最終更新日:2026年9月20日
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まず結論
電子署名法は、電子署名の法的な扱いと、電子署名に関係する認証業務の制度を定めた法律です。
基本情報技術者試験では、次の3点を押さえると選択肢を切りやすくなります。
本人による一定の電子署名
→ 電磁的記録が真正に成立したものと推定
認証業務
→ 電子署名の確認に使う情報が本人のものだと証明する業務
一定の要件を満たす認証業務
→ 特定認証業務
→ 国の認定を受けることができる
特に重要なのは、電子署名法は「公開鍵暗号の使い方」を定める法律ではないという点です。
技術としてのデジタル署名と、法律としての電子署名法を分けて考えます。
このFE記事では、科目Aで法律の選択肢を切るための「条文上の判断基準」を中心にします。
SG側では、電子文書を業務で安全に扱う観点や、認証業務・証明書・鍵管理との関係を重視して整理しています。
直感的な説明
紙の契約書では、「この人が作成した文書なのか」を判断する材料として署名や押印が使われます。
電子文書では、紙のように直接押印することはできません。
そこで電子署名法は、一定の条件を満たす電子署名が付された電子文書について、
本人の意思に基づいて作成されたものと推定する
ための法的な仕組みを設けています。
イメージは次のとおりです。
紙の文書
→ 署名・押印
→ 誰が作成したかを判断する材料
電子文書
→ 一定の電子署名
→ 真正に成立したものと推定
ここで大切なのは、
電子署名があれば
どんな文書でも必ず有効
という意味ではないことです。
電子署名法第3条は、電磁的記録の「真正な成立」を推定する規定です。
定義・仕組み
電子署名法の正式名称は、電子署名及び認証業務に関する法律です。
電子署名とは
電子署名法では、電磁的記録に記録された情報について行われる措置のうち、次の2点を満たすものを電子署名として定義しています。
① その情報の作成者を示すためのもの
② 情報が改変されていないか確認できるもの
つまり、試験対策では、
誰が作ったか
+
改ざんされていないか
→ 電子署名
と整理できます。
デジタル庁の電子署名法の解説でも、電子署名を、作成者を示す目的で行う暗号化等の措置で、改変があれば検証可能な方法によるものと説明しています。
真正な成立の推定
電子署名法第3条では、本人による一定の電子署名が行われている電磁的記録について、真正に成立したものと推定すると定めています。
ここでいう「真正に成立した」とは、簡単にいえば、
その文書が本人の意思に基づいて作成されたもの
という意味です。
本人だけが行える一定の電子署名
↓
電子文書
↓
本人の意思に基づいて作成されたものと推定
紙の私文書では、民事訴訟法に署名・押印に関する推定規定があります。
電子署名法は、電子文書について同様に「誰が作成したか」を法的に扱うための仕組みを設けています。
ただし、電子署名と押印があらゆる場面で完全に同じ法的効果を持つ、と単純化しないことが大切です。
FEでは、
一定の電子署名
→ 真正成立の推定
と押さえるのが安全です。
認証業務とは
認証業務とは、電子署名を確認するために使う情報が、その利用者本人に係るものであることを証明する業務です。
例えば、電子証明書を発行して、
この公開鍵
↓
この利用者のもの
と結び付ける役割が関係します。
重要なのは、認証業務を行えるのは政府だけではないという点です。
民間の事業者も認証業務を行うことができます。
特定認証業務とは
認証業務のうち、法律で定める一定の要件を満たすものを特定認証業務といいます。
さらに、特定認証業務を行う者は、一定の基準を満たせば、主務大臣の認定を受けることができます。
認証業務
↓
一定の要件を満たす
↓
特定認証業務
↓
基準を満たせば国の認定を受けることができる
ここは試験で混同しやすいポイントです。
認証業務
→ 国だけが行う
×
ではありません。
1次情報
電子署名法は法律そのものと所管官庁の解説が公開されているため、一次情報を確認しやすいテーマです。
学習するときは、条文そのものを確認するならe-Gov、制度の背景や概要をつかむならデジタル庁という使い分けが分かりやすいです。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、電子署名法について正しい説明を選ぶ問題として出題されます。
試験中は、次の4点を順番に確認します。
1. 対象は電磁的記録か
2. 真正成立の推定の話か
3. 認証業務を国だけの業務としていないか
4. 特定の暗号方式だけに限定していないか
「真正に成立したものと推定」が出たら
電子署名法第3条を考えます。
本人による一定の電子署名
+
本人だけが行えるよう必要な情報を適正に管理
↓
真正に成立したものと推定
「電子署名があれば必ず契約が成立する」と読み替えないようにします。
「認証業務は政府だけ」は疑う
認証業務は民間事業者も行えます。
そのうち一定の要件を満たすものが特定認証業務で、さらに基準を満たす場合は国の認定を受けることができます。
民間の認証業務
→ 可能
特定認証業務の認定
→ 国の制度
この違いを見ます。
「共通鍵暗号に限る」は疑う
電子署名法は、電子署名を特定の暗号方式だけに限定して定義しているわけではありません。
法律上の定義では、
- 作成者を示せること
- 改変を確認できること
という機能に注目します。
共通鍵か公開鍵か
→ 法律の定義の中心ではない
作成者を示せるか
改変を確認できるか
→ 中心
どんな場面で使う?
FEでは、実務の運用手順よりも、どの法律上の論点を問われているかを見分けるための知識として使います。
電子署名法は、電子文書を使った取引や申請で、作成者や改ざんの有無を確認する必要がある場面と関係します。
例えば、次のような場面です。
- 電子契約
- 電子申請
- 電子証明書を使った本人確認
- オンライン取引
- 電子的に作成・保存される文書
ただし、電子署名法は電子契約サービスの操作方法を定める法律ではありません。
中心は、
電子署名の定義
真正成立の推定
認証業務
特定認証業務の認定
です。
技術としての署名方法を確認したい場合は、公開鍵暗号方式とデジタル署名の違いも合わせて確認すると整理しやすくなります。
よくある誤解・混同
電子署名とデジタル署名は完全に同じ?
試験では分けて考えた方が安全です。
電子署名法
→ 法律上の電子署名の定義・効力・認証業務
デジタル署名
→ 暗号技術を使った署名の実現方式
公開鍵暗号方式によるデジタル署名は電子署名を実現する代表的な技術ですが、電子署名法の定義を単純に「公開鍵暗号方式」と読み替えないようにします。
電子署名があれば必ず契約が有効?
言い切れません。
電子署名法第3条が定めている中心は、電磁的記録の真正な成立の推定です。
契約そのものの成立や有効性については、契約内容や他の法令なども関係します。
電子署名は押印と完全に同じ?
試験問題では「押印と同様の効力」と表現されることがありますが、厳密には、電子署名法第3条は電子文書の真正成立について推定規定を設けています。
紙の私文書
→ 署名・押印に関する推定規定
電子文書
→ 一定の電子署名による真正成立の推定
FEでは、この対応関係を押さえると選択肢を判断しやすくなります。
認証業務は国の認証局だけが行う?
違います。
民間事業者も認証業務を行えます。
国が関係するのは、一定の要件を満たす特定認証業務の認定制度です。
電子署名は公開鍵暗号方式だけ?
法律上の定義は、特定のアルゴリズム名ではなく、作成者を示せることと改変を確認できることを基準にしています。
技術方式と法律上の定義を混同しないことがポイントです。
まとめ(試験直前用)
- 電子署名法は、電子署名の法的扱いと認証業務を定める法律
- 電子署名は、作成者を示すことと改変を確認できることが重要
- 本人による一定の電子署名があれば、電磁的記録は真正に成立したものと推定
- 認証業務は民間事業者も行える
- 一定の要件を満たす認証業務が特定認証業務
- 特定認証業務は、基準を満たせば国の認定を受けることができる
- 電子署名法は共通鍵暗号など特定の暗号方式だけに限定する法律ではない
- 技術のデジタル署名と、法律の電子署名法を分けて考える
誰が作った?
改ざんされていない?
→ 電子署名
本人による一定の電子署名
→ 真正成立の推定
本人との対応を証明
→ 認証業務