最終更新日:2026年8月9日
fe fe-technology security malware
まず結論
ウイルス検出方式は、何を何と比べているか、または何を監視しているかで切り分けます。
基本情報技術者試験では、次の対応を押さえると選択肢を判断しやすくなります。
| 方式 | 何を見る? | 判断の合図 |
|---|---|---|
| パターンマッチング方式 | 既知ウイルスの特徴的なコード | シグネチャ、パターンとの照合 |
| ビヘイビア法 | ウイルスに起因する異常な動作 | 挙動、異常現象、監視 |
| コンペア法 | 感染前と感染後のファイル | 前後のファイルを比較 |
| チェックサム法 | ファイルから求めたチェックサム | チェックサムとの照合 |
迷ったら、方式名を思い出そうとする前に、
「何を調べてウイルスを見つけようとしているか?」
を確認します。
直感的な説明
4方式は、ウイルスを探すための「見つけ方」が違います。
パターンマッチング方式
知っている犯人の顔写真と照合するイメージです。
既知ウイルスの特徴的なコード
↓
検査対象のファイルと照合
↓
一致する特徴があるか確認
既知ウイルスの特徴をあらかじめパターンとして持ち、それと照合します。
ビヘイビア法
顔写真ではなく、怪しい行動を見張るイメージです。
システムの動作を監視
↓
ウイルスに起因する異常な現象がないか確認
コードそのものより、動作や挙動に注目します。
コンペア法
変更前と変更後を見比べるイメージです。
感染前のファイル
↕ 比較
感染後のファイル
ファイルに変更が加わったかどうかを確認します。
チェックサム法
ファイルから求めた確認用の値を照合するイメージです。
ファイルのチェックサムを使い、内容が変化していないかを確認します。
定義・仕組み
パターンマッチング方式
パターンマッチング方式では、既知のコンピュータウイルスが持つ特徴的なコードをパターン(シグネチャコード)として用意し、検査対象のファイルと比較します。
試験では、次のような表現が重要です。
既知ウイルスのシグネチャコードと比較する
→ パターンマッチング方式
この方式では、登録されている特徴と照合するため、「既知」「シグネチャ」「特徴的なコード」が大きな手掛かりになります。
ビヘイビア法
ビヘイビア法では、システム内で起きるウイルスに起因する異常な現象や挙動を監視して検出します。
異常な動きを監視する
→ ビヘイビア法
パターンそのものとの照合ではなく、動作を見る点が違いです。
コンペア法
コンペア法では、感染前のファイルと感染後のファイルを比較し、変更が加わったかどうかを確認します。
感染前と感染後を比較する
→ コンペア法
compare は「比較する」という意味なので、名前と考え方を結び付けると覚えやすくなります。
チェックサム法
チェックサム法では、ファイルのチェックサムを照合して、ファイルの変化を確認します。
ファイルのチェックサムと照合する
→ チェックサム法
ここでは、ファイルそのものの前後比較ではなく、ファイルから求めたチェック用の値を使う点がポイントです。
このテーマは、基本情報技術者試験の情報セキュリティやマルウェア対策に関係します。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
より広く「脅威に対してどの対策を選ぶか」を整理したい場合は、脅威とセキュリティ対策の対応とは? もあわせて確認するとつながりやすくなります。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、検出方式の説明を読んで、どの方式に当てはまるかを選ぶ問題に対応できることが重要です。
まず「比較」という言葉だけで決めない
ここが大きなひっかけです。
複数の方式で「比較」「照合」という表現が使われます。
既知ウイルスの特徴コードと比較
→ パターンマッチング
感染前と感染後のファイルを比較
→ コンペア
チェックサムと照合
→ チェックサム
したがって、「比較しているからパターンマッチング」ではありません。
必ず、何を何と比較しているかまで読みます。
動きを見ているならビヘイビア
次のような表現なら、ビヘイビア法を疑います。
- 異常な現象を監視する
- プログラムの挙動を見る
- 動作を監視して検出する
つまり、コードやファイルの値ではなく、動作が中心です。
試験中の切り分け
シグネチャ・特徴コード?
→ パターンマッチング
異常な動作・挙動?
→ ビヘイビア
感染前後のファイル?
→ コンペア
チェックサム?
→ チェックサム
この4つを、方式名ではなく「見る対象」で切れるようにしておくと安定します。
どんな場面で使う?
ウイルス対策ソフトなどでは、検査対象からウイルスの兆候を見つける必要があります。
そのとき、検出の考え方には違いがあります。
- 既知の特徴と照合する
- 異常な動作を監視する
- ファイルの変化を比較する
- チェックサムの変化を確認する
FE試験では、実際の製品設定を覚えることより、説明文からどの考え方を使っているか判断することを優先します。
よくある誤解・混同
誤解1:何かと比較する方式はすべてパターンマッチング
違います。
パターンマッチング方式で比較する相手は、既知ウイルスの特徴的なコードです。
感染前後のファイルを比べるならコンペア法、チェックサムを照合するならチェックサム法です。
誤解2:異常を見つける方式はパターンマッチング
異常な動作や挙動を監視する説明なら、ビヘイビア法です。
特徴コードを見る
→ パターンマッチング
動きを見る
→ ビヘイビア
この対比で切ると分かりやすくなります。
誤解3:パターンマッチングなら未知のウイルスも必ず検出できる
パターンマッチング方式は、登録されている既知ウイルスの特徴との照合が中心です。
そのため、試験では 「既知のシグネチャとの照合」 という説明と結び付けて判断します。
誤解4:チェックサム法とコンペア法は同じ
どちらも変化を確認しますが、見るものが違います。
| 方式 | 比較・照合するもの |
|---|---|
| コンペア法 | 感染前後のファイル |
| チェックサム法 | ファイルから求めたチェックサム |
「ファイルそのものの前後」なのか、「チェック用の値」なのかを見ます。
まとめ(試験直前用)
- シグネチャ・特徴コードとの照合 → パターンマッチング方式
- 異常な動作・挙動の監視 → ビヘイビア法
- 感染前後のファイルを比較 → コンペア法
- チェックサムを照合 → チェックサム法
- 「比較する」という言葉だけで決めず、何を何と比較しているかを見る