最終更新日:2026年7月17日
fe fe-strategy requirements-definition
まず結論
非機能要件とは、システムが「何をするか」ではなく、どの程度の品質で、どのように動くかを定める要件です。
代表例は次のとおりです。
- 性能
- 可用性
- 拡張性
- 運用性
- 保守性
- 移行性
- セキュリティ
FE試験では、次の切り分けが重要です。
何ができるか
→ 機能要件
どのくらい速く、安定して、安全に使えるか
→ 非機能要件
直感的な説明
オンラインショップを例に考えます。
商品を検索できる
→ 機能要件
検索結果を2秒以内に表示する
→ 非機能要件
「商品検索」という処理そのものは機能です。
一方で、「2秒以内」「同時に1,000人まで利用可能」「障害時も停止しにくい」といった条件は、機能の品質や制約を表します。
つまり、非機能要件は、利用者が感じる速さ・安定性・使いやすさ・安全性などを決めるものです。
定義・仕組み
機能要件
機能要件は、システムが実現する処理や機能を定めます。
例:
- 商品を検索する
- 注文を登録する
- 売上レポートを出力する
- 利用者を認証する
判断の中心は、システムが何をするかです。
非機能要件
非機能要件は、システムの品質や制約条件を定めます。
例:
- 画面を2秒以内に表示する
- 24時間365日利用できる
- 利用者数の増加に対応できる
- 障害時に30分以内で復旧する
- 通信を暗号化する
- 運用担当者が監視しやすい
判断の中心は、どの程度の品質で動くかです。
業務要件
業務要件は、業務そのものの進め方や役割を定めます。
例:
- 誰が承認するか
- どの部署が入力するか
- どの手順で処理するか
- 責任や権限をどう分けるか
業務をどう進めるか
→ 業務要件
システム化方針
システム化方針は、経営上・業務上の課題を踏まえ、なぜシステム化するのか、何を目指すのかを定めます。
例:
- 受注処理時間を短縮する
- 顧客満足度を向上させる
- 経営情報を迅速に把握する
- 業務コストを削減する
なぜシステム化するか
→ システム化方針
代表的な非機能要件
| 項目 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 性能 | 処理速度や処理量 | 応答時間2秒以内 |
| 可用性 | 必要なときに使える度合い | 稼働率99.9% |
| 拡張性 | 利用者やデータ増加への対応 | サーバー追加が可能 |
| 運用性 | 監視や日常運用のしやすさ | 障害を自動通知 |
| 保守性 | 修正や改善のしやすさ | モジュール化 |
| 移行性 | 新環境への移しやすさ | データ移行手順を整備 |
| セキュリティ | 情報を守る強さ | 暗号化、多要素認証 |
公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、説明文がどの種類の要件に当たるかを問われます。
判断の順番は次のとおりです。
1. 業務の手順や責任か
2. システムの処理内容か
3. システムの品質や制約か
4. 経営上の目的や成果か
対応は次のようになります。
| 問題文の特徴 | 選ぶもの |
|---|---|
| 業務手順、組織、責任、権限 | 業務要件 |
| 利用者の操作、処理内容、情報の流れ | 機能要件 |
| 性能、可用性、保守性、セキュリティ | 非機能要件 |
| 経営課題、成果、目標 | システム化方針 |
特に、次の言葉が出たら非機能要件を疑います。
- 応答時間
- 同時接続数
- 稼働率
- 復旧時間
- 拡張性
- 保守性
- 暗号化
- 監視
どんな場面で使う?
非機能要件は、システム開発の早い段階で明確にします。
例えば、同じ「注文登録機能」でも、次の条件によって設計は大きく変わります。
1日100件だけ処理する
1秒間に1,000件処理する
また、障害時の許容停止時間が5分なのか、翌日まで復旧すればよいのかでも、必要な設備や費用は変わります。
非機能要件が曖昧だと、機能は完成していても、次の問題が起きます。
- 処理が遅い
- 利用者が増えると停止する
- 障害から復旧できない
- 運用担当者が監視できない
- セキュリティが不足する
そのため、機能要件と同じように、測定可能な形で定めることが重要です。
速く表示する
→ 曖昧
通常時は2秒以内に表示する
→ 測定可能
よくある誤解・混同
誤解1:非機能要件は重要ではない
「非機能」という言葉から、重要ではない要件だと誤解しやすいですが、そうではありません。
性能や可用性が不足すると、機能が正しくても実用になりません。
誤解2:セキュリティはすべて非機能要件
同じテーマでも、何を定めるかによって分類が変わります。
ログイン機能を用意する
→ 機能要件
3回失敗したらアカウントをロックする
→ セキュリティ上の制約
→ 非機能要件として扱われることがある
誤解3:可用性と機能性は同じ
必要な機能を備えている
→ 機能性
必要なときに停止せず使える
→ 可用性
機能が存在していても、システムが停止していれば利用できません。
誤解4:性能は処理速度だけ
性能には、応答時間だけでなく、処理件数、同時接続数、データ量なども含まれます。
誤解5:曖昧な表現でも要件になる
「高速」「十分な安全性」「停止しにくい」だけでは評価できません。
数値や条件を付けて、確認できる形にします。
稼働率99.9%以上
障害発生から30分以内に復旧
同時接続1,000人に対応
確認問題(基本情報技術者試験対策)
次のうち、非機能要件に該当するものはどれか。
- ア. 利用者が商品名から在庫を検索できる
- イ. 受注担当者が承認後に出荷処理を行う
- ウ. 検索結果を通常時2秒以内に表示する
- エ. 顧客満足度を向上させるためにシステム化する
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正解:ウ
「2秒以内」は、検索機能の応答性能を定めているため、非機能要件です。
- ア:機能要件
- イ:業務要件
- ウ:非機能要件
- エ:システム化方針
まとめ(試験直前用)
- 何ができるか → 機能要件
- どの程度の品質で動くか → 非機能要件
- 業務の手順・責任・権限 → 業務要件
- 経営上の目的・成果 → システム化方針
- 性能、可用性、拡張性、運用性、保守性、移行性は非機能要件
試験中は、次の一文で切り分けます。
動作の内容は機能、動作の品質は非機能