最終更新日:2026年10月2日
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まず結論
サービスの可用性(service availability)とは、合意した時点や期間に、サービスが要求された機能を実行できる能力です。
科目Aでは、「合意した時間」と「必要な機能を使えること」を組み合わせて判断します。計画した結果の達成度を表す有効性とは区別してください。
直感的な説明
平日9時から18時まで利用できる、施設の予約サービスを考えます。利用者に必要なのは、予約内容を入力して予約を完了できることです。
| 状況 | 予約機能の可用性の判断 |
|---|---|
| 合意した時間帯に予約を完了できる | 必要な機能を利用できている |
| サーバは動いているが、エラーで予約を完了できない | サーバの稼働だけでは、予約機能の可用性を満たせない |
| 合意した提供時間外にサービスを停止している | その停止だけで、合意した時間帯の可用性が未達とは判断できない |
電源が入っているかだけでなく、利用者に約束した機能が、約束した時間に使えるかを見ます。
定義・仕組み
時間・機能・対象を確認する
可用性を評価するには、次の条件を具体化する必要があります。
| 確認する条件 | 予約サービスでの例 |
|---|---|
| いつ使える必要があるか | 平日9時から18時まで |
| 何ができる必要があるか | 予約の登録・確認・取消し |
| 何を評価するか | サービス全体、または特定のサービス機能・構成要素 |
| どの停止を測定に含めるか | 計画保守や提供時間外の扱いを合意する |
サービスコンポーネントとは、サービスを構成する要素のことです。例えば認証機能やデータベースが使えないと、サーバ自体が動いていても予約を完了できない場合があります。
可用性とSLAの関係
SLA(サービスレベル合意)では、提供時間や可用性の目標値、測定条件などをサービス提供者と顧客が合意します。
- 可用性:合意した時間に必要な機能を利用できる能力
- SLA:サービスの内容や目標水準についての合意
- SLM(サービスレベル管理):合意した水準を監視し、改善する管理活動
「合意」という語だけでSLAを選ばず、能力の説明か、合意そのものの説明かを見分けます。
時間の割合で評価する例
可用性は能力を表す概念ですが、時間を基準にした稼働率で評価することがあります。
稼働率(%)= 合意した提供時間内で実際に利用できた時間 ÷ 合意した提供時間 × 100
測定対象の機能について、合意した提供時間が100時間、そのうち利用不能が1時間だったとします。測定から除外する停止はないものとします。
| 時間の内訳 | 時間 |
|---|---|
| 合意した提供時間 | 100時間 |
| その中で利用不能だった時間 | 1時間 |
| 実際に利用できた時間 | 99時間 |
稼働率は 99 ÷ 100 × 100 = 99% です。
分母を無条件に「1か月の全時間」にしてはいけません。24時間提供するサービスと、平日の営業時間だけ提供するサービスでは、合意した提供時間が異なります。
計画停止も自動的に除外されるわけではありません。除外するか、どの時間から除外するかは、SLAなどの合意条件を確認します。
サービスの概念・用語は、ISO/IEC 20000-10:2018:Concepts and vocabularyで扱われています。同規格は2025年に確認され、現行の規格として公開されています。この記事では定義を学習用に言い換えています。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、サービス管理に関する似た用語の説明を見分けることが重要です。
| 用語 | 注目する説明 | 判断の軸 |
|---|---|---|
| 可用性 | 合意した時点・期間に、要求された機能を実行できる | 必要な時間に使えるか |
| 有効性 | 計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度 | 計画どおりの結果になったか |
| サービス継続性 | 中断せず、または合意した安定した可用性でサービスを提供する能力 | サービス提供を継続できるか |
| サービスマネジメント | 要求を満たすために、提供者の活動・資源を指揮し管理する能力やプロセス | 提供全体をどう管理するか |
例えば「毎月の保守を予定どおり実施し、目標としていた障害削減を達成した」という説明は、計画した活動と結果に注目しているため、有効性の観点です。
一方、「利用者が合意した時間に予約を登録できる」という説明は、可用性の観点です。どちらもサービスの品質に関係しますが、評価しているものが異なります。
古い過去問では、サービス継続性を「サービスに深刻な影響を及ぼすリスクや事象を管理する能力」と表現することがあります。これは当時の定義に基づく表現です。現行の考え方では、サービス提供を中断させず、または合意した安定した可用性を維持して提供する能力として押さえます。
どんな場面で使う?
サービスを契約するとき
「稼働率99.9%以上」だけでは、何を測るかが分かりません。対象の機能、提供時間、停止の判定方法、計画保守の扱いも確認します。
運用状況を測定するとき
機器の監視に加え、利用者が必要な処理を完了できるかを確認します。予約サービスなら、ログインできることと予約を完了できることは別の確認項目です。
継続のための対策を考えるとき
冗長化や復旧手順、代替環境などにより、サービスを利用できる状態の維持・回復を図ります。可用性とサービス継続性は関連するため、別々の無関係な活動として覚えないようにします。
よくある誤解・混同
可用性は稼働率という数値そのもの?
可用性は、必要な機能を利用できる能力です。稼働率は、その能力を時間の割合で評価する指標の一つです。
直列・並列の構成から稼働率を求める計算は、直列・並列システムの稼働率で扱います。このページでは、サービスとして何を利用可能と判断するかを中心に扱っています。
有効性は「サービスが使えること」?
有効性では、計画した活動の実施と結果の達成を見ます。必要な時間にサービスを使える能力とは、判断の軸が異なります。
可用性は平常時、サービス継続性は災害時だけ?
災害や重大障害への備えは、サービス継続性を理解するための代表的な例です。ただし、用語を時間帯で完全に分けるものではありません。可用性は利用できる能力、サービス継続性は提供を継続できる能力として、説明の焦点を確認します。
応答が遅いだけで、必ず利用不能?
応答時間と可用性は、SLAでは別の目標として定めることがあります。遅延を利用不能と判定するかは、要求された機能や測定条件によります。独自の基準で停止時間に加えず、合意した条件に沿って判断します。
まとめ(試験直前用)
- 可用性は、合意した時間に要求された機能を利用できる能力。
- サーバの稼働だけでなく、対象のサービス機能が使えるかを見る。
- 有効性は計画した活動・結果の達成度、サービス継続性は提供を継続できる能力。
- SLAは目標水準の合意、可用性はその合意で扱う品質の一つ。
- 稼働率の分母や計画停止の扱いは、合意した提供時間・測定条件を確認する。