最終更新日:2026年8月28日
fe fe-technology multimedia data-representation
まず結論
動画配信に必要な帯域幅は、1フレームのデータ量を求めてから、1秒当たりのフレーム数を掛けると求められます。
圧縮しない動画なら、基本式は次のとおりです。
必要な伝送速度 [bit/s]
= 横の画素数
× 縦の画素数
× 1画素当たりのビット数
× フレームレート [frame/s]
FE科目Aでは、まず次の順番で考えると迷いにくくなります。
1. 1フレームに何画素あるか
2. 1画素は何ビットか
3. 1フレームは何ビットか
4. 1秒に何フレームあるか
5. bit/s を kbit/s や Mbit/s に直す
試験中は、静止画なら「横×縦×色深度」、動画ならさらに「× fps」と覚えると使いやすいです。
直感的な説明
動画は、静止画を高速で何枚も並べたものと考えると分かりやすいです。
例えば、1枚の画像が10 Mビットで、1秒間に30枚送るなら、
10 Mビット/枚 × 30枚/秒
= 300 Mビット/秒
必要になります。
つまり、動画の帯域幅を考えるときは、
1枚の重さ × 1秒に送る枚数
と考えます。
ここで、1枚の画像の重さは、画素数と色の情報量から求めます。
横画素数 × 縦画素数
→ 1枚の画素数
画素数 × 1画素当たりのビット数
→ 1枚のデータ量
この2段階に分けると、式を丸暗記しなくても導けます。
定義・仕組み
動画データ量の計算では、主に次の4つの値を使います。
| 要素 | 意味 | 単位の例 |
|---|---|---|
| 横の画素数 | 画像の横方向の細かさ | pixel |
| 縦の画素数 | 画像の縦方向の細かさ | pixel |
| 色深度 | 1画素を表す情報量 | bit/pixel |
| フレームレート | 1秒間の画像枚数 | frame/s、fps |
1. 1フレームの画素数を求める
例えば、640×480ピクセルなら、
640 × 480
= 307,200ピクセル
です。
2. 1フレームのデータ量を求める
1画素が24ビットなら、
307,200 × 24
= 7,372,800ビット
となります。
ここで、24ビットフルカラーとは、1画素を24ビットで表すという意味です。
よく使われる考え方は、RGBそれぞれ8ビットずつで、
8 + 8 + 8 = 24ビット
とするものです。
3. 1秒当たりのデータ量を求める
フレームレートが25 fpsなら、1秒に25枚の画像を送ります。
7,372,800 × 25
= 184,320,000 bit/s
したがって、約184.32 Mbit/sです。
このように、1フレームのデータ量にfpsを掛ければ、1秒当たりのデータ量になると考えます。
このテーマは、基本情報技術者試験のマルチメディアやデータ表現に関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、画像の解像度、色深度、フレームレートから、動画のデータ量や必要な通信速度を計算させる形で出題されます。
判断するときは、問題文から次の4つを拾います。
横の画素数
縦の画素数
1画素当たりのビット数
1秒当たりのフレーム数
そして、
横 × 縦 × 色深度 × fps
の順に掛けます。
計算例
次の条件を考えます。
画面サイズ:1,280 × 720ピクセル
色深度:24ビット
フレームレート:30 fps
圧縮:なし
まず、1フレームの画素数です。
1,280 × 720
= 921,600ピクセル
次に、1フレームのデータ量です。
921,600 × 24
= 22,118,400ビット
最後に、1秒分です。
22,118,400 × 30
= 663,552,000 bit/s
≈ 663.6 Mbit/s
したがって、圧縮しない場合は約664 Mbit/s程度の帯域が必要になります。
選択肢問題では、計算値ぴったりではなく、最も近い値を選ぶことがあります。
どんな場面で使う?
この計算は、画像や動画を通信するときに、どの程度の回線速度が必要かを見積もるときに使います。
例えば、次のような場面です。
- 動画配信
- Web会議
- 監視カメラ
- 映像伝送
- 画像データの保存容量見積り
ただし、実際の動画配信では、多くの場合JPEGやMPEG系の圧縮技術などが使われます。
画像・動画形式そのものの違いを整理したい場合は、JPEG・GIF・BMP・MPEGの違いを先に見ると、「なぜ圧縮を考える必要があるのか」までつながって理解しやすくなります。
さらに、動画圧縮規格の考え方を詳しく整理したい場合は、MPEGとは?を見ると、非圧縮の計算と実際の動画形式との違いが分かりやすくなります。
よくある誤解・混同
24ビットを24バイトとして計算する
最も注意したいミスです。
24ビット
≠ 24バイト
1バイトは8ビットなので、24ビットは3バイトです。
問題文がビット単位なら、途中でバイトに直さず、そのままビットで計算した方が安全です。
1フレーム分を求めて終わる
動画では、1秒間に複数フレームを送ります。
静止画のデータ量
= 横 × 縦 × 色深度
動画の1秒当たりのデータ量
= 横 × 縦 × 色深度 × fps
動画なら最後にfpsを掛けることを忘れないようにします。
圧縮率を勝手に入れる
問題文に「圧縮しない」と書かれているなら、圧縮率は考えません。
一方、圧縮後のデータ量や圧縮率が与えられている場合は、その条件を最後に反映します。
例えば、圧縮後が元の20%なら、
非圧縮時のデータ量 × 0.20
とします。
Mbit/sとMByte/sを混同する
通信速度では、bit/sがよく使われます。
8 bit = 1 Byte
なので、
80 Mbit/s = 10 MByte/s
です。
選択肢の単位がbitかByteかを、計算前と計算後に必ず確認します。
1000倍か1024倍かで迷う
通信速度の選択肢では、一般に、
1 kbit = 1,000 bit
1 Mbit = 1,000,000 bit
として扱うことが多いです。
問題文に換算方法が指定されている場合は、その指示を優先します。
まとめ(試験直前用)
- 1フレームの画素数は 横 × 縦
- 1フレームのデータ量は 横 × 縦 × 色深度
- 動画の1秒当たりのデータ量は 横 × 縦 × 色深度 × fps
- 24ビットは24バイトではない
- 動画では最後に fpsを掛ける
- 「圧縮しない」なら圧縮率を入れない
- 通信速度では bit/sとByte/sを混同しない
- 選択肢では、計算結果以上で最も近い必要帯域を選ぶ