最終更新日:2026年8月30日
fe fe-technology probability statistics
まず結論
遷移確率とは、ある状態や入力から、次の状態や出力へ移る確率です。
基本情報技術者試験では、確率表を見たらまず、何を固定して、何が結果として変わるのかを確認します。
今回のように入力ごとに出力0・1の確率が並んでいるなら、同じ入力に対する出力確率の合計は必ず1です。
入力0を固定
→ 出力0の確率 + 出力1の確率 = 1
入力1を固定
→ 出力0の確率 + 出力1の確率 = 1
最初に覚えるなら、次の一文で十分です。
条件を1つ固定したら、その条件のもとで起こり得る結果の確率を全部足すと1。
直感的な説明
たとえば、ある装置に0を入力したとき、出力は0か1のどちらかになるとします。
0を入力
├─ 30%で0を出力
└─ 70%で1を出力
この2つ以外の結果がないなら、
0.3 + 0.7 = 1
になります。
同じように、1を入力した場合も、
1を入力
├─ 60%で0を出力
└─ 40%で1を出力
なら、
0.6 + 0.4 = 1
です。
つまり、確率表を見るときは、表全体を一度に見るのではなく、1つの入力を固定して、そのとき起こり得る結果を横にたどると分かりやすくなります。
定義・仕組み
遷移確率は、ある状態から別の状態へ移る確率を表します。
たとえば、次のような表を考えます。
| 入力 | 出力0 | 出力1 |
|---|---|---|
| 0 | a | b |
| 1 | c | d |
この表では、
a:入力0のとき出力0になる確率
b:入力0のとき出力1になる確率
c:入力1のとき出力0になる確率
d:入力1のとき出力1になる確率
を表しています。
入力0を固定すると、出力は0か1のどちらかです。
a + b = 1
入力1を固定しても同じです。
c + d = 1
したがって、
a + b = 1
c + d = 1
となります。
なぜ1になる?
確率では、起こり得る結果をすべて含めた確率の合計は1です。
1は100%を意味します。
起こり得る結果を全部足す
→ 100%
→ 1
この基本原則が、遷移確率表にもそのまま使われています。
行と列は絶対ではない
「遷移確率表は必ず行の合計が1」とだけ暗記するのは危険です。
表の作り方によって、入力や現在状態が列に配置されることもあります。
大切なのは、
同じ条件から生じる結果を全部集めた方向の合計が1
ということです。
そのため、試験では行・列の位置を暗記せず、見出しを先に読むことが重要です。
公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験 から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、確率表の各要素の関係や、どの方向の合計が1になるかを問われることがあります。
判断手順は3段階です。
1. 何を固定するか確認する
2. その条件で起こり得る結果を全部探す
3. その確率を足して1になると判断する
たとえば、
入力0 → 出力0がa、出力1がb
なら、
a + b = 1
です。
同様に、
入力1 → 出力0がc、出力1がd
なら、
c + d = 1
です。
「表の横を足す」とだけ覚えない
表によっては、現在状態を列、次状態を行にすることがあります。
その場合は、列方向の合計が1になることもあります。
したがって、
横だから1
縦だから1
ではなく、
同じ条件から出る結果を全部足す
→ 1
と考えるのが安全です。
どんな場面で使う?
遷移確率は、状態が確率的に変化する仕組みを表すときに使います。
たとえば、次のような場面があります。
- 通信で入力ビットと出力ビットの関係を表す
- 機器の状態が正常・故障へ変化する確率を表す
- 天気が晴れ・雨へ変わる確率を表す
- 利用者がある画面から別の画面へ移る確率を表す
- マルコフ連鎖で状態遷移を表す
FEでは、理論を深く計算するより、確率表の読み方と確率の基本原則を押さえることが重要です。
よくある誤解・混同
表全体の合計が1になる
必ずしもそうではありません。
今回のような表では、入力0に対する確率の合計と、入力1に対する確率の合計がそれぞれ1になります。
a + b = 1
c + d = 1
表全体なら、
a + b + c + d = 2
になることもあります。
列の合計も必ず1になる
そうとは限りません。
今回の表では、
a + c
b + d
は、別々の入力条件を混ぜて足しているため、1になるとは限りません。
行の合計が1と暗記すればよい
これも危険です。
表の配置が逆なら、列方向の合計が1になります。
試験では、
何を条件として固定しているか
を見て判断します。
遷移確率と単なる割合は同じ
数値としてはどちらも0〜1で表しますが、遷移確率では、ある状態・入力から別の状態・出力へ移る関係を表している点が特徴です。
まとめ(試験直前用)
- 遷移確率は、ある状態や入力から次の状態や出力へ移る確率
- 同じ条件のもとで起こり得る結果の確率を全部足すと1
a+b=1、c+d=1のように、入力ごとに合計を確認する- 表全体の合計が1になるとは限らない
- 行・列の位置を暗記せず、何を固定しているかを見る
- 「条件を固定 → 起こり得る結果を全部足す → 1」が基本
何を固定する?
↓
その条件で起こる結果は何?
↓
全部の確率を足す
↓
1