最終更新日:2026年8月30日
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まず結論
MRP(Materials Requirements Planning:資材所要量計画)とは、これから生産する製品の数量から必要な部品・資材の量を求め、在庫を差し引き、リードタイムを考慮して発注量や発注時期を決める考え方です。
基本情報技術者試験では、次の流れで判断すると分かりやすくなります。
生産計画
↓
BOM(部品構成表)を展開
↓
必要な部品量を計算
↓
在庫を差し引く
↓
正味所要量を求める
↓
リードタイムから発注時期を決める
特に 「BOM」「正味所要量」「リードタイム」 がまとまって出てきたら、MRPを疑います。
直感的な説明
MRPは、ひとことで言うと 「完成品を何個作るか決めたら、必要な部品を逆算する仕組み」 です。
例えば、製品Aを1個作るために、部品Bが2個、部品Cが3個必要だとします。
製品Aを100個作る予定なら、まず必要量は次のように求められます。
部品B:2個 × 100台 = 200個
部品C:3個 × 100台 = 300個
ただし、倉庫に在庫があるなら、その分を新しく発注する必要はありません。
必要量 200個
- 在庫 50個
= 新たに必要な量 150個
さらに、部品の調達に5日かかるなら、必要になる日の5日前までに発注する必要があります。
このようにMRPでは、「何を・何個・いつ必要か」 を順番に決めていきます。
定義・仕組み
MRPでは、主に次の情報を使います。
| 情報 | 役割 |
|---|---|
| 生産計画 | いつ、どの製品を、何個作るか |
| BOM(部品構成表) | 製品1個に何の部品が何個必要か |
| 在庫情報 | 現在使える部品が何個あるか |
| リードタイム | 発注・製造してから使えるまでの時間 |
1. 総所要量を求める
生産予定数量とBOMから、まず必要な部品の総数を計算します。
総所要量
= 製品の生産予定数量 × 製品1個当たりの必要部品数
2. 正味所要量を求める
総所要量から、利用可能な在庫などを差し引きます。
正味所要量
= 総所要量 - 利用可能在庫
FEでは、「在庫を差し引いた後に、本当に追加で必要な数量」 が正味所要量だと押さえておけば十分です。
3. 発注時期を決める
必要日から調達・製造のリードタイムを逆算して、発注時期を決めます。
必要日
← リードタイム分だけ逆算
← 発注日
つまりMRPは、単に必要数量を求めるだけではなく、必要な時期に間に合うように発注計画までつなげる点が重要です。
公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、MRPの定義だけでなく、どのような課題をMRPの導入で改善できるかを選ばせる形に注意します。
判断するときは、その課題が 資材・部品の必要量や発注時期の計画 に関係しているかを確認します。
| 課題・目的 | MRPとの関係 |
|---|---|
| 必要な資材や部品の量を正しく計算したい | MRPで改善しやすい |
| 在庫を考慮して追加発注量を決めたい | MRPで改善しやすい |
| 納期に間に合うよう発注時期を決めたい | MRPで改善しやすい |
| 図面や設計変更履歴を一元管理したい | MRPの中心ではない |
| 製品ライフサイクル全体を管理したい | PLMなどを考える |
| 多品種少量生産に適した設備を選びたい | 生産方式・設備計画の問題 |
特に、問題文に次のような表現があればMRPを疑います。
必要資材が多く、必要量の計算が複雑
↓
発注量を誤りやすい
↓
MRPで必要量を計算・管理する
一方、「図面管理」「設計変更」「設備そのものの選定」 は、MRPの中心的な役割ではありません。
試験では、「製造業で使うシステムだからMRP」と広く判断せず、何を計算・管理したいのかで選択肢を切るのがポイントです。
生産方式の選択肢を4つに切り分ける
MRPは、BTO・かんばん方式・コンカレントエンジニアリングと並べて出ることがあります。
| 表現 | 判断する用語 |
|---|---|
| 顧客の注文を受けてから製品を生産する | BTO・受注生産 |
| 作業指示票などで作業や運搬を指示する | かんばん方式 |
| 開発・設計・生産準備などを並行して進める | コンカレントエンジニアリング |
| 基準生産計画を基に部品の所要量を計算する | MRP |
試験中は、次の4語で切ると判断しやすいです。
注文後に作る
→ BTO
かんばん・作業指示
→ かんばん方式
工程を並行化
→ コンカレントエンジニアリング
生産計画から部品量を計算
→ MRP
MRPの決め手は、完成品の生産計画から必要な部品量を逆算することです。
どんな場面で使う?
MRPは、複数の部品から製品を組み立てる製造業などで、資材や部品の調達を計画するときに使われます。
例えば、次のような場面です。
- 将来の生産計画から必要部品量を求める
- BOMを使って下位部品まで必要量を展開する
- 在庫を考慮して追加発注量を決める
- 部品ごとのリードタイムから発注時期を決める
- 部品不足や過剰在庫を防ぐ
FEでは、問題文に 「生産予定」「部品構成表」「在庫」「正味所要量」「リードタイム」「発注時期」 などが出てきたら、MRPを疑います。
よくある誤解・混同
MRPは、JITやCRPなどの生産・在庫管理に関する用語と混同されやすいです。
| 用語 | 主な考え方 | 判断キーワード |
|---|---|---|
| MRP | 生産計画から必要資材量と発注時期を計算 | BOM、所要量、在庫、リードタイム |
| JIT | 必要なものを必要な時に必要な量だけ用意 | 在庫削減、必要な時、必要な量 |
| CRP | 需要に応じて継続的に商品を補充 | 継続補充、在庫補充 |
| CAD | コンピュータを使って設計を支援 | 設計、図面 |
MRPとJIT
MRP
→ 何が、何個、いつ必要かを計算する
JIT
→ 必要なものを、必要な時に、必要な量だけ用意する
どちらも在庫削減につながることがありますが、MRPでは BOMを展開して必要量を計算する ことが重要です。
総所要量と正味所要量
総所要量
→ 生産に必要な部品の総数
正味所要量
→ 在庫などを差し引いた後に追加で必要な数
「在庫を差し引く」という表現が出てきたら、正味所要量を意識します。
リードタイムを足すのではなく逆算する
部品が必要になる日から、調達に必要な時間だけ前へ戻して発注日を決めます。
必要日 - リードタイム = 発注時期
ここは試験で方向を取り違えやすいポイントです。
まとめ(試験直前用)
- MRPは、生産計画から必要な部品・資材の量を求める資材所要量計画
- BOMを展開して総所要量を求め、在庫を差し引いて正味所要量を計算する
- 発注時期は、必要日からリードタイムを逆算して決める
- 「必要資材・必要量・発注量・発注時期」の課題ならMRPを疑う
- 注文後に作るならBTO、作業票ならかんばん、工程並行ならコンカレントエンジニアリング
- 図面管理・設計変更・設備選定はMRPの中心ではない
- JITは「必要なものを必要な時に必要な量だけ」、MRPは 「何が・何個・いつ必要かを計算」 と切り分ける