最終更新日:2026年9月10日
fe fe-technology security
まず結論
CSIRT・SOC・PSIRT・J-CRATは、「何をするか」と「誰を対象にするか」で切り分けると分かりやすいです。
基本情報技術者試験では、まず次の4つを押さえます。
| 用語 | 試験での判断軸 |
|---|---|
| SOC | 監視・ログ分析・異常検知 |
| CSIRT | 発生したインシデントへの対応・調整 |
| PSIRT | 自社製品・サービスの脆弱性対応 |
| J-CRAT | 標的型サイバー攻撃を受けた組織への外部支援 |
監視して見つける
→ SOC
発生した事故に対応する
→ CSIRT
自社製品の脆弱性に対応する
→ PSIRT
標的型攻撃を外部から支援する
→ J-CRAT
試験では、組織名を丸暗記するより、問題文の動詞と対象を見る方が安定して判断できます。
直感的な説明
会社のセキュリティ対応を、時間の流れで考えてみます。
平常時
ログや通信を監視する
↓
SOC
異常を発見
↓
インシデントが発生
調査・封じ込め・復旧・調整
↓
CSIRT
ここに、別の軸としてPSIRTとJ-CRATがあります。
自社が提供する製品に脆弱性
→ PSIRT
標的型攻撃を受け、IPAなど外部の支援を受ける
→ J-CRAT
つまり、SOCとCSIRTは組織内の監視・対応の役割分担として見ると分かりやすく、PSIRTとJ-CRATは対象や立場が違うと考えると整理できます。
定義・仕組み
SOC
SOC(Security Operation Center)は、システムやネットワークを継続的に監視し、ログやアラートから不審な兆候を検知・分析する組織・チームです。
試験で注目する言葉は次のとおりです。
- システム監視
- ログ分析
- アラート監視
- 不審な通信の検知
- セキュリティ運用
見張る・見つける
→ SOC
CSIRT
CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、セキュリティインシデントが発生したときに、調査、対応、関係者との調整、復旧や再発防止につなげるチームです。
試験で注目する言葉は次のとおりです。
- インシデント対応
- 被害拡大防止
- 原因調査
- 復旧
- 関係者との調整
事故が起きた後に動く
→ CSIRT
CSIRTにはさまざまな形がありますが、FE試験ではまず組織内のインシデント対応チームとして押さえると判断しやすいです。
PSIRT
PSIRT(Product Security Incident Response Team)は、自社が開発・提供する製品やサービスのセキュリティ問題に対応するチームです。
たとえば、自社製ソフトウェアの脆弱性が報告された場合に、影響を調査し、開発部門などと連携して修正や注意喚起につなげます。
試験で注目する言葉は次のとおりです。
- 自社製品
- 製品・サービスの脆弱性
- パッチ
- 製品利用者への注意喚起
Product(製品)
→ PSIRT
J-CRAT
J-CRATは、IPAが実施している、標的型サイバー攻撃などについて相談・分析・助言を行い、被害低減を支援する取組みです。
試験で注目する言葉は次のとおりです。
- 標的型サイバー攻撃
- IPA
- 相談
- 分析・助言
- 被害低減や攻撃連鎖の遮断支援
標的型攻撃
+ IPAの外部支援
→ J-CRAT
科目Aでどう出る?
科目Aでは、組織の説明から名称を選ぶ問題として出ることがあります。
このときは、次の順番で確認すると判断しやすいです。
1. 「監視」か「対応」かを見る
監視・ログ分析・検知
→ SOC
発生したインシデントへの対応
→ CSIRT
この2つは特に混同しやすいので、まず動詞に注目します。
2. 「自社製品」が出ていないかを見る
自社製品・サービス
+ 脆弱性
→ PSIRT
「脆弱性」という言葉だけではPSIRTとは限りません。
自社が提供している製品・サービスの脆弱性かどうかまで確認します。
3. 「標的型攻撃への外部支援」かを見る
標的型サイバー攻撃
+ IPA
+ 相談・分析・助言
→ J-CRAT
J-CRATは、一般企業の社内CSIRTそのものではありません。
どんな場面で使う?
4つを具体例で比べます。
| 場面 | 判断 |
|---|---|
| 深夜の不審なログインを監視・分析する | SOC |
| マルウェア感染が判明し、影響調査と復旧を進める | CSIRT |
| 自社製ソフトウェアの脆弱性を調査し、パッチを提供する | PSIRT |
| 標的型攻撃を受けた組織がIPAへ相談し、分析・助言を受ける | J-CRAT |
ここで重要なのは、同じセキュリティ分野でも役割が違うという点です。
よくある誤解・混同
SOCとCSIRTはどう切り分ける?
最も重要な違いです。
SOC
→ 平常時から監視
→ 異常を見つける
CSIRT
→ インシデント発生時に対応
→ 調査・封じ込め・復旧・調整
短く覚えるなら、
SOCは検知、CSIRTは対応。
英語なら、SOC detects. CSIRT responds. と覚えてもよいです。
CSIRTとPSIRTはどう違う?
どちらも「IRT」が付きますが、守る対象が違います。
社内システム・自組織の事故
→ CSIRT
自社が提供する製品・サービス
→ PSIRT
「脆弱性」という単語だけで決めず、誰の何に起きた問題かを見ます。
CSIRTとJ-CRATはどう違う?
自組織内でインシデントに対応
→ CSIRT
標的型攻撃を受けた組織をIPAが外部から支援
→ J-CRAT
J-CRATは、企業内に設置する一般的なCSIRTの名称ではありません。
SOCは攻撃を遮断する装置?
いいえ。
SOCは組織・運用体制です。
ファイアウォール、IPS、EDR、SIEMなどの仕組みや製品から得られる情報を使って監視・分析します。
組織・チーム
→ SOC
ログを集約・分析する仕組み
→ SIEM
不正通信を検知・遮断する仕組み
→ IPS
SG記事との役割分担
このFE記事では、科目Aの選択肢を短時間で切り分けることを目的に、4つの違いをまとめています。
一方、SGの記事では、インシデント管理や組織運用の観点から、それぞれの役割をより詳しく整理しています。
FE
→ 説明文から組織名を当てる
→ 「監視・対応・製品・外部支援」で切る
SG
→ 組織の役割や運用を詳しく理解する
→ インシデント管理全体の中で位置付ける
FEでまず切り分けを身につけ、より詳しく確認したい場合はSG側の記事を見る、という使い分けができます。
関連記事
- JPCERT/CCとは?CRYPTREC・NCO・IPAとの違いを切り分ける
- CSIRTマテリアルとは?組織内CSIRTの構築・運用を支援する資料
- SIEMとは?ログを一元管理して脅威を検知する仕組み
より詳しいインシデント管理の学習では、SG側の次の記事も参考になります。
- CSIRTとは?組織内インシデント対応の基本
- SOCとは?SIEMを使って監視する組織
- PSIRTとは?製品脆弱性に対応するベンダーチーム
- J-CRATとは?標的型攻撃の相談・分析を支援するIPAの取組み
公式情報・参考リンク
まとめ(試験直前用)
- 監視・ログ分析・異常検知 → SOC
- 発生したインシデントへの対応・調整 → CSIRT
- 自社製品・サービスの脆弱性対応 → PSIRT
- 標的型攻撃へのIPAの相談・分析・助言 → J-CRAT
- SOCとCSIRTは「監視か対応か」で切る
- CSIRTとPSIRTは「自組織か自社製品か」で切る
監視 → SOC
対応 → CSIRT
製品 → PSIRT
標的型攻撃の外部支援 → J-CRAT
「監視・対応・製品・外部支援」の4語で切り分ける。