最終更新日:2026年8月28日
fe fe-strategy accounting
まず結論
総平均法は、一定期間の期首在庫と期間中の購入分を全部まとめ、金額の合計を数量の合計で割って平均単価を求める方法です。
総平均単価
=
(期首在庫の評価額 + 期間中の購入金額合計)
÷
(期首在庫数量 + 期間中の購入数量合計)
基本情報技術者試験では、次のように切り分けると判断しやすくなります。
期間分をまとめて平均
→ 総平均法
仕入れるたびに平均単価を更新
→ 移動平均法
古い在庫から先に払い出す
→ 先入先出法
直感的な説明
総平均法は、その期間に持っていた在庫を一つの大きな箱にまとめて、1個当たりいくらだったかを平均するイメージです。
例えば、次の材料があるとします。
| 区分 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 期首在庫 | 20個 | 100円 | 2,000円 |
| 1回目の購入 | 30個 | 120円 | 3,600円 |
| 2回目の購入 | 50個 | 110円 | 5,500円 |
全部まとめると、
金額合計 = 2,000 + 3,600 + 5,500 = 11,100円
数量合計 = 20 + 30 + 50 = 100個
したがって、総平均単価は、
11,100 ÷ 100 = 111円
です。
ポイントは、単価そのものを単純平均しないことです。
(100 + 120 + 110) ÷ 3
ではありません。
数量が異なるので、金額をいったん合計してから数量で割ります。
定義・仕組み
総平均法は、一定期間の棚卸資産について、期首在庫と期間中の受入れをまとめて平均単価を求め、その単価を払出単価や期末在庫評価に使う方法です。
基本式
総平均単価
=
総金額 ÷ 総数量
ここでいう総金額は、
期首在庫評価額
+
期間中の購入金額
です。
総数量は、
期首在庫数量
+
期間中の購入数量
です。
なぜ単価の単純平均ではないのか
例えば、
100円の商品を10個
200円の商品を90個
持っているとします。
単価だけを平均すると、
(100 + 200) ÷ 2 = 150円
ですが、実際には200円の商品が圧倒的に多いので、この平均は実態を表しません。
正しくは、
100円 × 10個 = 1,000円
200円 × 90個 = 18,000円
19,000円 ÷ 100個 = 190円
です。
つまり、総平均法は数量を考慮した加重平均になっています。
公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、総平均法の説明を選ぶ問題や、期首在庫と購入データから払出単価を求める問題が出ます。
説明文から見抜く
次の表現があれば、総平均法を考えます。
期首在庫と購入分をまとめる
期間中の購入額を合計する
総金額を総数量で割る
月や期など一定期間ごとに平均する
→ 総平均法
一方で、
購入のたびに平均単価を計算し直す
→ 移動平均法
です。
計算問題の手順
1. 期首在庫の金額を求める
2. 各購入分の金額を求める
3. 金額を全部足す
4. 数量を全部足す
5. 金額合計 ÷ 数量合計
表にするとミスを減らせます。
| 区分 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 期首在庫 | 数量 | 単価 | 数量×単価 |
| 購入1 | 数量 | 単価 | 数量×単価 |
| 購入2 | 数量 | 単価 | 数量×単価 |
| 合計 | 総数量 | - | 総金額 |
最後に、
総金額 ÷ 総数量
とすれば、払出単価を求められます。
どんな場面で使う?
総平均法は、同じ種類の材料や商品を異なる価格で複数回購入し、一定期間ごとに平均的な取得単価を求めたい場面で使います。
例えば、次のような在庫です。
- 原材料
- 部品
- 商品在庫
- 消耗品
購入ごとに単価が変わっても、期間全体を一つの平均単価で扱えるため、計算をまとめやすい特徴があります。
なお、古い在庫から順に払い出したものとして評価する方法は先入先出法です。
総平均法と先入先出法を比べると、平均するのか、入荷順を追うのかという違いが見えやすくなります。
よくある誤解・混同
総平均法と移動平均法
最も重要な違いは、平均単価をいつ計算するかです。
| 方法 | 平均するタイミング |
|---|---|
| 総平均法 | 一定期間分をまとめて平均 |
| 移動平均法 | 購入するたびに平均し直す |
月末などにまとめて平均
→ 総平均法
仕入れのたびに平均更新
→ 移動平均法
単価だけを平均する
誤りです。
単価の合計 ÷ 購入回数
ではなく、
金額の合計 ÷ 数量の合計
です。
期首在庫を計算から外す
総平均法では、期間中に購入した分だけではなく、期首に残っていた在庫も含めて平均します。
期首在庫
+
期間中の購入
→ まとめて平均
総平均法と先入先出法
先入先出法は平均単価を求める方法ではありません。
全部まとめて平均
→ 総平均法
古いものから順に払い出す
→ 先入先出法
先入先出法の記事では、古い在庫から消して月末在庫を求める考え方を詳しく整理しています。
「平均」とあれば必ず総平均法?
そうとは限りません。
問題文に「購入するたびに」とあれば、移動平均法です。
試験では、平均するタイミングを必ず確認するのがポイントです。
まとめ(試験直前用)
- 総平均法は、期首在庫と期間中の購入分をまとめて平均する
- 計算は「金額合計 ÷ 数量合計」
- 単価だけを単純平均しない
- 期首在庫も平均に含める
- 移動平均法は、購入のたびに平均単価を更新する
- 先入先出法は、古い在庫から先に払い出す
期間まとめて平均
→ 総平均法
購入のたびに再平均
→ 移動平均法
古いものから払い出す
→ 先入先出法
一言で覚えるなら、
総平均は「期間まとめて、金額合計 ÷ 数量合計」。