最終更新日:2026年8月11日
fe fe-strategy legal-affairs intellectual-property
まず結論
基本情報技術者試験では、知的財産に関する法律を「何を保護するのか」で切り分けると判断しやすくなります。
| 法律 | 主な保護対象 | 試験で見る言葉 |
|---|---|---|
| 特許法 | 発明 | 自然法則、技術的思想、高度 |
| 実用新案法 | 物品の形状・構造・組合せに関する考案 | 物品、形状、構造、組合せ |
| 意匠法 | デザイン | 形状、模様、色彩、美感 |
| 著作権法 | 創作的な表現 | 思想・感情、創作的、表現 |
試験中は、まず次の4行を思い出します。
発明
→ 特許
物品の形・構造の工夫
→ 実用新案
見た目のデザイン
→ 意匠
文章・画像・音楽・プログラムなどの表現
→ 著作権
直感的な説明
同じ製品でも、守りたい部分によって制度が変わると考えると分かりやすくなります。
例えば、新しい機械を開発したとします。
新しい動作原理や技術
→ 特許
部品の形や組合せを工夫
→ 実用新案
外観をデザイン
→ 意匠
取扱説明書やソフトウェアを作成
→ 著作権
「技術に関係するから全部特許」ではありません。
何を創作したのかを確認することがポイントです。
定義・仕組み
特許法
特許法でいう発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものとされています。
FE試験では、次の言葉が並んでいたら特許を疑います。
自然法則
+
技術的思想
+
高度
→ 特許
特許庁も、特許法の保護対象をこの「発明」として説明しています。
実用新案法
実用新案法では、物品の形状、構造又は組合せに係る考案を保護します。
例えば、物そのものの仕組みや組合せを工夫した場合です。
物品
+
形状・構造・組合せ
→ 実用新案
特許との違いとして、実用新案は「高度」であることを要件とせず、保護対象も物品の形状・構造・組合せに限られます。
意匠法
意匠法は、物品などの形状・模様・色彩など、視覚を通じて美感を起こさせるデザインを保護する制度です。
見た目
+
形状・模様・色彩
+
美感
→ 意匠
現在の意匠制度では、物品だけでなく、一定の画像、建築物、内装のデザインも保護対象に含まれます。
著作権法
著作権法では、思想又は感情を創作的に表現したものを著作物として保護します。
思想・感情
+
創作的
+
表現
→ 著作権
文章、音楽、絵画、写真、映画、コンピュータプログラムなどが代表例です。
重要なのは、アイデアそのものではなく、その創作的な表現を保護するという点です。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、法律名ではなく保護対象の定義文から制度を選ばせる形がよく出ます。
判断するときは、問題文の中心語を拾います。
特許を選ぶ目印
- 自然法則を利用
- 技術的思想
- 高度な創作
- 発明
技術そのものの発明
→ 特許
実用新案を選ぶ目印
- 物品
- 形状
- 構造
- 組合せ
- 考案
物の形・構造を工夫
→ 実用新案
意匠を選ぶ目印
- 形状
- 模様
- 色彩
- 美感
- デザイン
見た目を守る
→ 意匠
著作権を選ぶ目印
- 思想又は感情
- 創作的
- 表現
- 文芸・学術・美術・音楽
- プログラム
創作的な表現
→ 著作権
4つを一度に切る
自然法則を使った高度な技術的思想
→ 特許
物品の形状・構造・組合せ
→ 実用新案
視覚を通じて美感を起こすデザイン
→ 意匠
思想・感情を創作的に表現
→ 著作権
どんな場面で使う?
知的財産の制度は、開発した技術や製品、デザイン、コンテンツをどのように守るか考えるときに使われます。
例えば、ソフトウェア開発では一つの製品に複数の権利が関係することがあります。
新しい技術的な仕組み
→ 特許の可能性
画面や製品のデザイン
→ 意匠の可能性
ソースコードや説明書という表現
→ 著作権
FE試験では個別の出願実務まで深掘りするより、何を保護する制度かを正しく切り分けることを優先します。
著作物を利用するときの許諾・引用・私的使用については、著作権法で認められる利用とは?で整理しています。
従業員が業務で作成したプログラムの著作権については、職務著作とは?で整理しています。
よくある誤解・混同
特許と実用新案
どちらも技術に関係するため混同しやすいですが、試験では次のように切ります。
高度な技術的思想の創作
→ 特許
物品の形状・構造・組合せの考案
→ 実用新案
「技術的な工夫」というだけで特許と決めないようにします。
実用新案と意匠
どちらも「形」という言葉が出ることがあります。
形や構造による機能的な工夫
→ 実用新案
形・模様・色彩など見た目のデザイン
→ 意匠
機能を見るのか、美感を見るのかが判断軸です。
特許と著作権
技術的なアイデア・発明
→ 特許
そのアイデアを文章・図・プログラムなどで表した表現
→ 著作権
著作権は、アイデアそのものを保護する制度ではありません。
「形状」が出たら必ず実用新案ではない
意匠法にも「形状」という言葉が出ます。
そこで、形状だけで判断せず、続く言葉を確認します。
形状+構造・組合せ
→ 実用新案
形状+模様・色彩・美感
→ 意匠
まとめ(試験直前用)
- 自然法則を利用した高度な技術的思想の創作 → 特許
- 物品の形状・構造・組合せの考案 → 実用新案
- 形状・模様・色彩などのデザイン → 意匠
- 思想・感情を創作的に表現したもの → 著作権
- 迷ったら「技術・構造・見た目・表現」のどれを守るのかで切る