最終更新日:2026年8月11日
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まず結論
PPM(Product Portfolio Management:プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは、複数の製品や事業を、市場成長率と相対的市場シェアの2軸で4つに分類し、経営資源をどこへ配分するか考える手法です。
基本情報技術者試験では、次の流れで判断すると切り分けやすくなります。
市場成長率 × 相対的市場シェア
↓
4つに分類
↓
どの事業へ人・お金などの経営資源を配分するか考える
→ PPM
迷ったら、「事業の位置づけを見て、資源配分の優先順位を考えているか」を確認します。
直感的な説明
会社が四つの事業を持っているとします。
すべての事業に同じだけ人やお金を投入するとは限りません。
よく売れていて、これからも市場が伸びそう
→ さらに投資したい
市場は伸びているが、自社のシェアはまだ低い
→ 投資して伸ばすか、見直すか判断したい
市場の伸びは小さいが、自社は強い
→ 利益を生みやすい
このように、それぞれの事業が今どこにいるのかを並べて、経営資源の配分を考えるのがPPMです。
初心者向けには、PPMを
自社の事業を地図の上に並べて、「どこへ重点的に人やお金を使うか」を考える方法
と捉えると分かりやすくなります。
定義・仕組み
PPMでは、一般に次の二つの軸を使います。
縦軸:市場成長率
→ その市場がどれくらい伸びているか
横軸:相対的市場シェア
→ 競合と比べて自社がどれくらい強いか
この二つを組み合わせて、事業を四つに分類します。
| 分類 | 市場成長率 | 相対的市場シェア | 基本イメージ |
|---|---|---|---|
| 花形 | 高 | 高 | 成長市場で強い。投資も必要 |
| 問題児 | 高 | 低 | 市場は伸びるが自社は弱い。投資判断が必要 |
| 金のなる木 | 低 | 高 | 市場の伸びは小さいが自社は強く、収益を生みやすい |
| 負け犬 | 低 | 低 | 市場の伸びも自社の強さも小さい |
花形
市場成長率も相対的市場シェアも高い事業です。
市場が伸びている
+
自社も強い
→ 花形
成長市場なので、競争に対応するための投資も必要になりやすいと考えます。
問題児
市場成長率は高い一方、相対的市場シェアは低い事業です。
市場は伸びている
+
自社はまだ弱い
→ 問題児
投資によってシェアを高めるか、別の判断をするかを検討する対象になります。
金のなる木
市場成長率は低い一方、相対的市場シェアは高い事業です。
市場の成長は落ち着いている
+
自社は強い
→ 金のなる木
大きな成長投資を必要としにくく、安定した収益を生みやすい事業として整理されます。
負け犬
市場成長率も相対的市場シェアも低い事業です。
市場の伸びが小さい
+
自社も弱い
→ 負け犬
PPMでは、このような分類を使って、限られた経営資源をどの事業へ配分するかを考えます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、PPMの目的や、マトリクスの軸、4分類の特徴を問われます。
目的を問われたら
次のような言葉があればPPMを疑います。
- 複数の事業を評価する
- 市場での自社の位置づけを見る
- 経営資源の配分を考える
- 投資の優先順位を決める
事業を評価
↓
資源配分の優先順位を考える
→ PPM
単に市場の季節変動を調べたり、広告の効果を測ったりする手法ではありません。
軸を問われたら
市場成長率
+
相対的市場シェア
→ PPM
この2軸を見つければかなり絞れます。
4分類を問われたら
高成長 × 高シェア
→ 花形
高成長 × 低シェア
→ 問題児
低成長 × 高シェア
→ 金のなる木
低成長 × 低シェア
→ 負け犬
まず市場成長率が高いか低いか、その次に市場シェアが高いか低いかを見ると整理しやすくなります。
どんな場面で使う?
PPMは、複数の製品や事業を持つ企業が、限られた経営資源をどこへ配分するか考えるときに使われます。
例えば、次のような判断です。
成長中の事業へ追加投資する?
安定収益を生む事業を維持する?
シェアが低い事業を育てる?
優先度の低い事業を見直す?
PPMは、個々の製品の機能を評価する手法ではなく、複数の事業を並べて全体として資源配分を考えるためのものです。
よくある誤解・混同
PPMとSWOT分析
どちらも経営戦略で使われますが、見るものが違います。
内部要因・外部要因を整理
→ SWOT分析
市場成長率・市場シェアで事業を分類
→ PPM
SWOT分析では、強み・弱み・機会・脅威を整理します。詳しくはSWOT分析とは?強み・弱み・機会・脅威の見分け方で整理しています。
PPMとアンゾフの成長マトリクス
どちらも4象限の図なので混同しやすいですが、軸が異なります。
市場成長率 × 相対的市場シェア
→ PPM
既存・新規の製品 × 既存・新規の市場
→ アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクスは、企業がどの方向へ成長するかを考えるフレームワークです。詳しくはアンゾフの成長マトリクスとは?で確認できます。
PPMは「市場の変化を予測する手法」ではない
PPMで市場成長率を見るため、市場予測の手法に見えることがあります。
しかし、主な目的は、各事業の位置づけを整理し、経営資源の配分を検討することです。
市場の季節変動を予測
→ PPMの中心ではない
事業の位置づけから資源配分を考える
→ PPM
市場シェアが高ければ必ず「花形」ではない
市場シェアだけでは分類できません。
高シェア + 高成長
→ 花形
高シェア + 低成長
→ 金のなる木
二つの軸を両方見ることが大切です。
まとめ(試験直前用)
- PPMは、市場成長率 × 相対的市場シェアで事業を4分類する
- 目的は、事業の位置づけを見て経営資源の配分を考えること
- 高成長・高シェアは花形、高成長・低シェアは問題児
- 低成長・高シェアは金のなる木、低成長・低シェアは負け犬
- SWOTは内部・外部要因、アンゾフは製品・市場の新旧で切り分ける