最終更新日:2026年9月20日
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まず結論
M&Aの企業結合は、買収・合併する企業同士が事業のどの位置にいるかを見ると切り分けやすくなります。
上流・下流の関係
→ 垂直統合
同じ市場・同じ段階で競争する関係
→ 水平統合
水平でも垂直でもない
→ 混合型
基本情報技術者試験では、会社名や業種名だけを見るのではなく、サプライチェーン上の位置関係と競争関係を見るのがポイントです。
直感的な説明
製品が顧客へ届くまでには、いくつかの段階があります。例えば鉄鋼で考えると、次の流れです。
鉄鉱石を採掘
↓
鉄鋼を製造
↓
製品を販売
製鉄会社が鉄鉱石の採掘会社を買収すると、原材料側と製造側という前後の工程を一つの企業グループへ取り込むことになります。これが垂直統合です。
一方、自動車メーカーが別の自動車メーカーを買収するなら、同じ段階・同じ市場で競争する企業同士なので、水平統合です。
事業上の前後関係も直接の競争関係もない企業同士の企業結合は、混合型として整理します。
定義・仕組み
公正取引委員会は企業結合を、水平型・垂直型・混合型に分けて整理しています。公正取引委員会:企業結合審査ガイドブックでは、次のように整理できます。
| 種類 | 関係 | イメージ |
|---|---|---|
| 水平型企業結合 | 同一の取引分野で競争関係にある会社同士 | 同業他社 |
| 垂直型企業結合 | 川上市場と川下市場の会社同士 | 仕入先とメーカー、メーカーと販売会社 |
| 混合型企業結合 | 水平型でも垂直型でもない | 異業種など |
垂直統合
垂直統合は、サプライチェーンの上流・下流にいる企業を取り込む統合です。
原材料 → 部品 → 製造 → 卸売 → 小売 → 顧客
この縦方向のつながりの一部を同じ企業グループへ取り込みます。例えば、製鉄メーカーが鉄鉱石採掘会社を買収する場合は、原材料と製造の前後関係なので垂直統合です。
上流側を取り込む場合も、下流側を取り込む場合も、垂直統合として考えます。
水平統合
水平統合は、同じ市場・同じ事業段階で競争する企業同士の統合です。例えば、自動車メーカーが別の自動車メーカーを買収する場合です。
混合型
混合型は、水平型にも垂直型にも当てはまらない企業結合です。例えば、電機メーカーと不動産会社のように、直接の競争関係や仕入れ・販売の前後関係がない場合です。
M&Aとの関係
M&AはMerger and Acquisitionの略で、合併や買収を表す広い言葉です。FE試験では、M&Aという言葉だけで判断せず、買収相手との関係から企業結合の型を判断することが重要です。
このテーマはストラテジ系の経営戦略と関係します。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、企業Aが企業Bを買収・合併する事例を読み、垂直統合・水平統合・混合型のどれかを選ぶ問題として出題されます。
1. まず「同業か」を確認する
同じ市場で競争している
→ 水平統合を疑う
例えば、自動車メーカー同士や銀行同士などです。
2. 次に「上流・下流か」を確認する
原材料 → 製造
製造 → 販売
部品 → 完成品
のように前後の工程なら、垂直統合を疑います。
3. どちらでもなければ混合型
競争関係ではない
かつ
上流・下流でもない
→ 混合型
| 企業結合の例 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 製鉄メーカーが鉄鉱石採掘会社を買収 | 垂直統合 | 原材料と製造の前後関係 |
| 自動車メーカーが別の自動車メーカーを買収 | 水平統合 | 同じ市場で競争 |
| 銀行が別の銀行を買収 | 水平統合 | 同業・同じ取引段階 |
| 電機メーカーが不動産会社を買収 | 混合型 | 水平・垂直のどちらでもない |
試験中は、次の順番で見ると選択肢を切りやすくなります。
同業?
↓ YES
水平
↓ NO
上流・下流?
↓ YES
垂直
↓ NO
混合
どんな場面で使う?
企業が成長戦略としてM&Aを検討するとき、買収対象との関係によって目的が変わります。
- 垂直統合:原材料や部品の安定確保、調達から販売までの連携強化
- 水平統合:市場シェア拡大、事業規模拡大、重複機能の統合
- 混合型:新規事業への進出、事業の多角化
実務上の目的は一つとは限りませんが、FE試験ではまず企業同士の関係から分類します。
よくある誤解・混同
別会社を買収したらすべて水平統合
違います。水平統合になるのは、同じ市場・同じ事業段階で競争する企業同士です。仕入先や販売会社を取り込むなら垂直統合を考えます。
異業種なら必ず混合型
異業種に見えても、取引関係が上流・下流なら垂直統合になることがあります。完成品メーカーと部品メーカーのように、業種名よりサプライチェーン上の関係を確認します。
上流を買収するときだけ垂直統合
垂直統合は上流方向だけではありません。メーカーが部品会社を買収しても、販売会社を買収しても、前後の工程を取り込むなら垂直統合です。
M&A=多角化
M&Aは企業を買収・合併する手段です。同業を買収すれば水平統合、上流・下流を買収すれば垂直統合、水平・垂直のどちらでもなければ混合型として整理します。
アンゾフの成長マトリクスでの多角化との違いは、アンゾフの成長マトリクスとは?市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化の違いで整理しています。
まとめ(試験直前用)
- 同業・同じ市場で競争する企業同士なら、水平統合
- 上流・下流の前後関係なら、垂直統合
- 水平でも垂直でもなければ、混合型
- 業種名だけでなく、サプライチェーン上の位置関係を見る
- 試験では 同業? → 上流・下流? → どちらでもない? の順に切る