ. スケジュールと品質
- エ. 品質とリスク
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:ア
EVMでは、PV・EV・ACを比較して、スケジュールとコストを定量的に把握します。
- EVとPVの比較 → スケジュール状況
- EVとACの比較 → コスト状況
品質やリスクは別の管理活動で扱います。
まとめ(試験直前用)
- EVMの中心対象は コストとスケジュール
- PVは計画、EVは成果、ACは実費
- EV − PVは進捗を見る
- EV − PVが負なら現時点で進捗遅れ
- EV − ACはコストを見る
- EV − ACが負ならコスト超過
- SPI、CPIは1未満なら効率が悪い
- 差異は0、効率指数は1を基準に判断する
- 品質・リスクはEVMの直接の管理対象ではない