最終更新日:2026年8月18日
fe fe-technology network operation-management
まず結論
ネットワークの構成管理とは、ネットワーク機器や接続関係、設定内容などの情報を整理し、現在の状態を正しく把握できるように保つことです。
基本情報技術者試験では、次の判断が重要です。
変更しないようにする
→ ×
必要な変更に対応できるようにする
→ ○
そのために
→ 機器管理台帳やネットワーク図を最新に保つ
構成管理は、変更を止めるためではなく、変更しても状態を追えるようにするための管理です。
直感的な説明
ネットワークを工場の配管図のように考えると分かりやすいです。
設備を追加したり、配管を交換したりしたのに、図面が古いままだと、次にトラブルが起きたときにどこを確認すればよいか分かりません。
ネットワークも同じです。
スイッチを交換した
↓
接続先が変わった
↓
IPアドレスや設定も変わった
↓
台帳・構成図へ反映する
実際の構成と資料が一致していれば、障害対応や次の変更をすばやく行えます。
定義・仕組み
ネットワーク構成管理では、現在どの機器が、どこにあり、どのようにつながり、どんな設定になっているかを管理します。
代表的な管理対象は次のとおりです。
- 機器名
- 機種・型番
- IPアドレス
- 設置場所
- 接続先
- VLANなどの論理構成
- ソフトウェアやファームウェアの版
- 主な設定内容
- 変更履歴
機器管理台帳
機器管理台帳は、ネットワーク機器の情報を一覧で管理する資料です。
機器名:SW-01
設置場所:3階サーバ室
IPアドレス:192.0.2.10
接続先:RT-01、SW-02
こうした情報が最新であれば、交換対象や影響範囲を確認しやすくなります。
ネットワーク図
ネットワーク図は、機器同士の接続関係を視覚的に表したものです。
インターネット
↓
ルータ
↓
コアスイッチ
├─ 部門A
├─ 部門B
└─ サーバ群
機器を追加・交換したときは、実際の構成に合わせて図も更新します。
なぜ運用開始後にも変更するのか
ネットワークは、構築時に完成して終わりではありません。
運用中にも次のような変更が発生します。
- 機器の追加・交換
- 拠点の追加
- IPアドレスの変更
- VLAN構成の変更
- セキュリティ対策のための設定変更
- 障害対応
- ファームウェア更新
そのため、運用開始後は変更しないという考え方ではなく、変更を安全に実施し、その結果を記録することが大切です。
このテーマは、基本情報技術者試験のネットワーク運用やサービスマネジメントに関係します。公式の出題範囲は、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、運用開始後のネットワーク変更について、適切な管理方法を選ぶ問題として出ます。
判断軸1:属人化していないか
経験豊富な担当者だけが把握
→ ×
台帳・構成図で組織として把握
→ ○
複雑なネットワークほど、ベテランの記憶だけに頼るのは危険です。
担当者が変わっても状態を確認できるように、記録を残します。
判断軸2:変更を禁止していないか
運用開始後は変更しない
→ ×
必要な変更を管理しながら行う
→ ○
脆弱性対応や障害対応など、変更が必要になる場面はあります。
判断軸3:すべて停止する必要があるか
構成変更のたびに、すべての業務アプリケーションを必ず停止するとは限りません。
変更内容や影響範囲を確認し、必要な範囲で停止や切替えを行います。
判断軸4:変更後の情報を更新しているか
機器を交換したのに台帳が古いままだと、次の障害対応で誤った判断をする可能性があります。
実機の状態
=
台帳・ネットワーク図の状態
この一致を保つことが構成管理の基本です。
どんな場面で使う?
機器を交換したとき
故障したスイッチを新しい機器へ交換した場合、次の情報を更新します。
- 型番
- 管理番号
- IPアドレス
- 接続先
- 設置場所
- 設定内容
VLANやIPアドレスを変更したとき
論理構成が変わった場合も、ネットワーク図やアドレス管理表へ反映します。
障害対応するとき
構成情報が最新なら、どの機器や回線が影響を受けているかを確認しやすくなります。
次の変更を計画するとき
現在の構成が分かれば、変更による影響範囲を検討できます。
よくある誤解・混同
構成管理と変更管理は同じ
似ていますが、中心となる役割が違います。
構成管理
→ 今、何がどの状態なのかを管理する
変更管理
→ 変更をどう申請・承認・実施するかを管理する
たとえば、
現在のIPアドレスは何か
どのスイッチにつながっているか
→ 構成管理
誰が変更を承認するか
いつ変更するか
失敗したらどう戻すか
→ 変更管理
と切り分けます。
ベテランがいれば台帳は不要
誤りです。
担当者の経験は重要ですが、個人の記憶だけに依存すると属人化します。
構成情報を記録して、誰でも確認できる状態にしておくことが大切です。
セキュリティのために変更しない方がよい
誤りです。
セキュリティ更新や脆弱性対応のために、設定や機器を変更する必要がある場合があります。
重要なのは、変更を禁止することではなく、管理された状態で変更することです。
ネットワーク図は構築時だけ作ればよい
誤りです。
運用中に構成が変われば、資料も更新しなければなりません。
古い構成図は、障害対応や次の変更で誤判断の原因になります。
確認問題(FE試験対策)
社内LANで使用しているスイッチが故障したため、新しい機器へ交換した。交換後も、障害対応や今後の構成変更を迅速に行えるようにするための対応として最も適切なものはどれか。
- ア. 新しいスイッチの情報は担当者だけが把握し、台帳は変更しない
- イ. 今後の変更を避けるため、交換後は設定を一切変更しない
- ウ. 交換作業のたびに、関係のない業務システムも含めてすべて停止する
- エ. 機器管理台帳とネットワーク構成図に、交換後の機器情報と接続関係を反映する
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:エ
構成管理では、実際のネットワーク構成と管理資料を一致させておくことが重要です。
スイッチを交換した場合は、機器管理台帳やネットワーク構成図へ新しい機器情報・接続関係を反映します。
- ア:× 担当者だけに依存すると属人化する
- イ:× 必要な変更まで禁止するのは適切ではない
- ウ:× 変更のたびに全システムを停止する必要はない
- エ:○ 最新の構成情報を維持する構成管理の考え方
👉 判断ポイント
変更を止めるのではなく、変更後の状態を追えるようにすると考えます。
まとめ(試験直前用)
- ネットワーク構成管理は、機器・接続・設定の現在状態を把握するための管理
- 機器管理台帳やネットワーク図は、構成変更のたびに更新する
- 運用開始後も必要に応じて変更する
- ベテラン個人の記憶に依存しない
- 構成管理=今の状態、変更管理=変更の進め方
変更を禁止するのではなく、変更しても最新状態を追えるようにする。