最終更新日:2026年8月2日
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まず結論
著作物を利用するときは、原則として著作権者の許諾が必要です。
ただし、引用や私的使用など、著作権法で認められた例外に当てはまり、その条件を満たす場合は、許諾なしで利用できることがあります。
基本情報技術者試験では、次の順番で判断すると迷いにくくなります。
他人の著作物か
↓
複製・掲載・配布などの利用をしているか
↓
許諾があるか
↓
引用・私的使用などの例外に当たるか
↓
その例外の条件を満たしているか
原則は許諾が必要。例外を使うなら、条件まで確認する。
直感的な説明
著作権は、作品を作った人が、その作品をどのように利用させるか決めるための権利です。
例えば、写真を撮影した人は、その写真をパンフレットやWebサイトへ掲載するかどうかを決められます。
ここで注意したいのは、次のような思い込みです。
インターネット上にある
→ 自由に複製できるとは限らない
紙の写真をスキャンしただけ
→ 複製ではない、とはいえない
誰にも見られていないWebページ
→ 掲載してよい、とはいえない
自宅で自分や家族だけが使う
→ 私的使用になり得る
FE試験では、媒体が紙かデジタルかではなく、何をしたか、誰のために使うか、公開したかを確認します。
定義・仕組み
著作物とは
著作物とは、思想や感情を創作的に表現したものです。
代表例には、次のようなものがあります。
- 文章
- 写真
- 音楽
- イラスト
- 映像
- プログラム
- データベース
原則は許諾が必要
他人の著作物を複製したり、Webサイトへ掲載したり、資料として配布したりする場合は、原則として著作権者の許諾が必要です。
コピーする
スキャンする
録音・録画する
Webへ掲載する
資料として配布する
別のパンフレットへ再利用する
→ 原則として許諾を確認する
デジタル化も複製になり得る
紙の写真や絵をスキャナで読み取り、画像データへ変換する行為も、著作物を別の媒体に写し取る行為です。
紙の写真
↓ スキャン
画像データ
→ 形式が変わっても、複製になり得る
「アナログからデジタルへ変換したので別物になった」とは考えません。
Web掲載は閲覧されたかどうかで決まらない
他人の著作物をホームページへ掲載すると、公衆がアクセスできる状態になります。
実際に誰かが見たか
ではなく
誰でもアクセスできる状態にしたか
が重要です。
そのため、誰にも参照されていなかったとしても、無断掲載が問題にならないとはいえません。
引用
引用は、他人の著作物の一部を、自分の説明や批評などのために利用する方法です。
ただし、出所を明示するだけでは十分ではありません。
一般に、次のような点を確認します。
- 引用する必要性がある
- 自分の文章が主で、引用部分が従になっている
- 引用部分が明確に区別されている
- 必要な範囲にとどまっている
- 出所を明示している
出所明示は必要な条件の一つですが、それだけで引用が成立するわけではありません。
私的使用
私的使用とは、個人的または家庭内など、これに準ずる限られた範囲で利用するために複製することです。
例えば、自分や家族の範囲で楽しむためのコピーが該当することがあります。
本人・家庭内など
→ 私的使用になり得る
会社・研究会・学校・Web公開
→ 私的使用とは考えにくい
人数が少ないことだけでは判断できません。利用する関係や目的を見る必要があります。
政府刊行物などの利用
白書などの政府刊行物については、著作権法上、一定の条件で説明材料として転載できる場合があります。
ただし、転載を禁止する表示がある場合や、図表・写真などに第三者の権利が含まれる場合は、別途確認が必要です。
制度や最新の説明を確認したい場合は、文化庁の著作権に関する案内を参照します。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、具体的な利用場面を読み、適切か不適切かを判断する問題として出題されます。
判断するときは、次の表が役立ちます。
| 表現 | 判断のポイント |
|---|---|
| インターネット上の情報をコピーする | デジタル情報でも複製に関する権利は適用される |
| 紙の写真や絵をスキャンする | デジタル化も複製になり得る |
| 家庭内で個人的に利用する | 私的使用になり得る |
| 会社や研究会へ配布する | 少人数でも私的使用とは限らない |
| ホームページへ無断掲載する | 実際の閲覧がなくても問題になり得る |
| 出所を明示して利用する | 引用のほかの条件も確認する |
試験では、次の流れで切り分けます。
家庭内などの限られた範囲
→ 私的使用になり得る
紙からデジタルへ変換
→ 複製になり得る
Webへ掲載
→ 誰かが見たかではなく、公開状態にしたかを見る
どんな場面で使う?
ブログやWebサイトへ画像を掲載する
インターネット上で見つけた画像でも、自由に利用できるとは限りません。
- 自分で撮影した画像を使う
- 利用条件を確認する
- フリー素材でもライセンスを確認する
- 引用する場合は引用要件を満たす
という確認が必要です。
また、誰にも見られていない、アクセス数がゼロだったという事情だけでは、無断掲載が許される理由にはなりません。
紙資料や写真をデジタル化する
書籍、写真集、雑誌、絵画などをスキャンしてデータ化する場合も、複製として考えます。
紙をコピーする
紙をスキャンする
写真を撮ってデータ化する
→ いずれも複製になり得る
ただし、自分や家族だけで利用するなど、私的使用に該当する場合は、許諾なしで認められることがあります。
社内資料や提案書を作る
社内だけで使う資料でも、他社の新聞写真や雑誌記事を自由に複製できるとは限りません。
社外公開しない
≠
著作権を気にしなくてよい
委託して撮影・制作してもらう
撮影料や制作費を支払っただけで、著作権が自動的に発注者へ移るとは限りません。
契約で、次の点を確認します。
- どの媒体で使えるか
- 別製品へ再利用できるか
- Web掲載できるか
- 改変できるか
- 著作権が移転するか
よくある誤解・混同
❌ インターネット上の情報には複製権が適用されない
誤りです。
インターネット上の文章、写真、画像なども著作物になり得ます。
デジタル情報だから自由にコピーできるわけではありません。
❌ アナログからデジタルへ変換すれば複製ではない
誤りです。
スキャンやデジタル化も、著作物を別の形で再製する行為なので、複製になり得ます。
❌ 誰にも見られていなければWeb掲載してよい
誤りです。
重要なのは、実際に見られたかではなく、公衆が受信できる状態に置いたかです。
❌ 出所を書けば自由に転載できる
出所明示だけでは不十分です。
引用であれば、必要性、主従関係、明確な区別、必要最小限などの条件も確認します。
❌ 少人数なら私的使用になる
人数が少ないことだけでは判断できません。
家庭内などの個人的利用
→ 私的使用になり得る
会社・研究会・団体での配布
→ 私的使用とは限らない
❌ 非営利なら自由に利用できる
営利目的でないことだけで、著作権者の許諾が不要になるわけではありません。
著作権法上の例外に当たるか、その条件を満たすかを確認します。
まとめ(試験直前用)
- 他人の著作物を利用する場合、原則として許諾が必要
- インターネット上の情報にも著作権は関係する
- 紙の写真や絵をスキャンする行為も複製になり得る
- 私的使用は、自分や家庭内などの限られた範囲
- Web掲載は、実際に閲覧されたかではなく、公開状態にしたかを見る
- 出所明示だけで自由に転載できるわけではない
- 「媒体」ではなく「何をしたか・誰のためか・公開したか」で判断する
家庭内なら私的使用になり得る。デジタル化も複製、Web公開は閲覧実績では判断しない。