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最終更新日:2026年7月18日

まず結論

フル・差分・増分バックアップは、どの範囲を保存するかと、復旧時に何を使うかが違います。

基本情報技術者試験では、次のように切り分けると判断しやすいです。

方式 保存する範囲 復旧時に必要なもの
フルバックアップ 全データ フルバックアップ1個
差分バックアップ 最後のフル以降の変更すべて フル+最新の差分
増分バックアップ 直前のバックアップ以降の変更 フル+その後の増分すべて

覚え方は、次のとおりです。

差分はフルからの差、増分は前回からの増えた分。

直感的な説明

ノートを毎日更新する場合で考えてみます。

日曜日に、ノート全体をコピーしました。これがフルバックアップです。

その後、月曜日、火曜日、水曜日に追記したとします。

差分バックアップは、毎回、日曜日のコピーから現在までに変わった部分をまとめて保存します。

日曜:全体をコピー
月曜:日曜以降の変更
火曜:日曜以降の変更
水曜:日曜以降の変更

増分バックアップは、毎回、直前のバックアップから新しく変わった部分だけを保存します。

日曜:全体をコピー
月曜:日曜から月曜までの変更
火曜:月曜から火曜までの変更
水曜:火曜から水曜までの変更

そのため、差分は復旧時に使うファイルが少なく、増分は日々の保存量が小さくなります。

定義・仕組み

フルバックアップ

対象となるデータを毎回すべて保存する方式です。

復旧時はフルバックアップ1個を戻せばよいため、手順は単純です。一方、毎回すべて保存するので、バックアップ時間と保存容量が大きくなります。

差分バックアップ

最後に取得したフルバックアップを基準にし、それ以降に変更されたデータを保存する方式です。

例えば、日曜日にフルバックアップを取り、水曜日に障害が発生した場合は、次の2つを使います。

日曜日のフルバックアップ
+
水曜日の差分バックアップ

水曜日の差分には、日曜日以降の変更がまとめて含まれているため、月曜日や火曜日の差分を順番に適用する必要はありません。

増分バックアップ

直前に取得したバックアップ以降に変更されたデータだけを保存する方式です。

水曜日に障害が発生した場合は、次のように復旧します。

日曜日のフルバックアップ
+
月曜日の増分
+
火曜日の増分
+
水曜日の増分

日々のバックアップ量は小さくなりますが、復旧時には複数のファイルを正しい順序で適用する必要があります。

観点 フル 差分 増分
毎回の保存量 大きい 日数とともに増える 小さい
バックアップ時間 長い 中程度 短い
復旧に使うファイル数 1個 2個 複数
復旧のしやすさ 最も簡単 比較的簡単 手順が多い

このテーマは、基本情報技術者試験の情報セキュリティやシステム運用に関係します。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、バックアップ方式の説明文から、差分か増分かを選ぶ問題が出ます。

判断するときは、何を基準に変更分を保存しているかを確認します。

選択肢の表現 判断
最後のフルバックアップ以降の変更を保存 差分バックアップ
前回のバックアップ以降の変更を保存 増分バックアップ
毎回すべてのデータを保存 フルバックアップ
フルを戻した後、最新の差分を適用 差分バックアップの復旧
フルを戻した後、その後の変更分をすべて順番に適用 増分バックアップの復旧

特に重要なのは、次の切り分けです。

フル+最新の1個
→ 差分

フル+その後の全部
→ 増分

また、差分バックアップについて「差分だけを適用すれば復旧できる」という説明は誤りです。

差分には変更された部分しか入っていないため、土台となるフルバックアップが必要です。

科目Bでどう使う?

科目Bでは、バックアップ方式そのものの名称だけでなく、障害時にどのファイルをどの順序で使うかを判断する場面があります。

例えば、次の構成を考えます。

日曜:フル
月曜:増分1
火曜:増分2
水曜:増分3

水曜日の終了時点へ戻すには、日曜日のフルを適用した後、増分1、増分2、増分3を順番に適用します。

途中の増分2が破損していると、それより後の状態まで正しく復旧できない可能性があります。

一方、差分方式なら、日曜日のフルと水曜日の差分を使います。

問題文を読むときは、次の順で確認します。

  1. フルバックアップを取得した時点を確認する
  2. 変更分が「フル以降」か「前回以降」かを見る
  3. 復旧に必要なファイルを時系列で並べる
  4. 欠けているバックアップがないか確認する

よくある誤解・混同

差分バックアップだけで復旧できる

できません。

差分バックアップは変更分だけなので、元になるフルバックアップが必要です。

差分は毎日の変更分だけを保存する

それは増分バックアップです。

差分は、最後のフルバックアップから現在までの変更を毎回まとめて保存します。

増分は復旧が最も速い

一般に、日々のバックアップは速いですが、復旧には複数の増分ファイルを順番に適用するため時間がかかります。

差分と増分はどちらか一方しか使えない

運用方針に応じて使い分けます。フルバックアップと組み合わせて運用するのが基本です。

バックアップ時間が短い方式は、復旧時間も短い

必ずしもそうではありません。

増分はバックアップ時間を短くしやすい一方、復旧時の手順は多くなります。

まとめ(試験直前用)

  • フルは、毎回すべて保存する
  • 差分は、最後のフル以降の変更を保存する
  • 増分は、前回のバックアップ以降の変更を保存する
  • 差分の復旧は、フル+最新の差分
  • 増分の復旧は、フル+その後の増分すべて

関連する考え方は、バックアップと冗長化の違いでも整理しています。

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