最終更新日:2026年7月27日
fe fe-strategy accounting
まず結論
複式簿記では、1つの取引を必ず借方と貸方の両方に記録します。
基本情報技術者試験では、次の順番で考えると解きやすくなります。
取引内容を確認する
↓
すでに記録された片側を確認する
↓
反対側の勘定科目と借方・貸方を補う
↓
借方合計と貸方合計が一致するか確認する
最低限、次を押さえておきます。
現金が増える
→ 借方
現金が減る
→ 貸方
売上が発生する
→ 貸方
費用が発生する
→ 借方
直感的な説明
現金50,000円で商品を販売した場面を考えます。
この取引では、同時に二つの変化が起きます。
現金が50,000円増える
売上が50,000円発生する
複式簿記では、これを次のように左右へ分けて記録します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 50,000円 | 売上 | 50,000円 |
「借方」「貸方」は、日常語の「借りる」「貸す」とは別の意味です。
借方
→ 左側
貸方
→ 右側
まずは左右の位置として覚えると混乱しにくくなります。
定義・仕組み
複式簿記とは
複式簿記とは、一つの取引を二つ以上の勘定科目に分け、借方と貸方へ同じ金額で記録する方法です。
1つの取引
→ 借方の記録
+
→ 貸方の記録
そのため、必ず次の関係が成り立ちます。
借方金額の合計
=
貸方金額の合計
勘定科目の増減
試験でよく使う基本的な関係は次のとおりです。
| 種類 | 増加 | 減少 |
|---|---|---|
| 資産 | 借方 | 貸方 |
| 負債 | 貸方 | 借方 |
| 純資産 | 貸方 | 借方 |
| 収益 | 貸方 | 借方 |
| 費用 | 借方 | 貸方 |
現金は資産、売上は収益です。
したがって、現金売上では次の形になります。
現金が増える
→ 資産の増加
→ 借方
売上が発生する
→ 収益の増加
→ 貸方
会計データモデルの3つの表
会計処理をデータベースで表す場合、次のように分けることがあります。
| 表 | 主な役割 |
|---|---|
| 会計取引表 | 日付、摘要、取引番号など取引全体の情報 |
| 勘定表 | 勘定コードと科目名の対応 |
| 移動表 | 各取引の勘定コード、借方・貸方、金額 |
関係は次のように考えます。
会計取引
↓ 取引番号
移動
↓ 勘定コード
勘定
移動表を見ると、どの取引について、どの勘定科目を、借方・貸方のどちらに、いくら記録したかが分かります。
このテーマは基本情報技術者試験の企業活動・会計分野に含まれます。公式の出題範囲は、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
取引番号で同じ取引をまとめる
移動表では、一つの取引に対して複数の行が記録されます。
取引番号0122
├─ 売上・貸方・50,000円
└─ 現金・借方・50,000円
同じ取引番号を持つ行は、同じ取引の借方・貸方を表します。
既にある片側から反対側を求める
例えば、移動表に次の行がすでにあるとします。
勘定コード208
科目名:売上
貸方
50,000円
問題文が「現金で販売した」であれば、反対側は次のようになります。
勘定コード510
科目名:現金
借方
50,000円
選択肢を切る判断表
| 問題文・表の情報 | 判断 |
|---|---|
| 現金で販売 | 現金は借方、売上は貸方 |
| 現金で費用を支払う | 費用は借方、現金は貸方 |
| 同じ取引番号が複数行 | 同じ取引の仕訳を表す |
| 借方合計と貸方合計が一致 | 複式簿記の制約を満たす |
| 売上がすでに貸方にある | もう片方は受け取った資産を探す |
試験中は次の順番で確認します。
1. 問題文から取引内容を確認する
2. 会計取引表から取引番号を確認する
3. 移動表で既に記録された片側を確認する
4. 勘定表で勘定コードを科目名に変換する
5. 反対側の勘定科目と借方・貸方を補う
6. 借方合計と貸方合計が一致するか確認する
どんな場面で使う?
会計システムのデータ設計
会計システムでは、取引全体の情報と、借方・貸方の明細を分けて保存します。
会計取引表
→ 日付、摘要など
移動表
→ 勘定科目、借方・貸方、金額
この分け方により、一つの取引に複数の勘定科目を対応させられます。
仕訳の整合性チェック
システムでは、借方合計と貸方合計が一致するか確認できます。
借方合計 50,000円
貸方合計 50,000円
→ 登録可能
合計が一致しなければ、入力ミスや仕訳漏れの可能性があります。
取引内容の追跡
取引番号を使うと、一つの取引に関係する借方・貸方の明細をまとめて追跡できます。
よくある誤解・混同
借方は借金、貸方は貸付け
違います。
簿記では、借方は左側、貸方は右側を表します。
現金はいつでも借方
違います。
現金が増える
→ 借方
現金が減る
→ 貸方
増減によって変わります。
売上と現金は同じ側に記録する
違います。
現金売上では、現金は借方、売上は貸方です。
一つの取引は必ず2行だけ
必ず2行とは限りません。
一つの取引に複数の勘定科目が関係する場合は、3行以上になることもあります。ただし、借方合計と貸方合計は一致させます。
会計取引表だけで仕訳が分かる
会計取引表には、日付や摘要など取引全体の情報が保存されます。
具体的な勘定科目、借方・貸方、金額は移動表を確認します。
まとめ(試験直前用)
- 借方は左側、貸方は右側
- 現金が増えると借方、売上が発生すると貸方
- 同じ取引番号の行をまとめて一つの仕訳として読む
- 既にある片側を確認し、反対側の勘定科目と借方・貸方を補う
- 借方合計と貸方合計は必ず一致する