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最終更新日:2026年9月23日

まず結論

正味現在価値法(NPV:Net Present Value)は、将来得られるキャッシュフローを現在の価値に換算し、初期投資額と比べて投資を評価する方法です。

試験では、まず次の2点を押さえます。

同じ金額なら
早く受け取る方が現在価値は高い

NPV > 0
→ 投資によって価値が増える

計算式を覚える前に、「未来のお金を今日の価値に戻して比べる」と理解すると判断しやすくなります。

直感的な説明

今すぐ受け取る100万円と、3年後に受け取る100万円を比べます。

金額だけを見ると同じ100万円です。

しかし、正味現在価値法では受け取る時期も考えます。

今の100万円
→ そのまま100万円の価値

3年後の100万円
→ 現在価値に割り引いて考える

将来受け取るお金ほど現在価値は小さくなります。

そのため、回収総額が同じ投資案なら、より早く多く回収できる案の方が有利になります。

定義・仕組み

現在価値

割引率を r、n年後に受け取る金額を C とすると、現在価値は次のように考えます。

現在価値 = C ÷ (1 + r)^n

たとえば割引率5%なら、

1年後の100万円
100 ÷ 1.05
≒ 95.2万円

2年後の100万円
100 ÷ 1.05²
≒ 90.7万円

3年後の100万円
100 ÷ 1.05³
≒ 86.4万円

となります。

同じ100万円でも、受け取る時期が遅いほど現在価値は小さくなります。

正味現在価値(NPV)

NPVは、将来のキャッシュフローを現在価値に換算して合計し、初期投資額を差し引きます。

NPV
= 将来キャッシュフローの現在価値の合計
  - 初期投資額

一般には、

NPV
= C1/(1+r)
+ C2/(1+r)^2
+ ...
+ Cn/(1+r)^n
- 初期投資額

と表せます。

試験対策では、式そのものより「将来ほど強く割り引く」ことを先に理解しておきます。

科目Aでどう出る?

回収総額が同じなら、まず時期を見る

たとえば、どちらも3年間で240万円を回収するとします。

案A
1年目 40万円
2年目 80万円
3年目 120万円

案B
1年目 120万円
2年目 80万円
3年目 40万円

回収総額は同じ240万円です。

しかし割引率がプラスなら、案Bの方が早い時期に多く回収できます。

総回収額が同じ
+
割引率がプラス
↓
早く回収できる案ほど
現在価値が大きい

このタイプなら、すべてを計算する前に候補を絞れます。

最後に初期投資額を引く

ここも重要です。

将来キャッシュフローの現在価値
= 221万円

初期投資
= 220万円

NPV
= 221 - 220
= +1万円

現在価値の合計が大きいだけで終わらず、初期投資額を差し引いたNPVで判断します。

NPV > 0
→ 投資によって価値が増える

NPV = 0
→ 現在価値では損得なし

NPV < 0
→ 投資によって価値が減る

「投資しない」という選択肢がある場合は、NPVが0の基準と比較することもできます。

どんな場面で使う?

NPVは、設備投資やシステム導入など、最初に投資し、その後に複数年にわたって効果や収入が得られる案を比較するときに使えます。

たとえば、

設備を導入
↓
初期投資が発生
↓
1年目の効果
2年目の効果
3年目の効果
...
↓
現在価値に換算
↓
初期投資と比較

という流れです。

単純な回収総額だけでなく、いつキャッシュフローが発生するかまで評価できる点がポイントです。

よくある誤解・混同

誤解1:回収総額が同じなら投資効果も同じ

違います。

割引率がプラスなら、同じ金額でも早く受け取る方が現在価値は高くなります。

早く回収
→ 割引の影響が小さい
→ 現在価値が高い

遅く回収
→ 割引の影響が大きい
→ 現在価値が低い

誤解2:現在価値の合計が一番大きければ必ず投資する

初期投資額も考える必要があります。

最終的には、

NPV
= 現在価値の合計 - 初期投資額

を確認します。

誤解3:割引率が高いほど将来のお金の現在価値も高くなる

逆です。

分母の (1 + r)^n が大きくなるため、割引率が高いほど将来キャッシュフローの現在価値は小さくなります。

誤解4:NPVと回収期間法は同じ

回収期間法は、初期投資を何年で回収できるかを見る方法です。

NPVは、将来キャッシュフローを現在価値に換算した上で投資価値を評価します。

「何年で戻るか」と「現在価値でいくら増えるか」を混同しないようにします。

一次情報で確認する

IPAは、基本情報技術者試験の学習範囲をシラバスとして公開しています。

また、経済産業省の資料でも、NPVは将来キャッシュフローを割引率で現在価値に換算し、初期投資額を差し引く方法として整理されています。

試験では、複雑なファイナンス理論まで広げるより、現在価値・割引率・キャッシュフロー・初期投資の関係を理解することを優先します。

まとめ(試験直前用)

  • NPV → 将来のお金を現在価値に直し、初期投資を引く
  • 同じ金額なら早く受け取るほど有利
  • NPV > 0 なら投資によって価値が増える

迷ったら、

未来のお金
↓
現在価値に戻す
↓
合計する
↓
初期投資を引く
↓
NPVで判断

の順番で考えます。

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