Skip to the content.

最終更新日:2026年9月5日

まず結論

定額法の減価償却では、毎年同じ金額を減価償却費として計上すると考えます。

科目Aでは、まず問題文で何を求めているかを確認します。

当期の減価償却費
→ その年に費用にする金額

減価償却累計額
→ これまでに費用にした合計

帳簿価額
→ 現在、帳簿上で残っている金額

定額法の基本式は次のとおりです。

1年分の減価償却費
= (取得価額 - 残存価額) ÷ 耐用年数

「前期までの減価償却累計額」が書かれていても、当期の減価償却費を求めるだけなら使わないことがあります。

直感的な説明

100万円の設備を5年間使うとします。残存価額を0円とすると、定額法では100万円を5年に均等に分けます。

取得価額 100万円
↓
5年間で均等に費用化
↓
1年目 20万円
2年目 20万円
3年目 20万円
4年目 20万円
5年目 20万円

このとき、3年目の「その年の減価償却費」は20万円です。

一方、3年目までの「減価償却累計額」は、

20万円 × 3年 = 60万円

です。

同じ減価償却でも、その年の金額これまでの合計は別物です。

定義・仕組み

減価償却は、建物や設備など長期間使用する固定資産の取得価額を、使用する期間にわたって費用として配分する考え方です。

基本情報技術者試験では、細かい会計処理よりも、定額法の基本計算と用語の違いを押さえるのが重要です。

定額法

定額法は、毎期ほぼ一定額を減価償却費として計上する方法です。

1年分の減価償却費
= (取得価額 - 残存価額) ÷ 耐用年数

例えば、次の条件を考えます。

  • 取得価額:10,000千円
  • 残存価額:0円
  • 耐用年数:20年

すると、1年分の減価償却費は、

(10,000 - 0) ÷ 20
= 500千円

となります。

減価償却費・累計額・帳簿価額の違い

用語 意味
取得価額 資産を取得したときの金額 10,000千円
減価償却費 その期に費用にする金額 500千円
減価償却累計額 これまでの減価償却費の合計 3,000千円
帳簿価額 取得価額から累計額を引いた帳簿上の残額 7,000千円
残存価額 耐用年数終了時に残ると見込む価額 0円など

帳簿価額は、基本的に次のように考えます。

帳簿価額
= 取得価額 - 減価償却累計額

例えば、取得価額10,000千円、前期までの減価償却累計額3,000千円なら、前期末の帳簿価額は、

10,000 - 3,000
= 7,000千円

です。

ここで注意したいのは、残存価額と帳簿価額は同じものではないことです。

残存価額
→ 耐用年数が終わったときに残ると見込む価額

帳簿価額
→ 現時点で帳簿上に残っている価額

このテーマは、基本情報技術者試験の「企業活動」や「会計・財務」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、数字が複数与えられ、必要な情報を選んで計算する問題に注意します。

特に先に確認したいのは、何を求めているかです。

求めるもの 主に見る情報
当期の減価償却費 取得価額、残存価額、耐用年数、償却方法
減価償却累計額 1年分の償却額、経過年数
帳簿価額 取得価額、減価償却累計額

定額法で当期の減価償却費を求めるなら、まず次の式を考えます。

(取得価額 - 残存価額) ÷ 耐用年数

例えば、取得価額10,000千円、残存価額0円、耐用年数20年なら、

10,000 ÷ 20 = 500千円

です。

もし「前期までの減価償却累計額3,000千円」という情報も与えられていても、当期の減価償却費そのものは500千円のままです。

定額法では毎年同じ額を償却するためです。

この3,000千円からは、

3,000 ÷ 500 = 6年

と、前期までに6年分を償却したことは分かります。しかし、当期の償却額を求めるために必須の情報ではありません。

試験では次の順で読むと安全です。

1. 何を求める?
   ↓
2. 償却方法は?
   ↓
3. 必要な数字だけ拾う
   ↓
4. 単位を確認する

どんな場面で使う?

減価償却は、建物、機械、設備など、複数年にわたって使用する固定資産の費用を考えるときに使われます。

FEでは、実務の細かな会計基準を覚えるより、次の関係を理解しておくと十分です。

資産を購入した金額
↓
取得価額

その年に費用化した金額
↓
減価償却費

これまでに費用化した合計
↓
減価償却累計額

帳簿上でまだ残っている金額
↓
帳簿価額

財務諸表そのものの役割を整理したい場合は、財務諸表の違いとは?貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の見分け方 も確認してください。

よくある誤解・混同

1. 当期の減価償却費と帳簿価額を混同する

「当期の減価償却費」は、その年に費用にする額です。

「帳簿価額」は、現在帳簿上に残っている額です。

当期の減価償却費
→ 今年いくら減らす?

帳簿価額
→ 今いくら残っている?

問題文を読んだら、計算を始める前に「何を求めているか」を確認します。

2. 残存価額と帳簿価額を混同する

残存価額は、耐用年数の最後に残ると見込む金額です。

帳簿価額は、計算時点で帳簿上に残っている金額です。

同じ「残っている金額」のように見えますが、意味が違います。

3. 与えられた数字を全部使おうとする

科目Aでは、計算に不要な情報が含まれていることがあります。

例えば定額法の1年分を求めるとき、前期までの減価償却累計額が与えられていても、その値を式に入れない場合があります。

数字が書いてあるから使うのではなく、求めるものに必要かを判断することが大切です。

4. 単位を見落とす

取得価額が「10,000千円」と書かれていれば、答えも「千円」で求められることがあります。

計算が合っていても、円・千円・万円を取り違えると誤答になるので、最後に単位を確認します。

まとめ(試験直前用)

  • 定額法は、原則として毎年同じ額を減価償却する
  • 1年分は (取得価額 - 残存価額) ÷ 耐用年数
  • 減価償却費は「その期」、減価償却累計額は「これまでの合計」
  • 帳簿価額は 取得価額 - 減価償却累計額
  • 残存価額と帳簿価額を混同しない
  • 問題文では最初に「何を求めているか」を確認し、不要な数字に引っ張られない

© 2024-2026 stemtazoo. All rights reserved.