最終更新日:2026年6月1日
sg crypto_auth sg-security-overview network
まず結論
公開鍵暗号方式とは、暗号化と復号で異なる鍵(公開鍵と秘密鍵)を使うことで、安全に鍵をやり取りできる暗号方式です。
SG試験では、文書の内容を秘匿して送受信する場面で、次の扱いを判断できることが重要です。
- 暗号化鍵(公開鍵) → 公開してよい
- 暗号化アルゴリズム → 公開してよい
- 復号鍵(秘密鍵) → 秘密にしなければならない
つまり、秘密にするのは復号鍵です。
直感的な説明
たとえば「鍵付きの箱」で考えると理解しやすいです。
- 相手が「鍵をかけるだけの鍵(公開鍵)」を公開している
- 誰でもその鍵で箱に鍵をかけて送れる
- でも、その箱を開けられるのは「本人だけが持つ鍵(秘密鍵)」だけ
つまり、
👉 送るときは誰でも使える鍵、開けるのは本人だけ
という仕組みです。
これにより、「鍵をこっそり渡す」という危険なやり取りが不要になります。
定義・仕組み
公開鍵暗号方式では、次の2つの鍵を使います。
| 種類 | 扱い | SG試験での判断 |
|---|---|---|
| 公開鍵(暗号化鍵) | 公開してよい | 送信者が文書を暗号化するために使う |
| 秘密鍵(復号鍵) | 秘密にする | 受信者だけが復号するために管理する |
基本の流れは次の通りです。
- 受信者が「公開鍵」を公開する
- 送信者はその公開鍵でデータを暗号化する
- 受信者が「秘密鍵」で復号する
暗号化アルゴリズムも、原則として秘密にするものではありません。 RSAのような公開鍵暗号アルゴリズムは広く公開され、専門家による評価を受けながら使われます。
IPAの暗号技術Q&Aでも、公開鍵暗号は一方の鍵を公開しても、もう一方の鍵を計算できない仕組みとして説明されています。 IPA:暗号技術 Q&A
代表例としては RSA暗号 があります。
なぜ重要か(業務視点)
共通鍵暗号では、
- 鍵を安全に相手に渡す必要がある
- ここが漏れるとすべて破られる
という問題があります。
公開鍵暗号方式は、
👉 そもそも秘密の鍵を渡さない設計
になっているため、 通信開始時の安全性を確保できます。
どんな場面で使う?
使うべき場面
- インターネット通信の開始時(HTTPSなど)
- 不特定多数と安全に通信したい場合
- 鍵の配布が難しい環境
よくある実務パターン
実際のシステムでは、
- 最初だけ公開鍵暗号で鍵交換
- その後は高速な共通鍵暗号を使用
👉 これを ハイブリッド暗号 といいます
向いていない場面
- 大量データの暗号化(処理が遅い)
👉 処理速度の問題から単独では使われにくい
よくある誤解・混同
❌ 共通鍵暗号のほうが安全
👉 ⭕ 安全性の問題ではなく「用途の違い」
- 共通鍵:高速だが鍵配布が弱点
- 公開鍵:遅いが鍵配布が安全
❌ 公開鍵で復号する
👉 ⭕ 基本は「公開鍵で暗号化 → 秘密鍵で復号」
※逆の使い方(電子署名)もあるが、混同注意
❌ 暗号化アルゴリズムは秘密にする
👉 ⭕ アルゴリズムは公開されていてもよい
公開鍵暗号方式では、暗号化アルゴリズムや公開鍵を公開しても、対応する秘密鍵がなければ復号できないことが重要です。
SG試験では、「アルゴリズムを秘密にする」ではなく「復号鍵を秘密にする」と切り分けます。
❌ 公開鍵暗号だけで通信する
👉 ⭕ 実務ではハイブリッドが基本
SG試験のひっかけ
SG試験では次のように問われます。
- 「鍵を安全に配布できる方式はどれか」
- 「通信開始時に使うべき方式はどれか」
- 「公開してよいもの、秘密にすべきものはどれか」
👉 鍵配布の問題が出たら公開鍵暗号
文書を秘匿して送る問題では、次のように切ります。
- 暗号化鍵を公開する → 正しい
- 復号鍵を秘密にする → 正しい
- 暗号化アルゴリズムを公開する → 正しい
- 暗号化アルゴリズムを秘密にする → 誤りになりやすい
判断軸の再確認(確認問題の前に)
- 目的を先に見る:この対策・用語は「予防」「検知」「対応」のどこを担うか。
- 対象を切り分ける:ネットワーク/端末/利用者/運用手順のどこに効くか。
- 選択肢の言い過ぎに注意:「必ず」「完全に」「不要になる」といった断定は誤りになりやすい。
確認問題(SG試験対策)
取引先だけが読めるようにファイルを送付したい。公開鍵暗号方式を使う場合の扱いとして、最も適切なものはどれか。
- ア. 送信者は取引先の公開鍵でファイルを暗号化し、取引先は対応する秘密鍵で復号する。
- イ. 送信者は自分の秘密鍵でファイルを暗号化し、取引先は送信者の秘密鍵を受け取って復号する。
- ウ. 暗号方式の安全性はアルゴリズム名を隠すことで保つので、鍵は公開してもよい。
- エ. 公開鍵暗号方式では、送信者と受信者が事前に同一の秘密鍵を共有しておく。
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:ア
解説
- ア:適切。秘匿して送る場面では、受信者の公開鍵で暗号化し、受信者だけが持つ秘密鍵で復号します。
- イ:不適切。秘密鍵を相手へ渡す運用は、秘密鍵を守る考え方に反します。
- ウ:不適切。一般にアルゴリズムは公開され得る前提で、秘密鍵を保護します。
- エ:不適切。同一の秘密鍵を事前共有するのは、共通鍵暗号方式の説明です。
👉 判断ポイント 秘匿して送る:受信者の公開鍵で暗号化/受信者の秘密鍵で復号で切り分けます。
まとめ(試験直前用)
- 公開鍵暗号は「公開鍵と秘密鍵の2つを使う」
- 文書の秘匿では、公開鍵で暗号化、秘密鍵で復号する
- 公開してよい:公開鍵・暗号化アルゴリズム
- 秘密にする:秘密鍵(復号鍵)
- 実務では「公開鍵+共通鍵(ハイブリッド)」が基本