最終更新日:2026年8月17日
fe fe-technology network security
まず結論
インターネットVPNは、公衆のインターネット上に、暗号化などを使って安全な仮想通信路を作る仕組みです。
FE試験では、まず次の切り分けを覚えると判断しやすくなります。
通信内容を読まれにくくする
→ 暗号化
通信内容が書き換えられていないか守る
→ 完全性保護
接続先や通信相手を確認する
→ 認証
個々の利用者本人を識別する
→ ID・パスワードや多要素認証など
VPNは通信路を安全にする仕組みであり、利用者本人の識別まで自動的に行う仕組みではありません。
直感的な説明
インターネットVPNは、みんなが使う道路の中に、安全な通路を作るようなイメージです。
インターネットそのものは、多くの利用者が共有する通信網です。
そのまま重要な情報を送るのではなく、通信内容を暗号化し、改ざんされていないか確認できるようにすることで、離れた拠点同士や自宅と社内ネットワークの間を安全に接続します。
公衆インターネット
↓
暗号化などで保護
↓
仮想的な安全な通信路
→ VPN
ただし、ここで注意したいのが通信路の安全性と利用者本人の確認は別だという点です。
たとえば、自宅から社内へVPN接続できても、
この接続をしているのは社員A本人か?
まで確実に確認するには、ID・パスワード、ワンタイムパスワード、多要素認証などを別途組み合わせます。
定義・仕組み
VPNは Virtual Private Network の略です。
Virtual
→ 仮想的
Private
→ 私的・閉じた通信
Network
→ ネットワーク
インターネットVPNでは、物理的な専用線を敷設するのではなく、インターネットという共有ネットワーク上に仮想的な通信路を構築します。
暗号化
通信内容を第三者に読まれにくくします。
平文
↓ 暗号化
読んでも意味が分からないデータ
インターネット経由の通信では、盗聴される可能性を考えて暗号化を使います。
完全性保護
途中で通信内容が書き換えられていないかを確認します。
代表的な考え方として、MAC(Message Authentication Code:メッセージ認証コード)などがあります。
盗聴対策
→ 暗号化
改ざん対策
→ 完全性保護・MACなど
認証
VPNでは、接続する機器や通信相手が正しい相手かを確認する仕組みを使うことがあります。
ただし、通信相手の認証と個々の利用者本人の識別は同じではありません。
VPN装置・接続先を確認
→ 通信相手の認証
社員A本人か確認
→ ユーザ認証
IPsecとの関係
インターネットVPNでは、IPsecなどの技術を使って通信を保護する方式があります。
FE試験では、まず次の役割を押さえれば十分です。
IPsec
→ IP通信を暗号化・認証して保護する技術
科目Aでどう出る?
科目Aでは、インターネットVPNの特徴やセキュリティ機能を選ばせる問題として出やすいです。
判断ポイント1:インターネットだから危険がない?
違います。
インターネットVPNは公衆インターネットを使うため、盗聴や改ざんなどの危険を考える必要があります。
そのため、暗号化や完全性保護を使います。
判断ポイント2:仮想トンネルは物理的な専用線?
違います。
専用線
→ 物理的・通信事業者の専用回線
VPNトンネル
→ 共有ネットワーク上の仮想的な通信路
「トンネル」という言葉が出ても、物理的な専用回線とは限りません。
判断ポイント3:VPNなら利用者本人まで分かる?
VPNだけでは十分とは限りません。
VPNは通信路を保護する仕組みですが、個々の利用者を確実に識別するには、別途ユーザ認証を組み合わせます。
VPN
→ 通信路を守る
ID・パスワード、多要素認証
→ 利用者本人を確認する
判断表
| 説明 | 判断 |
|---|---|
| 通信内容を暗号化する | VPNのセキュリティ機能として適切 |
| 通信内容の改ざんを防ぐ・検知する | 適切 |
| 公衆インターネット上に仮想通信路を作る | 適切 |
| VPNだけで個々の利用者本人を必ず識別できる | 不適切 |
どんな場面で使う?
拠点間接続
本社と支社など、離れたネットワーク同士を安全に接続するために使います。
本社LAN
↓
インターネットVPN
↓
支社LAN
リモートアクセス
自宅や外出先から社内ネットワークへ安全に接続するときにも使います。
ただし、リモートアクセスでは、VPNだけでなくユーザ認証も重要です。
コストを抑えて接続したい場合
物理的な専用線を新たに用意するより、既存のインターネット回線を利用できるため、コスト面で有利になる場合があります。
よくある誤解・混同
VPNなら専用線と同じ
違います。
インターネットVPNは、共有されているインターネット上に仮想的な専用通信路を作る仕組みです。
物理的に利用者だけが使う回線とは限りません。
暗号化すれば本人確認もできる
違います。
暗号化は、主に通信内容を第三者に読まれにくくするためのものです。
暗号化
→ 内容を読まれにくくする
認証
→ 相手が正しいか確認する
さらに、個々の利用者本人を確認するには、ユーザ認証が必要です。
VPNなら盗聴も改ざんも絶対に起きない
VPNは盗聴・改ざんへの対策を強化しますが、「VPNという名前だから絶対安全」と考えるのは危険です。
設定や認証方式、端末側の安全性なども重要です。
インターネットVPNとIP-VPNは同じ
同じではありません。
インターネットVPN
→ 公衆インターネットを利用
IP-VPN
→ 通信事業者の閉域網を利用
FE試験では、この違いも選択肢の切り分けに使えます。
確認問題(FE試験対策)
ある会社では、自宅から社内ネットワークへ接続するためにインターネットVPNを利用している。通信内容は暗号化されているが、会社は「接続している人が本当に社員本人か」をより確実に確認したい。
この目的に最も直接対応する対策はどれか。
- ア. VPNトンネルの暗号化方式を変更する
- イ. 回線速度を上げる
- ウ. 多要素認証を導入する
- エ. IPアドレスを固定する
▶ クリックして答えと解説を見る(ここを開く)
正解:ウ
確認したいのは通信内容ではなく、利用者本人かどうかです。
暗号化は通信内容を守る仕組みであり、個々の利用者本人の確認にはユーザ認証が必要です。
多要素認証では、パスワードだけでなく、ワンタイムパスワードや端末など複数の要素を使って本人確認を強化できます。
👉 判断ポイント
VPNは通信路を守る。利用者本人を確認するには認証を組み合わせる。
まとめ(試験直前用)
- インターネットVPNは、公衆インターネット上に仮想的な安全な通信路を作る
- 暗号化は盗聴対策、完全性保護は改ざん対策
- VPNトンネルは物理的な専用線ではない
- VPNの通信相手認証と、個々の利用者本人の識別は別
- VPNは通信路を守る。ユーザ認証は利用者本人を確認する