最終更新日:2026年9月20日
fe fe-strategy requirements-definition
まず結論
キャパシティプランニングとは、現在のシステムの利用状況と将来の需要をもとに、必要な処理能力や資源量を計画することです。
基本情報技術者試験では、次の順序で整理すると選択肢を切りやすくなります。
現状を把握する
↓
将来の需要を予測する
↓
いつ能力の限界に達するか予測する
↓
必要な増強を検討する
迷ったら、
今を知る → 未来を見積もる → いつ足りなくなるか考える → 対策する
このページでは、現状把握から将来需要を予測し、必要な増強を計画する流れを中心に扱います。傾向分析・数値解析・シミュレーションなど具体的な分析手法は、キャパシティ管理の分析手法 を参照してください。
と考えます。
直感的な説明
例えば、現在は問題なく動いている社内システムがあるとします。
しかし、今後利用者が増えれば、応答が遅くなったり、ディスク容量が不足したりするかもしれません。
そこで、いきなりサーバを増設するのではなく、次の順番で考えます。
今はどのくらい使っている?
↓
今後どのくらい利用が増える?
↓
このままだと、いつ限界になる?
↓
何をどのくらい増強する?
この流れがキャパシティプランニングの基本です。
定義・仕組み
キャパシティプランニングでは、将来も必要なサービス水準を維持できるように、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークなどの処理能力や資源量を計画します。
FE試験では、次の4段階に分けて理解すると分かりやすくなります。
1. 現状を把握する
最初に、現在のシステムがどの程度使われているかを確認します。
例えば、次のようなデータです。
- 稼働状況
- CPU使用率
- メモリ使用量
- 磁気ディスク使用量
- トランザクション数
- 応答時間
まず現在地を知る
↓
現状把握
現在の負荷が分からなければ、将来どの程度の余裕が必要なのか判断できません。
2. 将来の需要を予測する
次に、今後どの程度利用量が増えるかを見積もります。
例えば、
- 利用者数の増加
- 端末の増設
- 新しい業務の追加
- データ量の増加
- トランザクション数の増加
などを検討します。
今後どのくらい使われる?
↓
将来需要を予測
3. システム能力の限界時期を予測する
現状と将来予測をもとに、現在のシステム能力でいつまで対応できるかを考えます。
例えば、利用者や処理件数が増えると、CPUやメモリなどの要求量も増えます。
将来の負荷が増える
↓
応答時間や資源要求量が増える
↓
いつ限界に達するか予測する
この段階のポイントは、まだ増設内容を決めるのではなく、まず「いつ足りなくなるか」を見積もることです。
4. 必要な増強を検討する
限界時期と必要な能力が分かったら、具体的な増強方法を検討します。
例えば、
- CPUを増強する
- メモリを増設する
- ディスクを増設する
- サーバを増やす
- ネットワーク回線を増強する
といった対策があります。
限界が分かる
↓
必要な対策を決める
このテーマは、基本情報技術者試験のシステム戦略やシステム化計画と関係する内容です。公式の出題範囲やシラバスは、IPA:基本情報技術者試験から確認できます。
科目Aでどう出る?
科目Aでは、キャパシティプランニングの作業を正しい順番に並べる問題に注意します。
まず、それぞれの作業がどの段階なのかを判定します。
| 問題文の内容 | 段階 |
|---|---|
| 稼働状況、ディスク使用量、トランザクション数を調べる | 現状把握 |
| 端末増設計画、利用者数の増加を見積もる | 将来需要の予測 |
| 応答時間や資源要求量から能力の限界時期を調べる | 限界時期の予測 |
| CPU、メモリ、ディスクなどの増強を検討する | 増強策の検討 |
そのうえで、次の因果関係に並べます。
現状把握
→ 将来需要の予測
→ 限界時期の予測
→ 増強策の検討
順番を暗記しない
FE試験では、作業内容の表現を変えて出されることがあります。
そこで番号を覚えるのではなく、前後関係で判断します。
現在の利用状況を知らない
→ 将来との比較ができない
将来の需要が分からない
→ いつ限界になるか分からない
限界が分からない
→ どの程度増強すべきか決めにくい
したがって、自然に
今
→ 未来
→ 限界
→ 対策
の順になります。
どんな場面で使う?
キャパシティプランニングは、システムを新しく導入するときだけでなく、稼働後に利用量が増える場合にも重要です。
例えば、
- 社員数が増える
- 利用端末が増える
- 新しいサービスを追加する
- 保存するデータが増える
- 処理件数が増える
といった場合です。
現在は問題なく動いていても、将来の需要増加を考えずにいると、ある時点から応答時間の悪化や資源不足が発生する可能性があります。
そのため、問題が起きてから増強するのではなく、限界に達する時期を予測して計画的に準備することがキャパシティプランニングのポイントです。
また、処理能力や応答時間などは、非機能要件とは?とも関係します。
よくある誤解・混同
誤解1:最初にCPUやメモリを増設する
いきなり増設内容を決めるのではありません。
現状把握
→ 将来予測
→ 限界予測
→ 増強検討
の順で考えます。
誤解2:現在の最大負荷だけを見ればよい
キャパシティプランニングでは、現在だけでなく将来の需要も考えます。
現在は十分な余裕があっても、利用者数や処理件数が増えるなら、将来不足する可能性があります。
誤解3:「将来予測」と「限界時期の予測」は同じ
別の段階として考えると整理しやすくなります。
将来予測
→ 利用者数や処理件数がどれだけ増えるか
限界時期の予測
→ その増加によって、いつシステム能力が不足するか
需要がどれだけ増えるかと、いつ能力不足になるかを分けて読みます。
誤解4:キャパシティプランニングは障害復旧の計画
違います。
キャパシティプランニングの中心は、将来の需要に対して必要な処理能力や資源量を計画することです。
バックアップや障害発生後の復旧方法を決めることとは目的が異なります。
まとめ(試験直前用)
- キャパシティプランニングは、将来の需要に必要なシステム能力を計画する。
- 基本の流れは 現状把握 → 将来需要の予測 → 限界時期の予測 → 増強策の検討。
- 稼働状況や使用量を調べるのは最初。
- 利用者数や端末数の増加を見積もった後、いつ能力不足になるか考える。
- CPU・メモリ・ディスクなどの増強は、限界を見積もった後に検討する。
今
→ 未来
→ 限界
→ 対策