最終更新日:2026年9月23日
fe fe-technology multimedia data-representation
まず結論
MPEGとは、動画や音声などのマルチメディアデータを圧縮するための規格群です。
基本情報技術者試験では、JPEG・MPEG-1・MPEG-2・MPEG-4を次のように切り分けると判断しやすくなります。
静止画像
→ JPEG
CD-ROM・Video CDなど
→ MPEG-1
DVD・デジタル放送
→ MPEG-2
低ビットレート・携帯端末・通信
→ MPEG-4
特に、
携帯電話
低速回線
低ビットレート
動画
が出たら、MPEG-4を強く疑います。
直感的な説明
動画は、静止画像を何枚も連続して表示するため、そのまま保存するとデータ量が非常に大きくなります。
そこでMPEGでは、動画や音声を圧縮して、保存や通信に必要なデータ量を減らします。
イメージすると、
大きな動画データ
↓
MPEGで圧縮
↓
小さなデータ量で保存・通信
という仕組みです。
ただし、MPEGには複数の規格があり、想定している用途が異なります。
定義・仕組み
MPEGは、Moving Picture Experts Group の略です。
動画や音声の圧縮・符号化に関する複数の規格があります。
JPEG
JPEGは、静止画像を圧縮する方式です。
写真
静止画
→ JPEG
MPEGとの最も大きな違いは、JPEGが基本的に静止画像を対象にする点です。
MPEG-1
MPEG-1は、比較的低いビットレートで動画を扱うための規格です。
代表的な用途は、
CD-ROM
Video CD
などです。
試験では、
CD-ROM
1.5Mビット/秒程度
といった表現が判断材料になります。
MPEG-2
MPEG-2は、MPEG-1より高品質な動画を扱う用途に向いた規格です。
代表的な用途は、
DVD-Video
デジタル放送
です。
試験では、
DVD
放送
高画質
が出たらMPEG-2を疑います。
MPEG-4
MPEG-4は、低ビットレートを含む幅広い環境で動画や音声を扱えるようにした規格です。
特に、携帯端末やネットワーク通信のように、通信速度が十分に高くない環境でも利用できることが特徴です。
携帯端末
低速回線
低ビットレート
ネットワーク動画
→ MPEG-4
H.264 / MPEG-4 AVC
H.264 / MPEG-4 AVCは、動画データを効率よく圧縮するための符号化規格です。
同じ規格が、ITU-Tでは H.264、ISO/IECでは MPEG-4 AVC(ISO/IEC 14496-10) として標準化されています。
試験では、次の表記を別々の技術だと思わないことが大切です。
H.264
MPEG-4 AVC
AVC
MPEG-4 Part 10
→ 動画の圧縮符号化
テレビ会議、動画保存、テレビ放送、インターネットストリーミングなど、幅広い動画用途を想定しています。
MPEG-3
MPEG-3は、高品質なテレビ放送を想定した規格として検討されましたが、MPEG-2で対応できることから統合されました。
そのため、FE試験では主要な利用規格として覚える必要性は低めです。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、用途から正しい画像・動画圧縮方式を選ぶ問題として出ます。
まず静止画か動画かを見る
静止画
→ JPEG
動画
→ MPEG系
これだけで、JPEGをかなり早く切れます。
次に用途を見る
| 問題文のキーワード | 判断 |
|---|---|
| 写真・静止画像 | JPEG |
| CD-ROM・Video CD | MPEG-1 |
| DVD・デジタル放送 | MPEG-2 |
| 携帯端末・低速回線・低ビットレート | MPEG-4 |
H.264と通信・番組関連用語を切り分ける
H.264の問題では、動画に関係する別の技術が選択肢に並ぶことがあります。
| 用語 | 役割 | 判断キーワード |
|---|---|---|
| H.264 / MPEG-4 AVC | 動画の圧縮符号化 | 動画を小さく符号化 |
| RTSP | ストリーミングの制御 | 配信を制御 |
| SIP | 通信セッションの確立・変更・終了 | セッションを制御 |
| EPG | 電子番組表 | 番組情報 |
映像を「圧縮する」
→ H.264 / MPEG-4 AVC
ストリーミングを「制御する」
→ RTSP
通話などの「セッションを制御する」
→ SIP
番組の「情報を表す」
→ EPG
「どれも動画に関係しそう」で選ぶのではなく、圧縮・配信制御・セッション制御・番組情報のどの役割かを見ると切り分けやすくなります。
試験中の判断順
1. 静止画か動画か
2. 保存媒体や利用環境は何か
3. 低速回線・携帯端末か
この順番で見ると、選択肢を切りやすくなります。
どんな場面で使う?
JPEG
写真やWeb画像など、静止画像の保存や配信に使われます。
MPEG-1
CD-ROMやVideo CDのような、比較的低いビットレートの動画に使われます。
MPEG-2
DVDやデジタル放送など、比較的高画質な動画用途に使われます。
MPEG-4
携帯端末、インターネット配信、低ビットレート環境など、幅広い用途に使われます。
FEでは、細かな符号化アルゴリズムよりも、用途との対応関係を押さえる方が重要です。
よくある誤解・混同
JPEGも動画圧縮方式?
基本的には違います。
JPEG
→ 静止画像
MPEG
→ 動画・音声
という切り分けが基本です。
MPEG-4はMPEG-2より高画質という意味?
単純にそう覚えるのは危険です。
MPEG-4は、単に「より高画質な規格」なのではなく、低ビットレートを含む幅広い用途へ対応することが重要です。
MPEG-2
→ DVD・放送
MPEG-4
→ 携帯・通信・低ビットレート
MPEG-1とMPEG-4はどちらも低ビットレート?
どちらも比較的低ビットレートを扱えますが、試験では用途で切り分けます。
CD-ROM・Video CD
→ MPEG-1
携帯端末・低速回線
→ MPEG-4
H.264とMPEG-4 AVCは別の規格?
試験対策では、別物として覚えないようにします。
ITU-Tでの名称
→ H.264
ISO/IECでの名称
→ MPEG-4 AVC(MPEG-4 Part 10)
両者は共同で策定・整合された動画符号化規格です。
H.264はストリーミング配信を制御するプロトコル?
違います。
H.264は動画を圧縮・符号化する規格です。ストリーミングを制御するRTSPなどとは役割が異なります。
MPEG-3は現在も独立して広く使われている?
MPEG-3はMPEG-2へ統合されています。
そのため、MPEG-1・2・4ほど主要な選択肢として扱われません。
数字が大きいほど新しくて高性能だから選べばよい?
数字だけで判断するのは危険です。
FEでは、
何に使う規格か
を見る方が確実です。
確認問題(基本情報技術者試験対策)
携帯端末などの低速な通信回線でも利用しやすい動画符号化方式として、最も適切なものはどれか。
- ア. JPEG
- イ. MPEG-1
- ウ. MPEG-2
- エ. MPEG-4
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:エ
MPEG-4は、低ビットレートを含む幅広い環境で動画や音声を扱えるようにした規格です。
- JPEG:静止画像
- MPEG-1:CD-ROM・Video CDなど
- MPEG-2:DVD・デジタル放送など
- MPEG-4:携帯端末・低速回線・ネットワーク動画など
一次情報で確認する
ITU-Tの現行 Recommendation H.264(06/2026) は「Advanced video coding for generic audiovisual services」として公開されています。
ITU-Tは、H.264と ISO/IEC 14496-10 を対応する国際標準として示しており、テレビ会議、デジタル記録媒体、テレビ放送、インターネットストリーミング、通信などを用途として挙げています。
ISO/IEC側では ISO/IEC 14496-10 が「Advanced video coding」を規定しています。
FE対策では規格の細部を覚えるより、
H.264 / MPEG-4 AVC = 動画の圧縮符号化
という役割を押さえ、RTSP・SIPなどの通信制御プロトコルと区別できることを優先します。
まとめ(試験直前用)
- JPEGは静止画像
- MPEGは動画・音声の圧縮規格群
- MPEG-1はCD-ROM・Video CD
- MPEG-2はDVD・デジタル放送
- MPEG-4は低ビットレート・携帯端末・通信
- H.264 / MPEG-4 AVCは動画の圧縮符号化規格
- H.264とRTSP・SIPは、動画圧縮と通信制御という役割が異なる
- 「低速回線+動画」ならMPEG-4
- 数字の大小ではなく、用途で切り分ける