最終更新日:2026年8月14日
fe fe-strategy system-strategy cost
まず結論
イニシャルコストとは、システムを導入して稼働を始めるまでにかかる初期費用です。
ランニングコストとは、システムが稼働した後、運用を続けるために継続してかかる費用です。
基本情報技術者試験では、次のように切り分けると判断しやすいです。
導入まで
→ イニシャルコスト
稼働後
→ ランニングコスト
さらに、
イニシャルコスト
+
ランニングコスト
↓
TCO
と整理すると、関連用語まで一緒に覚えられます。
直感的な説明
新しいシステムを導入するときには、最初にまとまった費用がかかります。
例えば、
サーバ購入
ソフトウェア導入
システム開発
要件定義
初期設定
などです。
これらは、システムを使い始める前に必要なため、イニシャルコストです。
一方、システムを使い始めた後にも費用はかかります。
例えば、
保守
運用
ライセンス更新
消耗品
電気代
などです。
これらは、使い続けるための費用なのでランニングコストです。
つまり、
買う・作る・導入する
→ イニシャルコスト
保守する・運用する・更新する
→ ランニングコスト
と考えると分かりやすいです。
定義・仕組み
システムにかかる費用は、大きく初期費用と運用費用に分けて考えることができます。
イニシャルコスト
イニシャルコストは、システムの導入・構築に必要な初期費用です。
代表的なものには、
- ハードウェア購入費
- ソフトウェア導入費
- システム開発費
- 要件定義にかかる費用
- コンサルティング費用
- 初期設定費用
- 導入時の教育費用
などがあります。
判断するときは、
まだ本番稼働していない
ことがポイントです。
ランニングコスト
ランニングコストは、システム稼働後に継続して発生する費用です。
代表的なものには、
- ハードウェア保守費
- ソフトウェア保守費
- サポート契約費
- ライセンス更新費
- 運用担当者の人件費
- 電気代
- 通信費
- 消耗品費
などがあります。
判断するときは、
本番稼働後も継続してかかる
ことがポイントです。
TCO
TCOは、Total Cost of Ownership の略です。
システムにかかる費用を、導入時だけではなく、運用・保守まで含めて総合的に考える概念です。
TCO
=
イニシャルコスト
+
ランニングコスト
と考えると分かりやすいです。
実際には、廃棄・移行などの費用まで含めて考える場合もありますが、FEではまず、
最初の費用
+
使い続ける費用
という理解で十分です。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、費用の具体例から、イニシャルコストかランニングコストかを判断する問題が出ます。
判断表
| 費用 | 分類 |
|---|---|
| サーバ購入費 | イニシャルコスト |
| ソフトウェアパッケージ導入費 | イニシャルコスト |
| 要件定義を行うシステムエンジニアの費用 | イニシャルコスト |
| 導入前のコンサルティング費用 | イニシャルコスト |
| サーバの保守費用 | ランニングコスト |
| 運用担当者の人件費 | ランニングコスト |
| ライセンス更新費 | ランニングコスト |
| 稼働後のサポート契約費 | ランニングコスト |
試験中の切り分け
問題文を見たら、まず、
その費用は
導入前?
稼働後?
を確認します。
導入前
→ イニシャルコスト
稼働後
→ ランニングコスト
これだけで多くの問題を切れます。
どんな場面で使う?
イニシャルコスト・ランニングコスト・TCOは、システム導入の費用を比較するときに使います。
例えば、2つのシステム案があるとします。
システムA
初期費用:高い
運用費用:低い
システムB
初期費用:低い
運用費用:高い
初期費用だけを見るとBが安く見えます。
しかし、長期間運用すると、
Bの運用費用が積み重なる
可能性があります。
そのため、
導入時だけでなく
運用期間全体で見る
→ TCO
という考え方が重要になります。
よくある誤解・混同
ソフトウェア費用は全部イニシャルコスト?
必ずではありません。
最初に購入・導入する費用
→ イニシャルコスト
毎年更新するライセンス費用
→ ランニングコスト
のように、同じ「ソフトウェア費用」でも発生するタイミングで変わります。
保守費用はイニシャルコスト?
基本的には違います。
保守は通常、システム稼働後に発生するため、
保守
→ ランニングコスト
と判断します。
開発者の人件費はランニングコスト?
導入前の開発や要件定義にかかる人件費なら、イニシャルコストです。
要件定義
設計
開発
導入
→ イニシャルコスト
一方、稼働後の運用担当者の人件費ならランニングコストです。
費用の種類だけで判断すればよい?
種類だけを見ると間違えることがあります。
重要なのは、
いつ発生する費用か
です。
導入まで
→ イニシャル
稼働後
→ ランニング
と時間軸で判断します。
確認問題(基本情報技術者試験対策)
情報化に関する費用のうち、ランニングコストに該当するものはどれか。
- ア. サーバなど情報機器の保守費用
- イ. 情報システム戦略立案のコンサルティング費用
- ウ. ソフトウェアパッケージの導入費用
- エ. 要件定義を行うシステムエンジニアの費用
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正解:ア
サーバなど情報機器の保守費用は、システム稼働後に継続してかかる費用なので、ランニングコストです。
- イ:導入前の検討・企画にかかるためイニシャルコスト
- ウ:導入時にかかるためイニシャルコスト
- エ:要件定義は導入前の作業なのでイニシャルコスト
です。
まとめ(試験直前用)
- イニシャルコストは、導入・構築までにかかる費用
- ランニングコストは、稼働後に継続してかかる費用
- 保守費用はランニングコスト
- 導入費・要件定義・開発費はイニシャルコスト
- 「いつ発生する費用か」で判断する
- 導入まで → イニシャル、稼働後 → ランニング
- TCOは、導入から運用まで含めた総費用