最終更新日:2026年8月7日
fe technology hardware logic-circuit
まず結論
NAND(Not AND)とは、ANDの結果を反転する論理演算です。
科目Aでは、次の判断軸を押さえると選択肢を切れます。
AとBが両方1
→ NANDは0
それ以外
→ NANDは1
論理式では、次のように表します。
NAND = ¬(A・B)
NANDの重要な特徴は、NANDだけでNOT・AND・ORなどの基本論理回路を作れることです。
この性質から、NANDは万能ゲートと呼ばれます。
直感的な説明
NANDは、ANDの答えを最後に反対へひっくり返したものです。
ANDは、AとBの両方が1のときだけ1になります。
AND
00 → 0
01 → 0
10 → 0
11 → 1
NANDは、この結果を反転します。
NAND
00 → 1
01 → 1
10 → 1
11 → 0
したがって、NANDは次のように覚えられます。
11のときだけ0
→ NAND
回路記号では、ANDゲートの出力側に小さな丸が付いた形で表されます。
ANDゲート
+
出力を反転する丸
→ NANDゲート
定義・仕組み
NANDの真理値表
NANDの入力と出力を整理すると、次のようになります。
| A | B | AND | NAND |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 1 |
| 0 | 1 | 0 | 1 |
| 1 | 0 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 1 | 0 |
ANDの列を反転すると、NANDの列になります。
AND
0 0 0 1
反転
↓
NAND
1 1 1 0
論理式
ANDは、論理積の記号を使って次のように表します。
A・B
NANDは、その全体を否定します。
¬(A・B)
否定の位置が重要です。
¬(A・B)
→ ANDの結果全体を反転
→ NAND
NANDだけでNOTを作る
NANDの2つの入力へ、同じ値Aを入れます。
A NAND A
= ¬(A・A)
= ¬A
Aが0なら出力は1、Aが1なら出力は0になります。
| A | A NAND A |
|---|---|
| 0 | 1 |
| 1 | 0 |
したがって、次の対応になります。
NANDの両方へ同じ入力
→ NOT
NANDだけでANDを作る
最初のNANDで、ANDの結果を反転します。
X = A NAND B
= ¬(A・B)
次に、Xを同じNANDの両入力へ入れて、もう一度反転します。
X NAND X
= ¬X
= A・B
つまり、NANDを2段使うとANDを作れます。
A・B
↓ 反転
¬(A・B)
↓ もう一度反転
A・B
NANDだけでORを作る
ORは、ド・モルガンの法則を使うと次のように表せます。
A+B = ¬(¬A・¬B)
まず、AとBをそれぞれNANDで反転します。
A NAND A
→ ¬A
B NAND B
→ ¬B
その2つをNANDへ入力します。
¬A NAND ¬B
= ¬(¬A・¬B)
= A+B
したがって、NANDだけでORも作れます。
万能ゲートと呼ばれる理由
論理回路では、NOT・AND・ORを組み合わせることで、多くの論理式を表せます。
NANDだけで、この3つをすべて作れます。
NANDだけで
NOTを作れる
ANDを作れる
ORを作れる
→ 他の論理回路も構成できる
→ 万能ゲート
どんな場面で使う?
デジタル回路の設計
NANDは、CPU、メモリ、制御回路などを構成する基本的な論理ゲートです。
複数種類のゲートを使わず、NANDを中心に回路を構成できれば、部品の種類をそろえやすくなります。
論理式の変換
科目Aでは、真理値表や論理式から、どの論理演算かを判断する問題が出ます。
11だけ0
→ NAND
00だけ1
→ NOR
01と10だけ1
→ XOR
出力が1または0になる組合せを確認すると、用語を切り分けられます。
ド・モルガンの法則の理解
NANDからORを作るには、ド・モルガンの法則を使います。
¬(A・B) = ¬A + ¬B
¬(A+B) = ¬A・¬B
NANDとNORを学ぶと、否定を含む論理式の変形も理解しやすくなります。
よくある誤解・混同
NANDとANDを逆にしない
| A | B | AND | NAND |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 1 |
| 0 | 1 | 0 | 1 |
| 1 | 0 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 1 | 0 |
覚え方は次のとおりです。
AND
→ 11だけ1
NAND
→ 11だけ0
NANDのNは、NOTのNと考えると分かりやすいです。
NANDとNORの違い
NORは、ORの結果を反転する論理演算です。
| A | B | NAND | NOR |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 1 | 1 |
| 0 | 1 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 1 | 0 |
| 1 | 1 | 0 | 0 |
NAND
→ 11だけ0
NOR
→ 00だけ1
NANDとXORの違い
NANDとXORは、01 と 10 のときはどちらも1です。
違いは 00 のときに現れます。
| A | B | NAND | XOR |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 1 | 0 |
| 0 | 1 | 1 | 1 |
| 1 | 0 | 1 | 1 |
| 1 | 1 | 0 | 0 |
00のとき
NAND → 1
XOR → 0
XORは「片方だけ1」、NANDは「両方1ではない」と考えると切り分けやすくなります。
否定する範囲に注意する
NANDは、ANDの結果全体を否定します。
¬(A・B)
→ NAND
一方、次の式は意味が異なります。
¬A・B
→ Aだけを反転してからAND
否定記号がどこまで掛かっているかを確認します。
科目Aでの切り分け
まず、出力が0になる組合せを探します。
11だけ0
→ NAND
01と10だけ0ではない
→ XORではない
00だけ1ではない
→ NORではない
次に、論理式を確認します。
¬(A・B)
→ NAND
¬(A+B)
→ NOR
真理値表と論理式の両方から確認できれば、選択肢を安全に切れます。
まとめ(試験直前用)
- NANDは、ANDの結果を反転する論理演算
- 論理式は
¬(A・B) 11のときだけ出力が0になる- NANDの両入力へ同じ値を入れるとNOTになる
- NANDを2段使うとANDを作れる
- ド・モルガンの法則を使うとORも作れる
- NANDだけで基本ゲートを構成できるため、万能ゲートと呼ばれる
- NORは
00のときだけ1、XORは入力が異なるときだけ1
11だけ0
→ NAND
NANDだけで
NOT・AND・ORを作れる
→ 万能ゲート