最終更新日:2026年8月28日
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まず結論
CSRとは、企業が利益だけを追求するのではなく、社会や環境への影響にも責任を持つ考え方です。
CSRは Corporate Social Responsibility の略で、日本語では「企業の社会的責任」と呼ばれます。
基本情報技術者試験では、CSRそのものを選ぶ問題だけでなく、CSRの具体的な施策が、環境・社会貢献・企業倫理・情報開示のどれに当たるかを見分ける問題にも注意します。
環境負荷の少ない製品を選んで調達する
→ 環境対策(グリーン購入)
災害時のボランティア活動を支援する
→ 社会貢献
倫理相談・通報窓口を設ける
→ 企業倫理・コンプライアンス
経営状況を適切に公開する
→ 情報開示・透明性
直感的な説明
CSRは、企業が「売上や利益だけでなく、社会の一員として責任ある行動をする」という考え方です。
ただし、CSRの活動は一種類ではありません。
例えば、企業が次のような取組を行うことがあります。
- 環境負荷を減らす
- 人権を尊重する
- 従業員が安全に働ける環境を整える
- 地域社会へ貢献する
- 公正な取引を行う
- 情報を適切に開示する
- 法令や社会的規範を守る
利益を出す
+
社会や環境にも責任を持つ
→ CSR
試験では、「CSRかどうか」だけでなく、その取組が何を目的としているかまで見ると選択肢を切りやすくなります。
定義・仕組み
経済産業省は、CSRを、企業が社会や環境と共存し、持続可能な成長を図るために、自らの活動が与える影響について責任を持つ企業行動として説明しています。
一次情報は、経済産業省:価値創造経営、開示・対話、企業会計、CSRについてで確認できます。
CSRの対象は、環境だけではありません。
| 対象 | 具体例 |
|---|---|
| 環境 | 省エネルギー、廃棄物削減、グリーン購入、温室効果ガス削減 |
| 人権 | 差別防止、児童労働・強制労働への配慮 |
| 労働 | 安全衛生、働きやすい職場づくり |
| 地域社会 | 地域活動への協力、災害時のボランティア支援 |
| 取引 | 公正な取引、サプライチェーンへの配慮 |
| 情報開示 | 説明責任、経営状況の透明性の確保 |
| 法令・倫理 | 法令遵守、倫理ヘルプライン、企業倫理の徹底 |
CSRは、一度だけ寄付をすれば終わるものではありません。
企業活動全体を通じて、社会や環境への責任を継続的に果たす考え方です。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、似た経営用語から説明に合うものを選ぶ問題に加えて、CSRの施策を目的別に分類する問題が出ます。
CSRを見抜く判断語
企業の社会的責任
社会や環境への配慮
人権・雇用・地域貢献
持続可能な成長
ステークホルダーからの信頼
→ CSR
施策を目的で切り分ける
選択肢に複数のCSR活動が並んでいるときは、名詞よりも何を良くしようとしているかを見ます。
| 選択肢の内容 | 主な観点 | 判断の合図 |
|---|---|---|
| 環境配慮製品を優先して調達する | 環境対策 | 環境、調達、グリーン購入 |
| 災害時の従業員ボランティアを支援する | 社会貢献 | 地域、災害、ボランティア |
| 倫理相談・通報窓口を設ける | 企業倫理・コンプライアンス | 倫理、通報、法令遵守 |
| 株主などへ経営情報を適切に開示する | 情報開示・ガバナンス | 透明性、説明責任、開示 |
例えば、問題文が「環境対策の観点」を指定しているなら、CSRに該当する施策をすべて考えるのではなく、環境に直接関係する施策を選びます。
「環境対策」と指定
↓
環境・省エネ・廃棄物・調達を見る
↓
グリーン購入を選ぶ
似た用語との比較
| 問題文の中心 | 用語 |
|---|---|
| 法令・規則・社会的規範を守る | コンプライアンス |
| 社会・環境・人権などに広く責任を持つ | CSR |
| 社会課題を事業機会として価値創造につなげる | CSV |
| 国際的な共通目標に取り組む | SDGs |
| 環境負荷の少ない製品を優先して買う | グリーン購入 |
どんな場面で使う?
CSRは、企業活動全般で使われる考え方です。
例えば、次のような場面です。
- 環境方針を策定する
- 人権方針を公開する
- 従業員の安全衛生を改善する
- 地域社会への支援を行う
- サプライチェーンの労働環境を確認する
- CSR報告書や統合報告書で取組を開示する
- 環境配慮製品を優先して調達する
最後の「環境配慮製品を優先して調達する」は、具体的な行動としてはグリーン購入です。
グリーン購入は、企業がCSRを実践する方法の一つになり得ますが、CSRと同じ意味ではありません。
環境対策としてグリーン購入をもう少し詳しく理解したい場合は、グリーン購入とは?CSR・エコマーク・環境アセスメントとの違いで、「購入・調達」という判断語まで確認できます。
よくある誤解・混同
CSRは環境活動だけを指す
誤りです。
環境対策はCSRの重要な一部ですが、CSRには社会貢献、人権、労働、企業倫理、情報開示なども含まれます。
CSR
├ 環境
├ 社会貢献
├ 人権・労働
├ 企業倫理
└ 情報開示
したがって、問題文で「環境対策の観点」と指定されたら、CSRに当てはまるかどうかではなく、環境に直接関係するかを確認します。
CSRとコンプライアンス
最も基本的な違いは、範囲の広さです。
法律や規則を守る
→ コンプライアンス
社会・環境・人権などに広く責任を持つ
→ CSR
コンプライアンスはCSRの土台になる重要な要素ですが、CSRはそれだけではありません。
企業倫理や内部通報制度まで深く整理したい場合は、コンプライアンスとは?も参照してください。
CSRとCSV
CSVは Creating Shared Value の略で、日本語では「共通価値の創造」と訳されます。
社会的責任を果たす
→ CSR
社会課題の解決を事業の競争力や利益につなげる
→ CSV
両者は対立するものではありませんが、試験では「責任」か「事業価値の創造」かで切り分けます。
CSRとSDGs
SDGsは、国連が掲げた持続可能な開発目標です。
企業が社会や環境に責任を持つ考え方
→ CSR
国際社会が共有する17の目標
→ SDGs
企業はCSRの取組をSDGsの目標と結び付けて説明することがありますが、同じ用語ではありません。
CSRとグリーン購入
企業全体の責任ある行動
→ CSR
購入時の具体的な環境配慮
→ グリーン購入
グリーン購入はCSRの具体策の一つになり得ます。
寄付やボランティアだけがCSRではない
CSRには社会貢献活動も含まれますが、それだけではありません。
本業での公正な取引、環境配慮、人権尊重、情報開示など、企業活動全体が対象です。
「だけ」「すべて」に引っ張られない
CSRの問題では、複数の選択肢が社会的に望ましい取組に見えることがあります。
このときは、問題文が指定している観点を確認します。
環境対策を問う
→ グリーン購入など環境に直接関係する施策
社会貢献を問う
→ 地域活動、ボランティア支援
企業倫理を問う
→ 倫理ヘルプライン、コンプライアンス
情報開示を問う
→ 透明性、説明責任
「良い活動か」ではなく「何の観点の活動か」で切り分けるのがポイントです。
まとめ(試験直前用)
- CSRは、企業の社会的責任
- CSRは環境だけでなく、人権・雇用・地域社会・公正取引・企業倫理・情報開示も含む
- 環境対策なら、グリーン購入・省エネ・廃棄物削減を疑う
- 社会貢献なら、地域活動・ボランティア支援を疑う
- 企業倫理なら、倫理ヘルプライン・コンプライアンスを疑う
- 情報開示なら、透明性・説明責任を疑う
- 問題文で観点が指定されたら、「良い活動か」ではなく「その観点に直接当てはまるか」で選ぶ
- グリーン購入は、CSRの具体策の一つになり得る