最終更新日:2026年9月19日
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まず結論
デルファイ法とは、複数の専門家にアンケートを行い、回答結果をまとめて参加者へフィードバックし、再び回答してもらうことを繰り返して、意見を収束させていく方法です。
基本情報技術者試験では、次の組合せが出たらデルファイ法を疑います。
複数の専門家
+
アンケート
+
前回結果をフィードバック
+
繰り返す
↓
デルファイ法
単に多数決を取る方法ではなく、他の専門家の意見を参考にしながら何度か回答し、集団としての見解をまとめていくところがポイントです。
直感的な説明
将来の技術が「何年ごろに実用化されるか」を予測したいとします。
将来のことなので、まだ実績データが十分にありません。
そこで、詳しい専門家に質問します。
第1回アンケート
↓
専門家A:2030年ごろ
専門家B:2035年ごろ
専門家C:2040年ごろ
↓
回答結果をまとめて共有
↓
第2回アンケート
↓
専門家が他の回答も参考にして再回答
↓
さらに必要なら繰り返す
↓
意見がある程度収束
このように、専門家の知識や経験を使って、将来予測や意思決定に役立つ見解をまとめるのがデルファイ法です。
定義・仕組み
デルファイ法では、一般に次の流れで調査します。
- 調査テーマを決める
- 複数の専門家を選ぶ
- 第1回のアンケートを行う
- 回答を集計する
- 集計結果を専門家へフィードバックする
- 再度アンケートを行う
- 必要に応じて繰り返す
- 意見がある程度収束したところで結果をまとめる
大切なのは、単に1回だけアンケートをすることではありません。
1回だけ質問
→ 通常のアンケート
回答結果を示して再度質問
→ デルファイ法らしい特徴
また、対面会議で一人の強い意見に引っ張られることを避けるため、匿名性を保ちながら実施されることもあります。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、デルファイ法そのものの説明だけでなく、似た分析手法との違いを問われます。
選択肢を切る判断表
| 選択肢の特徴 | 判断 |
|---|---|
| 専門家へアンケートし、結果を返して繰り返す | デルファイ法 |
| 過去から現在までの時系列データで将来を予測する | 時系列回帰分析 |
| ある時点で複数対象を横断的に比較する | クロスセクション法 |
| 原因と結果の関係を分析する | 因果関係分析 |
試験中は、問題文に次の語があるか確認します。
専門家
アンケート
フィードバック
繰り返し
意見の収束
この中でも、
「前回の結果を示して、もう一度回答してもらう」
が特に強い判断材料です。
「未来予測」という言葉だけでは決めない
デルファイ法は未来予測によく使われますが、未来予測というだけでデルファイ法とは限りません。
専門家の知識・経験から予測
→ デルファイ法
過去の数値データから予測
→ 時系列分析・回帰分析
何を材料に予測しているかを見ることが重要です。
どんな場面で使う?
デルファイ法は、十分な過去データがなく、専門家の知識や経験が重要になるテーマで使われます。
例えば、次のような場面です。
- 新技術がいつ実用化されるか
- 社会が今後どのように変化するか
- 新しい市場がどの程度成長するか
- 長期的な技術政策や研究開発の方向性
- 将来起こり得るリスクの検討
特に、科学技術の将来予測では実際に使われています。
よくある誤解・混同
デルファイ法は単なる多数決?
違います。
多数決は、その時点で最も多い意見を選びます。
一方、デルファイ法は、集計結果を参加者へ返し、再度考えてもらうことを繰り返す点が特徴です。
1回で決める
→ 多数決・一般的なアンケート
結果を返して再回答
→ デルファイ法
時系列回帰分析との違い
どちらも将来予測に使われますが、材料が違います。
専門家の判断
→ デルファイ法
過去の数値データ
→ 時系列回帰分析
例えば、過去10年の売上データから来年の売上を予測するなら、デルファイ法ではなく時系列分析や回帰分析を疑います。
クロスセクション法との違い
クロスセクション法は、ある一時点で複数の対象を横断的に比較する方法です。
同じ時点で複数対象を比較
→ クロスセクション法
専門家へ繰り返し質問
→ デルファイ法
因果関係分析との違い
因果関係分析は、ある要因が別の結果にどのような影響を与えるかを分析します。
原因と結果の関係を見る
→ 因果関係分析
専門家の見解を集約する
→ デルファイ法
専門家を集めて会議すればデルファイ法?
必ずしもそうではありません。
デルファイ法の特徴は、単に専門家が集まることではなく、
個別回答
↓
結果集計
↓
フィードバック
↓
再回答
という反復プロセスにあります。
一次情報
文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、科学技術の中長期的な将来予測にデルファイ調査を継続的に用いています。
NISTEPの第12回科学技術予測調査では、今後30年間に重要になる科学技術や社会課題について、専門家を対象にデルファイ法による大規模アンケート調査を実施しています。
また、消費者庁の「未来の消費生活に関する調査報告書」では、デルファイ法を、複数の専門家へのアンケート結果を提示して再度アンケートを行うプロセスを繰り返し、意見の収斂を図る方法として説明しています。
この一次情報からも、FE試験では次の判断が有効です。
専門家
+
アンケート
+
結果を提示
+
繰り返す
→ デルファイ法
まとめ(試験直前用)
- デルファイ法は、複数の専門家へアンケートを繰り返す方法
- 前回の回答結果を参加者へフィードバックする
- 繰り返すことで、集団としての意見を収束させる
- 将来予測や、十分な過去データがないテーマで使われる
- 「専門家+アンケート+フィードバック+繰り返し」が判断基準
- 過去の数値データから予測するなら時系列分析、ある時点で横断比較するならクロスセクション法