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最終更新日:2026年6月17日

まず結論

形態素解析とは、文章を意味のある最小単位である形態素に分け、品詞や原形などを判定する処理です。

係り受け解析とは、文節や語句が文中のどの語句に係っているか、つまり言葉同士の関係を解析する処理です。

DS検定では、次のように区別します。

用語 役割 覚え方
形態素解析 文を単語・形態素に分ける 単語に分ける
係り受け解析 文節や語句の関係を見る どこに係るかを見る
構文解析 文の文法的な構造を解析する 文の構造を見る

試験では、単語分割なら形態素解析、文節間の関係なら係り受け解析と判断すると選択肢を切りやすくなります。


直感的な説明

自然言語処理では、文章をそのまま機械が理解することは難しいです。

そのため、まず文章を細かく分け、次に言葉同士の関係を調べます。

たとえば、次の文を考えます。

私は昨日ラーメンを食べた。

この文に対して、形態素解析と係り受け解析は見る場所が違います。

形態素解析

形態素解析では、文を形態素に分けます。

形態素 品詞の例
名詞
助詞
昨日 名詞
ラーメン 名詞
助詞
食べ 動詞
助動詞

つまり、形態素解析は「文章を単語の列にする処理」です。

係り受け解析

係り受け解析では、文節や語句の関係を見ます。

係る語句 受ける語句
私は 食べた
昨日 食べた
ラーメンを 食べた

つまり、係り受け解析は「どの言葉がどの言葉を説明しているか」を調べる処理です。


形態素解析とは

形態素解析(Morphological Analysis)は、文章を意味を持つ最小単位に分解し、品詞、原形、活用形などを判定する処理です。

日本語は英語のように単語の間にスペースがないため、機械が文章を扱う前に、どこで単語を区切るかを判断する必要があります。

たとえば、次の文を考えます。

これは美味しいです。

形態素解析の結果は、次のようになります。

形態素 品詞の例 原形の例
これ 名詞 これ
助詞
美味しい 形容詞 美味しい
です 助動詞 です
記号

形態素解析は、自然言語処理の前処理としてよく使われます。

  • テキストマイニング
  • 文書分類
  • 感情分析
  • 検索エンジン
  • SNS分析
  • Bag of WordsやTF-IDFの作成

DS検定では、文章を数値データに変換する前の単語分割処理として理解しておくとよいです。


係り受け解析とは

係り受け解析(Dependency Parsing)は、文節や語句の間の依存関係を解析する処理です。

「どの語句が、どの語句を修飾しているか」「主語や目的語が、どの述語と関係しているか」を調べます。

たとえば、次の文を考えます。

太郎は花子に本を渡した。

係り受け解析では、次のような関係を調べます。

係る語句 受ける語句 関係の例
太郎は 渡した 誰が渡したか
花子に 渡した 誰に渡したか
本を 渡した 何を渡したか

係り受け解析を行うと、文の構造や意味関係をより深く扱えるようになります。

そのため、次のようなタスクで使われます。

  • 情報抽出
  • 質問応答
  • 機械翻訳
  • 要約
  • 文の意味理解
  • 評判分析や意見抽出

形態素解析と係り受け解析の違い

形態素解析と係り受け解析は、どちらも自然言語処理の基本技術ですが、目的が違います。

観点 形態素解析 係り受け解析
目的 文を形態素に分ける 語句や文節の関係を調べる
見る対象 単語・形態素 文節間・語句間の関係
出力例 単語、品詞、原形 係る語句、受ける語句
使う場面 前処理、単語頻度、文書分類 文構造理解、情報抽出、質問応答
覚え方 分ける 関係を見る

自然言語処理の流れとしては、形態素解析を行ったあとに、係り受け解析や構文解析を行うことが多いです。

文章
↓
形態素解析(単語・形態素に分ける)
↓
文節解析
↓
係り受け解析(文節や語句の関係を見る)
↓
意味理解・情報抽出など

ただし、実際の処理方式はツールやモデルによって異なります。DS検定では、基本的な役割の違いを押さえれば十分です。


代表的なツール

DS検定では、形態素解析や係り受け解析の代表的なツール名が問われることがあります。

形態素解析ツール

ツール 特徴
MeCab 日本語の代表的な形態素解析エンジン
Janome Pythonで使いやすい日本語形態素解析ライブラリ
JUMAN / Juman++ 京都大学系の日本語形態素解析器
Kuromoji Javaで使われる日本語形態素解析器

特にMeCabは、形態素解析の代表例として覚えておくとよいです。

係り受け解析ツール

ツール 特徴
CaboCha 日本語係り受け解析器として知られる
KNP 日本語の依存構造・格構造解析に使われる

係り受け解析は、形態素解析や文節解析の結果をもとに行われることがあります。


どんな場面で使う?

形態素解析が使われる場面

形態素解析は、文章を単語単位に分けたいときに使います。

  • 単語頻度の集計
  • キーワード抽出
  • 文書分類
  • 感情分析
  • 検索インデックス作成
  • テキストマイニング

たとえば、レビュー文から「良い」「悪い」「高い」「安い」などの単語を取り出すには、まず形態素解析が必要になります。

係り受け解析が使われる場面

係り受け解析は、単語を取り出すだけでは不十分で、文の構造を理解したいときに使います。

  • 誰が何をしたかを抽出する
  • 商品のどの属性に対する評価かを調べる
  • 質問文の構造を理解する
  • 要約で重要な関係を残す
  • 機械翻訳で文構造を扱う

たとえば、「軽くて使いやすいカメラ」という文では、「軽い」「使いやすい」が「カメラ」に係っていることを理解する必要があります。


DS検定ひっかけポイント

よくある誤り1:形態素解析を文章理解と考える

形態素解析は、文章を単語や形態素に分ける処理です。

文全体の意味や、語句同士の関係まで深く理解する処理ではありません。

よくある誤り2:係り受け解析を単語分割と考える

係り受け解析は、単語や文節の関係を調べる処理です。

単語分割そのものは形態素解析の役割です。

よくある誤り3:形態素解析と係り受け解析を同じ処理と考える

どちらも自然言語処理で使われますが、同じ処理ではありません。

  • 形態素解析:文章を形態素に分ける
  • 係り受け解析:語句や文節の関係を調べる

よくある誤り4:日本語でもスペース区切りで十分と考える

日本語は単語の間にスペースがないため、英語よりも単語分割が重要になります。

そのため、日本語の自然言語処理では形態素解析が重要な前処理になります。

選択肢の判断基準

  • 「単語に分ける」→ 形態素解析
  • 「品詞を判定する」→ 形態素解析
  • 「原形を求める」→ 形態素解析
  • 「どの語句に係るか」→ 係り受け解析
  • 「文節間の関係」→ 係り受け解析
  • 「文の文法構造」→ 構文解析

確認問題(DS検定対策)

形態素解析と係り受け解析の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ア. 形態素解析は文節同士の関係を解析し、係り受け解析は文章を単語に分ける処理である
  • イ. 形態素解析は文章を形態素に分け、係り受け解析は語句や文節の関係を解析する処理である
  • ウ. 形態素解析は画像の特徴量を抽出し、係り受け解析は音声を文字に変換する処理である
  • エ. 形態素解析と係り受け解析は、どちらもSQLの集計処理である
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)

正解:イ

解説

  • ア:逆です。単語や形態素に分けるのが形態素解析、語句や文節の関係を解析するのが係り受け解析です。
  • イ:適切です。
  • ウ:画像処理や音声認識の説明であり、自然言語処理の説明ではありません。
  • エ:SQLの集計処理ではありません。

判断ポイントは、「単語に分ける」なら形態素解析、「関係を見る」なら係り受け解析です。

まとめ(試験直前用)

  • 形態素解析=文章を形態素に分け、品詞や原形を判定する処理
  • 係り受け解析=文節や語句がどこに係るかを解析する処理
  • 形態素解析は「分ける」、係り受け解析は「関係を見る」
  • 日本語はスペースがないため、形態素解析が重要
  • 係り受け解析は文構造や意味関係の理解に使われる
  • MeCabは形態素解析、CaboChaやKNPは係り受け解析の代表例
  • DS検定では、単語分割と文構造理解の違いを問われやすい

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