最終更新日:2026年7月15日
fe fe-strategy business-strategy semiconductor
まず結論
ファブレス企業とは、半導体の企画・設計・開発は自社で行う一方、自社の製造工場を持たず、製造を外部へ委託する企業です。
基本情報技術者試験では、次の切り分けが重要です。
設計する・工場を持たない
→ ファブレス
製造を専門に請け負う
→ ファウンドリ
設計から製造まで自社で行う
→ IDM
問題文に 「企画・設計は自社」 と 「製造工場を持たない」 がそろっていたら、ファブレスを疑います。
直感的な説明
半導体事業を、設計と製造に分けて考えます。
回路や製品を考える
→ 設計
実際に半導体を作る
→ 製造
ファブレス企業は、設計に集中し、実際の製造は外部企業へ依頼します。
ファブレス企業
企画・設計・開発
↓ 製造を委託
ファウンドリ
半導体を製造
fab は半導体製造工場を表します。
そのため、fabless は文字どおり、fabを持たない企業と考えると覚えやすいです。
定義・仕組み
ファブレス企業は、半導体製品の企画、回路設計、製品開発、販売などを行いますが、自社で半導体製造工場を所有しません。
製造は、半導体製造を専門とするファウンドリへ委託します。
| 役割 | 主な担当 |
|---|---|
| ファブレス | 製品企画、回路設計、開発、販売 |
| ファウンドリ | 半導体の受託製造 |
ファブレス企業には、次のような特徴があります。
- 巨額の製造設備投資を抑えられる
- 工場の維持管理を外部へ任せられる
- 設計や製品開発へ経営資源を集中しやすい
- 製造能力や納期を委託先に依存する
一方、ファウンドリ側は、多数の企業から製造を受託し、製造設備や生産技術を活用します。
複数のファブレス企業
↓ 製造を依頼
ファウンドリ
↓
半導体を製造
このテーマは、基本情報技術者試験の「経営戦略」や「ビジネスモデル」と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、企業の説明文から、ファブレス、ファウンドリ、IDM、ODMなどを選ぶ形で出題されやすいです。
判断するときは、次の3点を確認します。
1. 誰が設計するか
2. 誰が製造するか
3. 誰のブランドで販売するか
ファブレスを選ぶ手掛かり
次の表現があれば、ファブレスを疑います。
- 半導体の企画・設計・開発を行う
- 自社工場を持たない
- 半導体製造を外部企業へ委託する
- 自社ブランドで製品を販売する
設計は自社
+
製造工場なし
→ ファブレス
ファウンドリを選ぶ手掛かり
ファウンドリは、他社から設計データを受け取り、半導体製造を専門に請け負う企業です。
委託者の依頼を受ける
+
自社工場で製造する
→ ファウンドリ
IDMを選ぶ手掛かり
IDMは、半導体の設計から製造までを自社で一貫して行う企業です。
設計あり
+
自社工場あり
→ IDM
ODMを選ぶ手掛かり
ODMは、製品の設計と製造を受託し、発注元のブランドで納品する企業です。
設計も製造も受託する
+
相手先ブランドで納品
→ ODM
どんな場面で使う?
ファブレスという考え方は、半導体産業の役割分担を理解する場面で使います。
例えば、ある企業が高性能な半導体を設計していても、自社で巨大な製造工場を建設するとは限りません。
設計技術に強い
↓
製造設備は持たない
↓
製造を専門企業へ委託する
このように、設計と製造を分業することで、それぞれの企業が得意分野へ集中できます。
また、企業分析では、次の点を見る材料にもなります。
- 設計力や知的財産が競争力か
- 製造設備を持つか
- 製造委託先への依存度が高いか
- 生産能力や供給不足の影響を受けやすいか
ただし、FE試験では企業分析の深掘りよりも、設計・製造・工場所有の役割分担を正しく切り分けることが優先です。
よくある誤解・混同
ファブレスとファウンドリを逆にする
最も多い混同です。
| 用語 | 設計 | 製造工場 | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| ファブレス | ○ | × | 半導体を企画・設計する |
| ファウンドリ | 原則として依頼元が担当 | ○ | 半導体製造を請け負う |
| IDM | ○ | ○ | 設計から製造まで自社で行う |
工場なしで設計
→ ファブレス
工場を持って受託製造
→ ファウンドリ
工場を持って自社設計・自社製造
→ IDM
ファブレスとODMを同じと考える
どちらも製造に関係しますが、立場が違います。
- ファブレス:自社製品を自社で設計し、製造だけを委託する
- ODM:発注元から設計と製造を受託し、発注元ブランドで納品する
自社製品を自社設計
→ ファブレス
相手の依頼で設計・製造
→ ODM
OEMとODMを混同する
OEMとODMは、相手先ブランドで製品を供給する点が共通しています。
| 用語 | 設計 | 製造 | ブランド |
|---|---|---|---|
| OEM | 発注元側が中心 | 受託側 | 発注元 |
| ODM | 受託側 | 受託側 | 発注元 |
| ファブレス | 自社 | 外部委託 | 自社 |
試験では、設計まで受託するかを見ると切り分けやすいです。
製造を受託する
→ OEM
設計と製造を受託する
→ ODM
工場を持たない企業は全てファブレスだと考える
ファブレスは、特に半導体産業で使われる用語です。
単に製造を外部委託している企業をすべてファブレスと呼ぶわけではありません。
問題文で 半導体、回路設計、製造工場 といった表現があるかを確認します。
まとめ(試験直前用)
- ファブレスは、半導体の企画・設計は行うが、自社の製造工場を持たない企業
- 製造は、半導体製造を専門とするファウンドリへ委託する
- ファウンドリは、他社の半導体製造を請け負う
- IDMは、設計から製造まで自社で一貫して行う
- ODMは、設計と製造を受託し、相手先ブランドで納品する
- 「設計は自社」+「工場を持たない」が出たらファブレス