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最終更新日:2026年7月4日

まず結論

派遣労働者に対する法令上の責任は、派遣労働者を雇用する派遣元と、実際の職場で指揮命令する派遣先で分担されます。

SG試験では、まず三者関係を次のように切り分けます。

関係 当事者 判断ポイント
雇用契約 派遣元事業主 ↔ 派遣労働者 派遣労働者を雇っている関係
労働者派遣契約 派遣元事業主 ↔ 派遣先事業主 労働者を派遣する会社同士の契約関係
指揮命令関係 派遣先事業主 ↔ 派遣労働者 実際の職場で業務指示を受ける関係

したがって、労働者派遣契約関係が存在するのは、派遣元事業主と派遣先事業主の間です。

このページで切り分けること(先にここだけ)

このページは、労働者派遣の三者関係を中心に整理します。

  • 派遣元:派遣労働者を雇用する
  • 派遣先:派遣労働者を受け入れて指揮命令する
  • 派遣労働者:派遣元に雇用され、派遣先で働く

迷ったら、 「契約関係か、指揮命令関係か、雇用関係か」 を先に見ます。

直感的な説明

労働者派遣は、普通の雇用より登場人物が一人多い形です。

たとえば、ある派遣会社が派遣元、受入企業が派遣先、そこで働く人が派遣労働者だとします。

  • 派遣労働者を雇っているのは派遣元
  • 派遣労働者が働く現場は派遣先
  • 日々の業務を指示するのは派遣先
  • 派遣元と派遣先の間には、労働者を派遣するための契約がある

このとき、派遣元と派遣労働者の間には雇用契約があります。 派遣先と派遣労働者の間には、日々の業務上の指揮命令関係があります。 派遣元と派遣先の間には、労働者派遣契約があります。

SG試験では、「派遣労働者が働く相手」と「契約の相手」を混同させる選択肢に注意します。

定義・仕組み

労働者派遣では、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、その派遣先のために労働させます。

厚生労働省の「労働者派遣事業」でも、労働者派遣事業は、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて派遣先のために労働に従事させることとして説明されています。 厚生労働省:労働者派遣事業

三者の役割は次のとおりです。

立場 主な役割 試験での見分け方
派遣元事業主 派遣労働者を雇用し、派遣先へ派遣する 雇用契約、教育訓練、雇用安定
派遣先事業主 派遣労働者を受け入れ、業務上の指揮命令を行う 指揮命令、派遣先責任者、現場管理
派遣労働者 派遣元に雇用され、派遣先で働く 雇用主は派遣元、指示を受ける相手は派遣先

特に、労働者派遣契約は会社同士の契約です。

問われている関係 正しい組合せ
労働者派遣契約関係 派遣元事業主と派遣先事業主
雇用契約関係 派遣元事業主と派遣労働者
指揮命令関係 派遣先事業主と派遣労働者

「派遣労働者」という語が選択肢にあると選びたくなりますが、労働者派遣契約そのものの当事者は、派遣労働者ではありません。

どんな場面で使う?

この知識は、外部人材を受け入れる場面や、委託先管理・情報セキュリティ管理のケース問題で役立ちます。

派遣労働者に社内システムを使ってもらう場面

派遣先では、派遣労働者が担当する業務に必要な範囲でアカウントやアクセス権限を付与します。

ここで重要なのは、派遣契約で定めた業務範囲を超えないことです。

  • 必要以上の権限を与えない
  • 契約外の業務を頼まない
  • 機密情報の取扱いルールを説明する
  • 退場時にアカウントや貸与物を回収する

派遣先は現場で指揮命令する立場なので、契約内容を現場の関係者に周知し、契約どおりに働いてもらう管理が重要になります。

教育訓練や雇用安定が問われる場面

派遣労働者の教育訓練、キャリア形成、雇用安定措置は、基本的には雇用主である派遣元の責任として整理します。

派遣先が作業手順を説明することはあります。 しかし、制度としての教育訓練や雇用安定は、雇用主である派遣元の責任として問われやすいです。

派遣先ができる指示・できない判断

SG試験では、派遣先企業が派遣労働者に対して、どこまで指示・判断できるかを問う問題があります。

派遣先は、労働者派遣契約で定められた業務内容、就業場所、就業日、就業時間などの範囲内で、派遣労働者に業務上の指揮命令を行います。

場面 判断 試験での切り分け
契約で定められた業務範囲内で作業を指示する 派遣先が行える 指揮命令関係の話
有給休暇を派遣先が直接承認する 不適切になりやすい 雇用管理・休日管理は派遣元側の判断として切り分ける
契約範囲を超えて残業や別業務を命じる 不適切になりやすい 就業条件・業務範囲を超えていないか確認する
作業ミスによる損害を直ちに派遣元の製造物責任として追及する 不適切になりやすい 派遣先の指揮命令下での作業ミスと、製造物責任を混同しない

ポイントは、業務上の指揮命令は派遣先、雇用管理は派遣元、契約範囲を超える指示は注意と整理することです。

選択肢で「派遣先が直接指示した」とあっても、すぐに誤りとは限りません。契約で定められた業務内容・就業条件の範囲内であれば、派遣先が指揮命令することがあります。

一方で、有給休暇の承認、契約にない残業、契約外業務の指示などは、派遣先が自由に決めてよいものではない点に注意します。

請負・委託と比較する場面

派遣、請負・委託、出向は、外部の人が業務に関わる点では似ています。

違いは、誰が現場作業者へ指揮命令するかです。

形態 会社間の関係 現場作業者との関係 判断の目安
派遣 派遣元と派遣先の労働者派遣契約 雇用は派遣元、指揮命令は派遣先 「雇用は派遣元、指示は派遣先」と切り分ける
請負・委託 発注側と受託側の請負・委託契約 作業者への指揮命令は受託側 発注側が作業者へ直接細かく指示しない
出向 出向元と出向先の出向に関する契約 出向先で業務上の指揮命令を受ける 出向先で実際の業務指示を受ける点を見る

請負・委託との違いは、請負契約と派遣契約の違いとは?指示系統で判断するポイント【SG試験】でも確認できます。

SG試験では、出向元から出向先へ人を送り、出向先の業務に従事する設定であれば、出向先と出向者の業務上の指揮命令関係を確認します。

ただし、出向と派遣を混同しないことも重要です。労働者派遣契約であれば「派遣元・派遣先・派遣労働者」の三者関係で整理し、出向契約であれば「出向元・出向先・出向者」の関係で整理します。

よくある誤解・混同

誤解1:労働者派遣契約は、派遣先と派遣労働者の間にある

これは誤りです。

派遣先は派遣労働者に業務上の指揮命令を行いますが、労働者派遣契約の当事者ではありません。

  • 派遣先 ↔ 派遣労働者:指揮命令関係
  • 派遣元 ↔ 派遣労働者:雇用契約関係
  • 派遣元 ↔ 派遣先:労働者派遣契約関係

「働く場所が派遣先だから契約も派遣先と労働者」と考えないようにします。

誤解2:派遣元が雇っているので、現場での指示も派遣元だけが行う

これも誤りです。

派遣元が雇用主ですが、実際の業務上の指揮命令は派遣先が行います。

SG試験では、雇用は派遣元、指揮命令は派遣先と切り分けます。

誤解3:派遣先で働くので、すべて派遣先の責任である

派遣先で働いていても、雇用契約、教育訓練、雇用安定などは派遣元の責任として整理します。

一方で、派遣先は受入れ現場として、指揮命令、契約内容の周知、就業環境、安全衛生、アクセス権限などの管理に注意します。

誤解4:請負でも発注者が作業者へ直接指示してよい

請負・委託では、発注者が受託側の作業者へ直接細かく指示すると、偽装請負の問題につながることがあります。

派遣は派遣先が直接指揮命令できる点が特徴です。

誤解5:出向しているなら、出向先と労働者の間に指揮命令関係はない

これは誤りです。

出向は、出向先の業務に従事するための関係なので、SG試験では出向先が出向者に業務上の指揮命令を行うと整理します。

一方で、派遣の問題で「派遣先と派遣労働者の間に雇用関係がある」と書かれていたら不適切です。派遣では、雇用関係は派遣元と派遣労働者の間にあります。

SG試験で選択肢を切る判断軸(労働者派遣契約関係編)

  • 「労働者派遣契約関係」と書かれている → 派遣元事業主と派遣先事業主を選びます。会社同士の契約関係です。

  • 「雇用契約関係」と書かれている → 派遣元事業主と派遣労働者を選びます。派遣労働者を雇っているのは派遣元です。

  • 「指揮命令関係」と書かれている → 派遣先事業主と派遣労働者を選びます。日々の業務指示は派遣先が行います。

迷ったら、「契約か、雇用か、指示か」を先に見ます。

出向が選択肢に出た場合も、同じように「誰が誰に業務指示を出す関係か」を見ます。

問われ方 正解候補になりやすい判断
出向先で出向者が業務に従事する 出向先と出向者の間の指揮命令関係を見る
請負契約で発注者が受託側作業者へ直接指示する 請負では不適切になりやすい
労働者派遣契約で派遣先と派遣労働者に雇用関係がある 雇用は派遣元なので不適切

確認問題(SG試験対策)

派遣元A社に雇用されているBさんが、派遣先C社の職場で情報システム運用を担当することになった。このときの関係として、最も適切なものはどれか。

  • ア. Bさんへの日々の作業指示は、原則として派遣先C社から行われる。
  • イ. Bさんの雇用主は、実際に作業場所を提供する派遣先C社である。
  • ウ. 派遣契約は、派遣先C社とBさん個人が直接結ぶ契約である。
  • エ. 派遣元A社はBさんを雇用していないため、教育訓練や雇用管理には関与しない。
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)

正解:ア

解説

  • ア:適切。派遣先は、受け入れた派遣労働者に対して業務上の指揮命令を行います。
  • イ:不適切。派遣労働者を雇用するのは派遣元です。
  • ウ:不適切。労働者派遣契約は、派遣元と派遣先の会社同士で結びます。
  • エ:不適切。派遣元は雇用主として、雇用管理や教育訓練などに関わります。

👉 判断ポイント 働く場所は派遣先、雇用主は派遣元、会社同士の契約は派遣元と派遣先で切り分けます。

まとめ(試験直前用)

派遣労働者の三者関係は、次の3本で整理します。

  • 労働者派遣契約:派遣元事業主 ↔ 派遣先事業主
  • 雇用契約:派遣元事業主 ↔ 派遣労働者
  • 指揮命令関係:派遣先事業主 ↔ 派遣労働者
  • 派遣元は雇用・教育訓練・雇用安定を管理する
  • 派遣先は現場の指揮命令・契約内容の周知・受入れ管理を行う

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