最終更新日:2026年7月14日
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まず結論
- AES(Advanced Encryption Standard)は、同じ秘密鍵を使って暗号化と復号を行う代表的な共通鍵暗号方式です。
- SG試験では、AESを公開鍵暗号方式・ハッシュ関数・暗号攻撃と混同しないことが重要です。
- さらに、問題によっては ブロック長・鍵長・ラウンド数 の基本を問われることがあります。
AESは、データを読めない形に変換して守るための暗号方式です。
ただし、AESだけで「鍵の受け渡し」「本人確認」「改ざん検知」まで全部できるわけではありません。
選択肢では、AESを公開鍵暗号方式やハッシュ関数のように説明していたら注意します。
また、AESの内部処理については、細かい計算よりも次の関係を押さえておきます。
| 観点 | AESで押さえること |
|---|---|
| ブロック長 | 128ビット |
| 鍵長 | 128 / 192 / 256ビット |
| ラウンド数 | 鍵長によって 10 / 12 / 14ラウンドに変わる |
特に、「鍵長によってラウンド数が決まる」という関係は、選択肢を切る判断基準になります。
直感的な説明
AESは、同じ鍵で開け閉めする金庫のようなものです。
- 暗号化するときも、秘密鍵を使う
- 復号するときも、同じ秘密鍵を使う
- 鍵を知っている人だけが中身を読める
たとえば、部署内で重要なファイルを暗号化して保存する場合を考えます。
AESでファイルを暗号化すると、ファイル自体を盗まれても、秘密鍵がなければ中身を読みにくくできます。
ここで大切なのは、AESは「金庫の仕組み」であって、鍵を安全に渡す仕組みそのものではないという点です。
同じ鍵を使うため、その鍵をどう安全に共有・管理するかが大きな課題になります。
ここが、公開鍵暗号方式との大きな違いです。
定義・仕組み
AESは、米国標準として規格化された暗号方式で、分類としては共通鍵暗号方式に入ります。
共通鍵暗号方式では、暗号化する側と復号する側が、同じ秘密鍵を使います。
| 観点 | AES |
|---|---|
| 分類 | 共通鍵暗号方式 |
| 鍵 | 暗号化と復号で同じ秘密鍵を使う |
| 主な目的 | データの内容を読めないようにする |
| 得意なこと | 大量データを比較的高速に暗号化する |
| 注意点 | 鍵の共有・保管を安全に行う必要がある |
AESは、CRYPTREC暗号リストでも、128ビットブロック暗号として扱われています。暗号方式を選ぶときは、古い方式を何となく使い続けるのではなく、公式情報で推奨状況を確認する考え方が大切です。
AESで問われやすい数値
SG試験では、AESの数式や内部計算を深く追う必要はありません。
ただし、次の数値は選択肢で出てくることがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブロック長 | 128ビットで固定 |
| 鍵長 | 128 / 192 / 256ビットから選択 |
| ラウンド数 | 10 / 12 / 14ラウンド |
| ラウンド数の決まり方 | 鍵長によって変わる |
ここでいうラウンド数とは、暗号化処理の中で、変換処理を何回繰り返すかを表すイメージです。
鍵長が長くなると、ラウンド数も増えます。
| 鍵長 | ラウンド数 |
|---|---|
| 128ビット | 10ラウンド |
| 192ビット | 12ラウンド |
| 256ビット | 14ラウンド |
選択肢で、「AESの段数は6回以内で選べる」のように書かれていたら誤りです。
AESのラウンド数は、10回以上です。
また、「暗号化・復号・暗号化を3回繰り返す」という説明もAESの説明としては不適切です。
これは、AESのラウンド処理の説明ではありません。
どんな場面で使う?
AESは、データの内容を第三者に読まれないようにしたい場面で使われます。
代表的には、次のような場面です。
- ファイルやストレージの暗号化
- 通信で使うデータの暗号化
- VPNや無線LANなどでの暗号化
- システム内で保存する重要情報の保護
共通鍵暗号方式は、大量のデータを暗号化する処理に向いています。
そのため、実務では「データ本体はAESなどの共通鍵暗号で暗号化し、その鍵の受け渡しに公開鍵暗号を使う」という組み合わせが使われることがあります。
SG試験では、次のように考えると選択肢を切りやすくなります。
- データ本体を高速に暗号化する → AESなどの共通鍵暗号
- 鍵の交換や電子署名に関係する → 公開鍵暗号
- 元に戻さず、要約値で確認する → ハッシュ関数
- 消費電力や電磁波などから鍵を推定する → サイドチャネル攻撃
AESの問題では、「AESは何方式か」だけでなく、AESについて正しい説明を選ぶ問題も出ます。
その場合は、次の3点を確認します。
- 共通鍵暗号方式として説明されているか
- ブロック長が128ビットになっているか
- 鍵長によってラウンド数が10 / 12 / 14に変わる説明になっているか
この3点で見ると、選択肢をかなり切り分けやすくなります。
よくある誤解・混同
誤解1:AESは公開鍵暗号方式である
AESは公開鍵暗号方式ではありません。
共通鍵暗号方式です。
公開鍵暗号方式では、公開鍵と秘密鍵という異なる鍵を使います。
一方、AESでは暗号化と復号に同じ秘密鍵を使います。
選択肢で「AESは公開鍵を使う」「同一の公開鍵で暗号化する」と書かれていたら誤りです。
誤解2:AESはハッシュ関数である
AESはハッシュ関数ではありません。
AESは、暗号化したデータを鍵で復号して元に戻すことを前提にした方式です。
一方、SHA-1やSHA-2などのハッシュ関数は、原則として元のデータに戻すためのものではありません。
選択肢では、次のように切り分けます。
- 元に戻す → 暗号化
- 元に戻さず要約値を作る → ハッシュ
誤解3:AESの段数は自由に選べる
AESのラウンド数は、自由に何回でも選ぶものではありません。
鍵長によって、10ラウンド、12ラウンド、14ラウンドのいずれかになります。
| 鍵長 | ラウンド数 |
|---|---|
| 128ビット | 10 |
| 192ビット | 12 |
| 256ビット | 14 |
SG試験では、ここを細かく計算させるというより、「鍵長によってラウンド数が決まる」という関係を知っているかが問われます。
誤解4:AESは暗号化と復号を交互に繰り返す方式である
AESの暗号化処理では、ラウンド数の分だけ暗号化の内部処理を繰り返します。
しかし、暗号化の途中で復号処理を混ぜて繰り返すわけではありません。
選択肢で「暗号化、復号、暗号化の順に繰り返す」と書かれていたら、AESの説明としては誤りです。
誤解5:AESを使えば鍵管理の問題も解決できる
AESは、データを暗号化する方式です。
しかし、秘密鍵そのものが漏えいすると、暗号化したデータを読まれるおそれがあります。
そのため、AESを使う場合でも、鍵の保管、アクセス権限、鍵の更新、廃棄などの管理が必要です。
SG試験では「強い暗号方式を使っているから安全」とだけ考える選択肢に注意します。
暗号は、方式だけでなく鍵管理と運用まで含めて考える必要があります。
誤解6:サイドチャネル攻撃はAESそのものの種類である
サイドチャネル攻撃は、暗号方式の名前ではありません。
暗号処理中の消費電力、処理時間、電磁波など、処理の副作用から秘密情報を推定する攻撃です。
つまり、AESを使っていても、実装や装置の作りが不十分だと、サイドチャネル攻撃の対象になる可能性があります。
SG試験では、次のように切り分けます。
- AES:データを暗号化する共通鍵暗号方式
- サイドチャネル攻撃:暗号処理の副作用から鍵などを推定する攻撃
判断軸の再確認(確認問題の前に)
- 目的を先に見る:この対策・用語は「予防」「検知」「対応」のどこを担うか。
- 対象を切り分ける:ネットワーク/端末/利用者/運用手順のどこに効くか。
- 選択肢の言い過ぎに注意:「必ず」「完全に」「不要になる」といった断定は誤りになりやすい。
確認問題(SG試験対策)
次のうち、最も適切なものはどれか。
- ア. 公開鍵暗号方式であり、鍵配送問題が発生しない。
- イ. 共通鍵暗号方式であり、高速なデータ暗号化に向く。
- ウ. ハッシュ関数であり、復号はできない。
- エ. 電子署名専用アルゴリズムであり、機密性には使えない。
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正解:イ
解説
- ア:不適切。AESは公開鍵暗号ではありません。
- イ:適切。AESは共通鍵暗号で、処理効率が高く大量データ暗号化に適します。
- ウ:不適切。ハッシュ関数はSHA-256などで、AESは可逆な暗号です。
- エ:不適切。電子署名はRSA/ECDSA等が代表で、AESは機密性確保に使います。
👉 判断ポイント
AESは「共通鍵」「高速」「可逆暗号」の3点で識別する。
まとめ(試験直前用)
- AESは、共通鍵暗号方式である。
- 暗号化と復号に、同じ秘密鍵を使う。
- AESのブロック長は、128ビットである。
- 鍵長は、128 / 192 / 256ビットから選ぶ。
- ラウンド数は、鍵長によって 10 / 12 / 14 に変わる。
- RSAなどの公開鍵暗号方式、SHAなどのハッシュ関数と混同しない。
- 消費電力や電磁波から鍵を推定する話は、AESではなくサイドチャネル攻撃として判断する。