最終更新日:2026年9月10日
fe fe-technology network
まず結論
CSMA/CDとは、複数の端末が同じ通信路を共有するときに、通信路が空いているかを確認して送信し、衝突を検出したら待って再送する方式です。
基本情報技術者試験では、次の流れで見分けます。
通信路が空いているか確認
↓
空いていれば送信
↓
衝突を検出
↓
ランダムな時間待つ
↓
再送
特に重要なのは、空きを確認するだけではなく、衝突後の待機と再送まで含むことです。
さらに、利用する端末が増えて通信路が混雑すると、衝突と再送が増えるため、実際に使える通信性能は低下しやすくなります。
直感的な説明
CSMA/CDは、複数人が同じ会話の場で発言する状況に似ています。
誰かが話しているか確認する
↓
誰も話していなければ話し始める
↓
同時に話し始めたら衝突
↓
いったんやめる
↓
少し時間をずらして話し直す
複数の端末が同じ通信路を使うため、送信前に確認しても、ほぼ同時に送信を始めれば衝突することがあります。
そのため、CSMA/CDでは衝突を検出した後に送信を中止し、少し待ってから再送します。
ここで大切なのは、端末ごとに「あなたはこの時間に送信」と順番を割り当てているわけではないことです。
CSMA/CD
→ 空いていれば送る
→ 同時なら衝突する可能性がある
TDMA
→ あらかじめ時間枠を割り当てる
定義・仕組み
CSMA/CDは、Carrier Sense Multiple Access with Collision Detectionの略です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Carrier Sense | 通信路が使用中か確認する |
| Multiple Access | 複数の端末が同じ通信路を共有する |
| Collision Detection | 衝突を検出する |
基本動作
- 送信前に通信路を確認する
- 空いていれば送信を開始する
- 衝突が起きたら送信を中止する
- ランダムな時間だけ待つ
- 再度、通信路を確認して送信する
待ち時間をずらすのは、衝突した端末が同じタイミングで再送し、再び衝突するのを避けるためです。
衝突は完全には防げない
CSMA/CDは、衝突を完全に防ぐ方式ではありません。
端末A:通信路は空いている
端末B:通信路は空いている
↓
ほぼ同時に送信
↓
衝突
そのため、名称にもあるように、衝突の検出が重要です。
混雑すると衝突と再送が増える
複数端末が同じ通信路を共有しているため、同時に送信しようとする端末が増えるほど、衝突が起きやすくなります。
通信量が少ない
→ 衝突が少ない
→ 効率よく送信しやすい
通信量が多い
→ 衝突が増える
→ 待機・再送が増える
→ 実効的なスループットが低下しやすい
たとえば「10Mビット/秒のLAN」と書かれていても、各端末が常に10Mビット/秒を使えることを保証する意味ではありません。
CSMA/CDでは、通信路を端末ごとに時間分割して保証しているわけではないためです。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、複数の送信方式の説明からCSMA/CDを選ぶ問題が出ます。
選択肢を切る判断表
| 問題文の表現 | 選ぶ方式 |
|---|---|
| 通信路の空きを確認し、衝突後に再送する | CSMA/CD |
| トークンを持つ端末だけが送信する | トークンパッシング |
| 決められた時間枠だけ送信する | TDMA |
| 無線LANで衝突を避ける | CSMA/CA |
| 中央装置が順番に送信を許可する | ポーリング |
試験中の判断手順
1. 「衝突」という言葉があるかを見る
2. 衝突したら送信を中断するかを見る
3. ランダムに待って再送するかを見る
この3点がそろっていれば、CSMA/CDと判断できます。
方式名より「送信権の決め方」を見る
選択肢に似た用語が並んだら、次のように切り分けます。
衝突したら待って再送
→ CSMA/CD
トークンを獲得してから送信
→ トークンパッシング
端末ごとに時間枠を割り当てる
→ TDMA
衝突をできるだけ避ける
→ CSMA/CA
特に、トークンやタイムスロットという言葉が出たら、CSMA/CDではないと切れます。
「10Mビット/秒が保証される」に注意
CSMA/CDでは、複数端末が同じ通信路を共有します。
そのため、通信路が混雑すれば衝突や再送が増えます。
規格上の伝送速度
≠
各端末に常に保証される速度
「多数の端末が同時に送信すると、自動的に時分割多重化される」という説明も誤りです。
どんな場面で使う?
CSMA/CDは、従来の共有型Ethernetで使われてきた方式です。
複数の端末が1本の通信路を共有する環境では、同時送信による衝突を考える必要があります。
一方、現在の一般的なスイッチングハブを使った全二重通信では、端末ごとに通信路が分かれており、衝突が起こりにくいため、CSMA/CDの出番は小さくなっています。
FE試験では、現在の利用状況よりも、方式の特徴と他方式との違いを判断できることが重要です。
無線LANで使われる方式との違いを整理したい場合は、CSMA/CAとは?無線LANで衝突を回避する仕組みも確認してください。
LAN機器の役割もあわせて整理したい場合は、ルータ・ブリッジ・リピータ・ゲートウェイの違いも確認しておくと、ネットワーク分野の切り分けにつながります。
よくある誤解・混同
通信路を確認するので、衝突は起きない
誤りです。
複数の端末がほぼ同時に「空いている」と判断すると、衝突が起こります。
確認
→ 送信
→ 衝突検出
→ 待機
→ 再送
までが一連の動作です。
CSMA/CDとCSMA/CAは同じ
異なります。
CSMA/CD
→ 衝突したことを検出する
CSMA/CA
→ 衝突をできるだけ避ける
一般に、CSMA/CDは共有型Ethernet、CSMA/CAは無線LANと結び付けて整理します。
詳しい違いは、CSMA/CAとは?無線LANで衝突を回避する仕組みで整理しています。
トークンパッシングと同じ
異なります。
トークンパッシングは、特殊な制御情報であるトークンを受け取った端末だけが送信します。
トークンあり
→ 送信できる
トークンなし
→ 送信できない
CSMA/CDでは、トークンを使いません。
時間枠を割り当てる方式である
誤りです。
時間枠を割り当てるのはTDMAです。
CSMA/CD
→ 空きを確認して送信
TDMA
→ 決められた時間枠で送信
混雑しても伝送速度は各端末に保証される
誤りです。
CSMA/CDでは、多数の端末が同じ通信路を利用すると、衝突・待機・再送が増えます。
したがって、規格上の伝送速度がそのまま各端末に保証されるわけではありません。
まとめ(試験直前用)
- CSMA/CDは、通信路が空いているか確認して送信する方式
- 衝突したら送信を中止し、ランダムな時間待って再送する
- 衝突を完全に防ぐのではなく、衝突を検出する
- 混雑すると衝突・再送が増え、実効的なスループットは低下しやすい
- トークンを使うのはトークンパッシング、時間枠を使うのはTDMA
- CSMA/CAは衝突回避、CSMA/CDは衝突検出