最終更新日:2026年8月8日
fe fe-strategy corporate-activity cost-effectiveness
まず結論
設備投資の費用対効果を判断するときは、改善後の効果だけでなく、導入費まで含めた総コストで比較することが重要です。
基本情報技術者試験では、次の形に整理すると計算しやすくなります。
現状コスト
= 生産量 × 現在の不良率 × 1個当たり損失 × 使用年数
導入後コスト
= 生産量 × 導入後の不良率 × 1個当たり損失 × 使用年数
+ 導入費
そして、
導入後コスト < 現状コスト
→ コスト削減が期待できる
と判断します。
FEでは、不良率が下がったから得と即断せず、最後に導入費を足すのがポイントです。
直感的な説明
設備投資は、ひとことで言うと 「お金をかけて改善し、その改善額が投資額を上回るかを見る」 ことです。
例えば、不良品が多い工場で新しい機械を導入するとします。
新しい機械を導入
↓
不良率が下がる
↓
不良による損失が減る
ここだけを見ると、導入した方が得に見えます。
しかし、新しい機械には購入費がかかります。
不良損失の削減額
-
設備の導入費
=
本当の効果
そのため、改善額より導入費の方が大きければ、結果としてコスト増加になることもあります。
FEでは、この「改善したか」ではなく「最終的に総コストが下がったか」を見る視点が大切です。
定義・仕組み
設備投資の費用対効果では、まず現状の損失を金額に変換します。
不良品による損失なら、基本式は次のとおりです。
年間の不良損失
= 年間生産量 × 不良率 × 不良品1個当たりの損失額
複数年使用するなら、使用年数を掛けます。
複数年間の不良損失
= 年間生産量 × 不良率 × 1個当たり損失 × 使用年数
設備を導入する場合は、さらに導入費を足します。
導入後の総コスト
= 導入後の不良損失 + 導入費
例:現状と設備A・Bを比較する
年間生産量を100万個、1個当たりの不良損失を10円、使用期間を5年とします。
現状の不良率が5%なら、
1,000,000 × 0.05 × 10 × 5
= 2,500,000円
です。
設備Aを導入すると不良率が3.5%、導入費が80万円なら、
不良損失
= 1,000,000 × 0.035 × 10 × 5
= 1,750,000円
総コスト
= 1,750,000 + 800,000
= 2,550,000円
となり、現状の250万円より5万円高くなります。
一方、設備Bで不良率が1.5%、導入費が160万円なら、
不良損失
= 1,000,000 × 0.015 × 10 × 5
= 750,000円
総コスト
= 750,000 + 1,600,000
= 2,350,000円
となり、現状より15万円低くなります。
つまり、設備Aは不良率を改善しても総コストは増え、設備Bは導入費が高くても総コストを削減できることが分かります。
公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
どんな場面で使う?
この考え方は、設備やシステムの導入によって、現在よりコストを下げられるか判断したい場面で使います。
例えば、次のようなケースです。
- 不良率を下げる製造設備を導入する
- 検査装置を導入して廃棄ロスを減らす
- 自動化設備で作業コストを削減する
- 新しいシステムで業務ミスや手戻りを減らす
- 省エネ設備で電気代を削減する
FEでは、表に「現状」「改善後」「導入費」「使用年数」などが並んでいたら、総額で比較する問題を疑います。
計算の順番は、次の3ステップにすると安全です。
1. 現状コストを求める
2. 各案の導入後コストを求める
3. 現状と各案を比較する
よくある誤解・混同
不良率が下がれば必ず得になる
これは誤りです。
不良率が下がっても、削減できる損失額より導入費の方が大きければ総コストは増えます。
改善効果あり
≠
必ずコスト削減
導入費だけを比較する
導入費が安い設備が必ず有利とは限りません。
重要なのは、
不良損失 + 導入費
の合計です。
高価な設備でも、不良率を大きく下げられれば総コストが小さくなる場合があります。
年間損失と複数年の導入費をそのまま比べる
単位をそろえる必要があります。
設備を5年間使うなら、不良損失も5年間分で比較します。
年間損失 × 使用年数
を忘れないようにします。
削減額を先に求めようとして複雑になる
削減額を直接求めても計算できますが、FEでは、まず
現状の総コスト
各案の総コスト
をそれぞれ求めてから比較する方が、計算ミスを減らしやすいです。
まとめ(試験直前用)
- 設備投資は、改善効果だけでなく導入費まで含めた総コストで比較する
- 不良損失は 生産量 × 不良率 × 1個当たり損失 × 使用年数 で求める
- 導入後は 不良損失 + 導入費 を計算する
- 不良率が下がっても、導入費が大きければコスト増加になることがある
- FEでは 現状 → 各案 → 比較 の順に計算すると判断しやすい