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最終更新日:2026年10月4日

まず結論

条件付き確率は、ある条件が成り立つと分かっているときに、別の事象が起こる確率です。 事象とは、「注文が会員によるもの」「注文でクーポンを利用した」など、注目する出来事や条件です。

科目Aでは、まず「何に当てはまるものだけを対象にするか」を確認します。

条件を満たすものを分母にし、その中で求めたい事象も満たすものを分子にする。

「会員の注文でクーポンを利用した確率」と「クーポンを利用した注文が会員のものだった確率」は、分母が異なります。

直感的な説明

200件の注文から1件を等しい確率で選ぶとします。そのうち、会員の注文は80件、会員かつクーポンを利用した注文は24件です。

何も条件がなければ、対象は200件全体です。しかし、「選んだ注文は会員のものだった」と分かったら、会員以外の注文は候補から外れます。

この条件の下でクーポンを利用していた確率は、24 ÷ 80 = 30%です。24 ÷ 200ではありません。

条件付き確率では、条件に合わせて考える範囲を絞り直すと理解すると、分母を選びやすくなります。

定義・仕組み

記号と公式

事象Aが起こる確率をP(A)、事象Bが起こる確率をP(B)と書きます。AとBの両方が起こる事象をA∩Bと書き、∩は「かつ」を表します。

P(A|B)は、「Bが起こったという条件の下で、Aが起こる確率」です。縦線の右が条件、左が求めたい事象です。

P(A|B) = P(A∩B) ÷ P(B) ただし、P(B) > 0

分子は「AかつB」の確率、分母は条件Bの確率です。条件の確率が0の場合、この割り算では定義できません。

同じ表でも、問いによって分母が変わる

200件の注文を、会員かどうか、クーポンを利用したかどうかで分類します。各注文はいずれか一つの区分に入り、全200件から1件を等しい確率で選ぶものとします。

注文者 クーポン利用あり クーポン利用なし 合計
会員 24件 56件 80件
非会員 16件 104件 120件
合計 40件 160件 200件

Aを「クーポン利用あり」、Bを「会員」とすると、次のように計算できます。

求める確率 計算 結果
クーポン利用あり:P(A) 40 ÷ 200 20%
会員かつクーポン利用あり:P(A∩B) 24 ÷ 200 12%
会員という条件でクーポン利用あり:P(A|B) 24 ÷ 80 30%
クーポン利用ありという条件で会員:P(B|A) 24 ÷ 40 60%

表の読み方:会員という条件なら会員の行、クーポン利用ありという条件なら利用ありの列に絞ります。 両方に当てはまる24件は同じでも、条件を逆にすると分母が80件から40件に変わります。

公式でも、P(A∩B) = 24 ÷ 200 = 0.12、P(B) = 80 ÷ 200 = 0.4なので、P(A|B) = 0.12 ÷ 0.4 = 0.3です。

両方が起こる確率は条件付き確率から求められる

条件付き確率の公式を変形すると、次の関係になります。

P(A∩B) = P(B) × P(A|B)

注文の例では、「会員である確率40%」に「会員の注文でクーポンを利用する確率30%」を掛けると、両方に当てはまる確率は0.4 × 0.3 = 12%です。

条件なしのクーポン利用率20%を掛けて、0.4 × 0.2としないように注意します。

科目Aでどう出る?

問題文から分母を選ぶ三つの手順

  1. 「〜と分かっている」「〜のうち」「〜であるとき」の部分から、条件を特定する。
  2. 条件を満たす件数を分母にする。
  3. 条件と求めたい事象の両方を満たす件数を分子にする。

例えば「クーポンを利用した注文のうち、会員による注文の割合」なら、分母はクーポン利用ありの40件です。会員の80件でも、全体の200件でもありません。

独立なら条件を付けても確率が変わらない

AとBが独立であるとは、一方が起こったという情報によって、もう一方の起こる確率が変わらない関係です。P(B) > 0のとき、独立なら次が成り立ちます。

P(A|B) = P(A)

この場合、両方が起こる確率はP(A∩B) = P(A) × P(B)と計算できます。

注文の例では、全体のクーポン利用率20%と、会員に絞った利用率30%が異なります。したがって、この表で定めた確率ではAとBは独立ではありません。

どんな場面で使う?

会員の注文に絞った利用率、特定の装置で製造した製品の不良率など、対象を限定した割合を調べるときに使います。ただし、観測した集団の割合が、将来のすべての集団にそのまま当てはまるとは限りません。

「現在の状態が分かっているとき、次の状態へ移る確率」も、条件を固定して考える確率です。状態ごとに表を読む例は、遷移確率とは?で確認できます。

よくある誤解・混同

P(A|B)とP(B|A)は同じ?

一般には同じではありません。注文の例では30%と60%です。縦線の右側にある条件が変われば、対象とする範囲も変わります。

逆向きの条件付き確率や元の割合から、観測後の確率を計算する方法は、ベイズの定理とは?で確認できます。

「AかつB」と「Bという条件でA」は同じ?

両方の条件を満たす部分に注目する点は同じですが、分母が違います。P(A∩B)は全体を分母とし、P(A|B)はBの範囲を分母とします。

独立と排反は同じ?

排反は、二つの事象が同時には起こらないことです。両方の確率が正で、AとBが排反なら、Bが起こったときAの確率は0になります。そのため、独立ではありません。

「別の出来事だから独立」と決め付けず、一方の情報で他方の確率が変わるかを確認します。

条件付き確率は、必ず時間的に後の出来事を表す?

時間の前後を表す記号ではありません。「会員」と「クーポン利用」のように、同じ注文について分かっている情報を条件にできます。また、確率の違いだけから因果関係があると断定することもできません。

確認問題(科目A・オリジナル)

ある日の注文100件のうち、会員による注文は40件だった。クーポンを利用した注文は全体で25件あり、そのうち会員によるものは15件だった。100件から等しい確率で1件を選び、その注文が会員によるものだと分かった。この注文でクーポンを利用していた確率はどれか。

  • ア:15%
  • イ:25%
  • ウ:37.5%
  • エ:60%

正解:ウ

  • ア:15 ÷ 100の値であり、全体から選んだ注文が「会員かつクーポン利用」である確率です。
  • イ:25 ÷ 100の値であり、条件なしのクーポン利用確率です。
  • ウ:会員40件に絞り、そのうちクーポン利用ありの15件を数えるので、15 ÷ 40 = 0.375です。
  • エ:15 ÷ 25の値であり、「クーポン利用あり」という条件で会員である確率です。条件が逆です。

公式情報・参考リンク

まとめ(試験直前用)

  • 条件付き確率は、条件を満たす範囲に絞って求める確率。
  • P(A|B)は、Bが条件。P(A∩B)をP(B)で割る。ただしP(B) > 0。
  • 条件を逆にすると分母が変わり、P(A|B)とP(B|A)は一般に異なる。
  • 独立ならP(A|B) = P(A)。独立と排反を混同しない。
  • 件数の表では、条件の行・列の合計を分母にする。

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