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最終更新日:2026年8月17日

まず結論

不正アクセス禁止法は、アクセス制御されたコンピュータやサービスに対して、他人のID・パスワードを無断で使うなどして不正にアクセスする行為を禁止する法律です。

基本情報技術者試験では、まず次の判断軸を持っておくと選択肢を切りやすくなります。

他人のID・パスワードを無断で使ってログイン
→ 不正アクセス禁止法

通信の秘密や電気通信事業者の義務
→ 電気通信事業法

詐欺・業務妨害・マルウェアなどの犯罪行為
→ 刑法

SNS・掲示板などの情報流通と事業者対応
→ 情報流通プラットフォーム対処法

「何を盗もうとしたか」より先に、「どのようにアクセスしたか」を見る。

これがFE試験での重要な切り分けです。

直感的な説明

会社の入退室カードをイメージすると分かりやすいです。

自分には入る権限がない部屋に、他人のカードを勝手に使って入ったとします。

ポイントは、部屋の中で何をしたかだけではありません。

他人の認証情報を使う
↓
本来は利用できない場所へ入る

という認証・アクセス制御を突破する行為そのものが問題になります。

コンピュータでも同じように、他人のID・パスワードなどを使って認証を通過し、本来利用できない機能や情報へアクセスする行為が、不正アクセス禁止法を考える代表的な場面です。

定義・仕組み

不正アクセス禁止法の正式名称は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律です。

試験対策では、細かな条文暗記よりも、次の行為を見分けられることを優先します。

他人の識別符号を無断で使う

代表例は、他人のID・パスワードを本人の承諾なく使ってログインする行為です。

アクセス制御あり
+
他人のID・パスワードを無断使用
↓
不正アクセスを疑う

警察庁も、他人のID・パスワードを不正利用してログインする行為は、不正アクセス禁止法違反に該当するおそれがあると案内しています。

アクセス制御を回避して利用可能な状態にする

不正アクセスは、ID・パスワードの無断使用だけに限定して考える必要はありません。

アクセス制御機能を回避し、本来は制限されている特定利用ができる状態にする行為も、試験では不正アクセス禁止法の文脈として整理します。

ID・パスワードを他人に提供する行為にも注意

不正アクセス禁止法では、不正アクセス行為そのものだけでなく、それを助長する行為や識別符号の不正な取得なども規制対象になります。

ただしFE試験では、まず次の中心を押さえれば十分です。

アクセス制御
他人の認証情報
無断利用
↓
不正アクセス禁止法

公式情報は、警察庁:不正アクセス対策で確認できます。

科目Aでどう出る?

科目Aでは、具体的な行為と法律名を対応させる問題として出題されます。

判断するときは、目的ではなく、問題文で強調されている行為を見ます。

問題文の特徴 まず疑う法律
他人のID・パスワードを無断利用 不正アクセス禁止法
認証やアクセス制御を突破 不正アクセス禁止法
通信の秘密、電気通信事業者 電気通信事業法
詐欺、業務妨害、マルウェア 刑法
SNSや掲示板などの情報流通、事業者対応 情報流通プラットフォーム対処法

「情報を盗んだ」だけで刑法に飛びつかない

例えば、問題文に次の二つが書かれていたとします。

他人のID・パスワードを使ってログインした
会員情報を入手しようとした

後半だけを見ると、情報窃取や別の犯罪を連想するかもしれません。

しかし、問題が他人の認証情報を使ってアクセス制御を突破した行為を問うているなら、不正アクセス禁止法が中心になります。

試験では、次の順番で読むと整理しやすいです。

1. どの行為が明示されているか
2. 認証・アクセス制御の話か
3. 通信・情報流通・詐欺など別の法領域か

どんな場面で使う?

不正アクセス禁止法は、インターネットサービスだけでなく、認証やアクセス制御があるコンピュータシステムを考えるときに重要です。

例えば、次のような場面です。

  • 他人のアカウントでWebサービスへログインする
  • 退職者のID・パスワードを無断で使用する
  • 管理者用の認証情報を不正に入手して利用する
  • アクセス制御を回避して本来使えない機能を利用する

実務では、次のような対策にもつながります。

  • ID・パスワードを使い回さない
  • 多要素認証を利用する
  • 退職・異動時に不要なアカウントを停止する
  • ログイン履歴を確認する
  • 不審なアクセスを検知する

このように、法律の知識はセキュリティ対策の理由を理解する上でも役立ちます。

よくある誤解・混同

他人のID・パスワードを知っているだけで不正アクセス?

「知っていること」と「それを無断で使ってアクセスすること」は分けて考えます。

FE試験では、認証情報を無断使用してアクセスしたという行為が書かれているかを確認します。

電気通信事業法との違い

電気通信事業法は、電気通信事業や通信の秘密などと関係します。

他人のIDでログイン
→ 不正アクセス禁止法

通信の秘密・電気通信事業者
→ 電気通信事業法

刑法との違い

サイバー犯罪の中には、刑法が適用されるものもあります。

例えば、詐欺や電子計算機損壊等業務妨害、不正指令電磁的記録に関する罪などです。

ただし、他人の認証情報を使った不正ログインという特徴が前面に出ているなら、まず不正アクセス禁止法を疑います。

情報流通プラットフォーム対処法との違い

情報流通プラットフォーム対処法は、SNS、掲示板などで流通する情報と、プラットフォーム事業者による対応などに関係する法律です。

ログイン認証を突破
→ 不正アクセス禁止法

投稿・情報流通・プラットフォーム対応
→ 情報流通プラットフォーム対処法

問題文の舞台が「インターネット」だからといって、同じ法律になるわけではありません。

確認問題(基本情報技術者試験対策)

ある社員が、アクセス権限を失った元同僚のIDとパスワードを本人に無断で使用し、社内の経費精算システムへログインした。この行為と最も直接関係する法律はどれか。

  • ア. 不正アクセス禁止法
  • イ. 電気通信事業法
  • ウ. 著作権法
  • エ. 情報流通プラットフォーム対処法
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)

正解:ア

ポイントは、社内情報を閲覧した目的ではなく、他人のID・パスワードを無断で使用して、アクセス制御されたシステムへログインしたことです。

  • ア:〇 他人の認証情報を使った不正なアクセスに関係する
  • イ:× 電気通信事業や通信の秘密などが中心
  • ウ:× 著作物の利用や権利保護が中心
  • エ:× SNSなどの情報流通やプラットフォーム対応が中心

認証を突破した方法を見る → 不正アクセス禁止法

まとめ(試験直前用)

  • 他人のID・パスワードを無断で使ってログイン → 不正アクセス禁止法
  • アクセス制御を回避して本来できない利用をする行為にも注意
  • 通信の秘密・電気通信事業者 → 電気通信事業法
  • 詐欺・業務妨害・マルウェアなど → 刑法
  • SNSなどの情報流通・事業者対応 → 情報流通プラットフォーム対処法

試験では、

何をしようとしたかより、まず「どうアクセスしたか」を見る。

と覚えると、選択肢を切り分けやすくなります。

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